11/16Mリーグ観戦記振り返り「役満」

Mリーグ、11/16の第1回戦の観戦記を担当しました。

今シーズン初役満が飛び出した一戦、振り返りにぜひご一読ください。

役満は運と意志

記事には書かなかったのだけど、僕は「役満は運」だと思っている。

アガリ形が極めて限定されるだけに、役満を狙うならターツ選択などの余地はほとんどないし、そもそも役満になるだけの手材料が来るかどうかは山がどう積まれているか、配牌がどうか、がほぼ全てだ。

大三元や国士無双などであれば、そこにアガリやすさを高めるためのテクニックが少しだけ絡む、という感じか。

後は、役満が見える手材料があった際、そこに向かうか向かわないかの選択。

向かう意志があれば、あとはアガれるかどうかは運次第である。

松本選手の場合は真っすぐ手を進めていった結果が四暗刻になったということであり、これに関してはハッキリいってラッキー、松本選手が恵まれていたと言える。

オカルト的な考え方をすれば、昨シーズンひたすら不運に見舞われていただけに、その揺れ戻しがきた、なんて言えるかもしれないけど。

役満からの逆転負け

少し、自分のことに触れさせていただく。

僕は今年、東1局1本場に国士無双を出アガリするもその半荘を2着で終えてしまった、という経験をしている。

序盤から必要以上に点数を持ったことで過度に守りに入ってしまい、相手のリーチなどに対して徹底的に守備を固めていたのだけど、そうこうしているうちにツモでガリガリ削られ、最後は親の6000オールで逆転されてしまった。

このときのことは自分の中での大きな反省として残っているし、そういう苦い記憶があるからこそ、役満をアガった後の松本選手の戦いは意外に難しくなるだろう、ということもイメージができた。

ましてや相手は近藤誠一、佐々木寿人、二階堂亜樹である。

親番1回あればどれだけ点数を稼いでくるか分からないし、一方で親役満ツモを決めておきながら敗れる、なんていうことは万に一つもあってはならない。

その重圧の中でどう戦うかこそ、この試合のテーマにふさわしいと感じた。

松本選手は、行くべきところではしっかりと行っていたし、親番の8000放銃以外は非常にバランスのとれた選択をしていたと思う。

あの日の自分とは大違いだった。

サイドストーリーの排除

先週末、鈴木たろうプロ(赤坂ドリブンズ)が日本プロ麻雀協会を退会し、最高位戦日本プロ麻雀協会に移籍するというニュースが流れた。

麻雀ファンを騒然とさせた大物プロの移籍。

しかしやはり、一番衝撃を受けたのは同じ日本プロ麻雀協会の選手たちだろう。

そしてMリーガーとして戦う同じ協会の松本吉弘プロ、堀慎吾プロとしても、思うところもあったはずだ。

その松本選手が決めた四暗刻ツモは、書きようによっては「鈴木たろうへの、惜別の四暗刻」みたいなストーリーを絡めることもできたし、実際にそのようなことを考えなかったわけではない。

ただ、やはりMリーグの舞台においては、松本選手は渋谷ABEMAS、堀選手はKADOKAWAサクラナイツの一員であり、チームのために戦うだけだ。

それはたろう選手も同様だろう。

団体の所属は、Mリーグの対局には関係ない。

だから、そのようなネタはあえて今回は入れなかった。

期待していた方もいたかもしれないけど、その点については一応明記しておく。


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