思い悩む日々さえも愛せ
暗闇の中をたった1人歩いているような、そんな気持ちになることがある。
そういやこれだけ広い世界だってのに、結局は自分たった1人しかいなかったな、なんて。
目の前のバナナパンケーキは友達とシェア出来ても、互いの感情はシェアできない。
なんて理不尽な世界だ。
あのお花綺麗ね。
そうだね。
どう美しく映っているあなたの目には。
同じ世界線は到底見られない。
あの音楽素敵ね。
僕もそう思う。
どう奏でられているあなたの耳には。
この料理美味しいね。
スパイシーな感じがまたいいね。
どう味わうあなたの舌には。
五感を総動員させたってあなたには分かるはずもない。
なんて表面的で薄っぺらい。
そんな捻くれた考えを、1人頭の中によぎらせてみたり。
全てを理解してくれなんざ不可能なのだ。
どれだけ近くに寄り添っていたとしても結局は人は1人であり1人であるべきなのだ。
“私の何がわかる。”
そんなことを13年前、毎日のように他人に向かって強く感じていたものだ。
家族だから恋人だから友人だから何がわかる。
何も分かりやしない、人の心の闇や影。
今思えば馬鹿らしいほどに人に期待し、完璧さを求め、他人からの評価や必要以上に愛を求めた。
他人は誰しも無知である。
理解できないことは悪いことではない。
大切なことは如何に自分自身を尊重できるか。
人生の嗜み方は人さまざまである。
何かに囚われて縛られて窮屈に生きすぎるなと。
あなたが思うよりずっと世界は自由だ。
信念があれば何でも実現させられる。
最近は、そう実感する。
生きてりゃ嫌なことだってある。
そんなの気にすることはない。
そんなの一生に一度のシミ程度にしか過ぎない。
カフェマキアートというエスプレッソと温めたフォームミルクで作る飲み物がある。
マキアートとは、イタリア語で「染みのついた」と言う意味である。
牛乳で染み(模様)を描き、その変化を楽しみながら頂く飲み物であり、実に高度な技術が必要とされる。
ふと、お客様に作りながら思うのだ。
人生も同じようなものであると。
人生の中の一見不幸や悲劇に思える出来事を一つの「染み」だと捉えたとして、
その染みをも上手く描くことにより、結果美しい模様や柄へと変化し、一つの作品となり人々を楽しませる。
悲劇や苦悩と感じるものは決して悪ではなく、善に好転する可能性を秘めた人生をより豊かにする貴重な肥料なのである。
好ましくない状況ほど真摯に捉え、向き合うことで生まれる可能性が大いにある。
一つの染みから描かれる美しいその未来、人生。
あなたはそこに何を想い、何を描く。
ROGORONA
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