🖊人口爆発ディストピア大集合 映画はカニバリズムに

Make Room! Make Room! - Wikipedia

作家のハリー・ハリソンは、「このアイデアは、戦後の1946年に出会ったインド人からもらったんだ。彼は私に、『人口過剰は世界でこれから起こる大きな問題だ』（当時は誰も聞いたことがなかった）と言い、『大儲けしたいかい、ハリー？インドにゴムの避妊具を輸入するんだ』。金儲けは構わなかったが、インドのゴム王にはなりたくなかった！

メイク・ルーム メイク・ルーム！』は、ハリー・ハリソンが1966年に発表したSF小説で、抑制のきかない人口増加が社会にもたらす影響と、少数派の富裕層による資源の買い占めについて描いたものである[1]。

1999年8月の未来を舞台にしたこの小説は、人口増加と比較した米国やその他の国々が使用する世界資源の割合の傾向を探り、世界人口が70億人に達し、過密、資源不足、崩壊しつつあるインフラに悩まされる世界を描いている。筋書きは登場人物から登場人物へと飛び移り、人口3,500万人のニューヨークを舞台に、さまざまな立場の人々の人生が描かれる。

この小説は1973年のSF映画『ソイレント・グリーン』の原作となったが、映画ではプロットとテーマの多くが変更され、人々を養う解決策としてカニバリズムが導入された[2]。

メイク・ルーム メイク・ルーム！』の舞台は1999年（執筆当時から33年後）の過疎化したニューヨーク。30歳のアンディ・ルッシュ刑事は、自転車を改造して古いテレビと冷蔵庫の電力をまかなっている引退したエンジニアのソルと、半分の部屋で共同生活をしている。

水の配給が減り続ける中、アンディは「長老たち」の演説を目撃する。近くの食料品店が「ソイレント」（大豆とレンズ豆）ステーキを突然売り出したことから暴動が起こる。店は暴徒に略奪される。18歳の台湾系アメリカ人、ビリー・チョンはステーキの箱を手に取る。彼はステーキの一部を食べ、残りを売ってウエスタンユニオンのメッセンジャーボーイとして働く資金を調達する。最初の配達で彼は、エアコンとシャワーのための水道というめったにない贅沢を備えた要塞化された集合住宅に入る。彼は「ビッグ・マイク」オブライエンという名の大富豪にメッセージを届け、マイクの23歳の愛人シャールを見かける。ビリーはアパートを出るが、後で建物に戻れるように修理する。彼はマイクの家に押し入るが、マイクに現行犯逮捕されたビリーは、誤って彼を殺してしまい、手ぶらで逃走する。

マイクの仲間にとって脅威となる、ニューヨークへの進出を狙う郊外の犯罪組織のボスが、ある証拠からつながるかもしれない。アンディは通常業務に加え、この事件の捜査を続ける。

捜査中、アンディはシャールに夢中になる。月末まで彼女がアパートに滞在できるようにする。この1ヶ月間、2人は贅沢を楽しむ。その後、シャールはアンディと同居する。シャールはやがて、働きすぎのアンディが自分に割いてくれる時間の少なさに失望する。やがて彼女は、パーティーで出会った裕福な男と寝る。

捕らわれの身から逃れるため、ビリーは街を離れ、最終的には廃墟となったブルックリン海軍工廠に忍び込み、そこで世界の終わりとして新千年紀を待ち望むピーターと暮らすようになる。やがて彼らは3人組に襲われ、居場所を奪われる。彼らは車の中に新しい家を見つける。殺人事件から数ヵ月後、ビリーは警察が自分に興味を失ったと思い、家族を訪ねることにする。

一方ソルは、人口過剰という人類の危機を前に、もはや受け身ではいられないと決意する。人口抑制を支持する法案の撤回に抗議するデモ行進に参加する。ソルは暴動で負傷し、肺炎にかかる。彼の死から数日後、不愉快な家族が彼の居住区を占拠し、シャールとアンディの生活は以前よりずっと悲惨なものになる。

アンディは偶然ビリー・チョンに出会い、彼の実家で彼を追い詰める。ビリーがナイフでアンディを襲おうとしたとき、彼はつまずき、アンディは誤って彼を撃って殺してしまう。この時点でギャングの関心は薄れていたが、上司はアンディの行動を否定し、彼は一時的に普通のパトロール隊員に降格させられる。宿舎に戻ると、シャールが彼のもとを去っていた。

大晦日の夜、アンディはタイムズ・スクエアをパトロール中、金持ちのパーティー客の中にシャールを見つける。時計が真夜中を告げると、アンディはピーターに出会う。ピーターは世界が終わっていないことに取り乱し、どうしたらこのまま人生が続くのかと尋ねる。物語は、タイムズスクエアのスクリーンが "国勢調査によると、アメリカは過去最大の1年だった、世紀末、3億4400万人の市民 "と告げるところで締めくくられる。

この小説を書いた数年後、ハリソンは短編小説『ルームメイト』（1971年）を創作した。ハリソンは、『The Best of Harry Harrison』に収録されたこの短編の紹介文の中で、そのきっかけと創作について述べている。彼は、再版のための抜粋を求められたが、どんな単純な抜粋も単独では成り立たないと思ったと語っている。そこで彼は、「ルームメイト」のプロットからさまざまなシーンを抜き出し、それらを組み合わせて短編を作った。