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【Vol.2 価値ある食を一人でも多くの人に~沖縄編~】

こんばんは。はるちゃんです。

今回は日本の最南端!沖縄県にて活動をしているヤスさんのお話を伺いました。

「え、沖縄…?」と思われるかもしれませんが…
実はロート製薬は、沖縄県の石垣島を中心に循環型農業を行っているんです。

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循環型農業とは…
パイナップルを栽培し、搾りかすなどパイナップルの一部を豚の飼料にしながら豚の糞をさらに堆肥に戻し、パイナップルを育てる土壌づくりをする手法。離島だからこそ、限りある資源を大切に有効活用することも大切にしています。

これまで名古屋や東京でドラッグストアの営業をされてきたヤスさんは現在、パイナップルジュース、青果のパイナップル、アグー豚などの営業を中心に、時には収穫まで行われているそう。
沖縄に移って1年半。そこでの変化を伺いました。

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もともと小さい頃からスポーツをされてきたことで、食に対しても重要であるという認識はありながらも、「仕事をしたい!」という具体的な思いはあったわけではなかったそう。
そんな中、すでに沖縄で活動をされている(後にヤスさんの上司となる)方が東京へ出張したタイミングで話を聞く機会があり、話を聞いていくうちに「幼い頃から馴染んだ食で、これまでやったことがないことへのチャレンジができるのではないか?と思い、自然と気持ちが傾いていった」と言います。
その後公募があり、自ら手を挙げて現地に行くことになりました。

「(環境が変わることに対して、)もちろん大変そうだとは思いつつ、部署が変わったら必ず最初は分からないだらけなはず。だからこそ、そこに対する不安はそこまで感じておらず、現地に行き、むしろ分からないことに新鮮さを覚えたよ」

一からのスタートでしたが、特に一次産業は食という切り口で考えると切っても切り離せない存在。
人間の生存の根本の部分だからこその面白さが待っていました。

実際に現地では、パイナップルジュースやジュースの原料、豚などをホテルや原料メーカー、お土産ショップに営業することがメインのお仕事。
しかし現場に行くことも重要な仕事だと捉え、収穫やお世話などタイミングを見ながら現場でも活動をされています。

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(収穫されたパイナップル、一つひとつ手作業で仕分けをします)

「シーズンの状況は畑に行けば分かる。もちろん自然との付き合いなので、日々状況は変わるけどね」

品種などにもよって異なるパイナップルの収穫期は3月下旬からピークを迎える7月中旬と、すでに今年は過ぎましたが、実際に2年目に入りよりパイナップルの見分けには磨きがかかったようです。

「有機栽培はコストもかかってある意味大変だけれども、自然の中で育っていることもあり、とても美しいんだよ。実際に切った時の断面も全然違う」

肥料も加えていないのでバランス良く育っており、食べ比べてもよりおいしいと分かるようです。

バイヤーがメインだったこれまでのドラッグストアでの営業とは異なり、現地で営業活動では取引先は多岐に渡るため、商談相手も料理長や支配人、調達さん…などバラバラ。だからこそ、必要とされる情報は異なります。

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(自然の恵みをたっぷり受けたパイナップルのジュース。通販で購入いただけます)

また通販サイトについても「少しでも多くの方に知っていただき購入をしてもらうには、どうしたらいいのか?」と日々検討をされています。

これまでと扱う商品が異なる中で、何か違いはあるか?と質問をしたところ、真っ先にこう答えてくれました。
「相手は違っても営業の本質的なところは一緒だよ」
「こちらの価値に共感してもらえたら、その価値で買ってもらえる。相手の望んでいる状況に互いにとって価値のあると感じるモノをどう出していくのか? 」常々考えているとのこと。

システマチックにできる話ではないからこそ、畑や養豚場に行って自分で見たことも踏まえてお話をされるそうです。

住む場所や付き合う人も変わる中で、
「沖縄の方々は自然と共に生きていることもあってか、おおらかさがあり、小さい変化にも幸せを感じられる。ある意味独特だけど、受け入れられる土壌はあるように感じ、時間に追わるような東京とはかなり異なる」。

「石垣島に行って、変わったことはありますか?」と質問をすると、正直なところ自分自身の変化はあまり分からないけれど…と考えながらも、3点挙げてくださいました。

一つめは、モノやその価値について考える時間も増え、また他の人に聞くということが確実に増えたこと。

二つめは、ヤスさんご自身が買い物される時にも、消費者として値段も気になるものの、それ以上にどう作られているのか?という価値に対して強く興味関心を持つようになり、行動も変化しているということ。

三つめは、食関連での繋がりが一気に広がったことで普段の会話や体験も大きく変わり、ここでしかできない経験を通じて、自然の偉大さや有難味もこれまで以上に感じているということ。

「(現地は)不便なこともあるけれど、それを残したいと考える人が周りに多い。東京にいたらそのように感じることはなかった」と話します。

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1年半経ち、沖縄という場所や仕事についても慣れてきた頃ですが、今後やっていきたいことについて伺ってみました。

「せっかく石垣島にいるからこそ、これまでと異なる切り口で今あるモノの価値を伝えることをしたい」

すでに具体的な構想もあるようで、単純なモノの繋がりだけでなく、その先の繋がりも作ることを念頭に検討されているとのこと。

具体的にここでは内緒とのことでしたが、色々な人に構想を話すと様々アイディアをいただけるそうで、土日も関係なく、視野を広げながら様々考えているそうです。このように動く中で「職人さんは仕事とそうでないことの境界線が曖昧で動いているんだろうなと感じるね」と笑って話をしてくれました。

営業として仕事という大枠は変わらないものの、自然豊かな環境と共に商品として扱うモノは大きく変わる中で、いつの間にか起こっていた変化と、ヤスさんの視点だからこそ見つけたこれからやっていきたいこと。

いつもはポーカーフェイスのヤスさんですが、コントロールしきれないことに対する難しさも感じながら、それ以上に魅力となっている自然の大きさの魅力を力強くお話してくれました。