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38歳、芸大受験してみた。

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37歳で東京藝大音楽学部楽理科受験を思い立ち、半年後に本当に受けてしまった38歳(当時)フリーライターの体験記。 ※受験相談のコメントやメッセージを度々いただきますが、基本的に返…
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#音大受験

38歳、芸大受験してみた。⑮

38歳、芸大受験してみた。⑮

自慢じゃないが、私は転職活動で負けたことがない。フリーになる前に6社経験している=転職活動は5回したことになるが、面接ではいつも、すぐ辞めたがるこの性格も含めてポジティブに伝えることができ、狙った会社を逃すことはなかった。だがその分、入社する頃にはいつも超ネガティブになっており、慣れるまでかなりの間、「私なんて何の役にも立たない人間です、生きててすみません」オーラを出していたように思う。

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38歳、芸大受験してみた。⑭

38歳、芸大受験してみた。⑭

私がどれほど不合格を確信していたかというと、①もう上野には当分来ないと思い、招待券を持っていた隣の都美術館に、まだ会期はあるのに試験3日目に寄って帰ったほど、②唯一全てを話してあり、結果が出たら報告がてら飲みに誘おうと思っていた芸大卒の友人Nに、結果なんて待つまでもないと、これまた当日中に誘いを入れ実際に飲んだほど、③翌日の仕事で「私きのうまで大学受験してたんですよ!」とすっかりネタにしていたほど

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38歳、芸大受験してみた。⑬

38歳、芸大受験してみた。⑬

人生で最も大恥をかいた、2018年3月7日の詳細。といっても5種のうち、楽典とピアノはそこそこ良くできたのだ(当社比)。楽典は作戦通り、捨てる問題は最初から捨てて出来そうなところだけをスピーディーにやれたし、ピアノに至ってはスタインウェイのグランドピアノを弾ける喜びすら感じながら受けられた。まあそれは、ピアノの前の聴音で十分な玉砕を感じ、開き直っていたからでもあるのだが。

というわけで玉砕の始ま

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38歳、芸大受験してみた。⑫

38歳、芸大受験してみた。⑫

3月6日、3日間に及ぶ二次試験はまず小論文と和声から始まった。結局一度もレッスンを受けられなかったM先生から言われていたのは、小論文は音楽学の知識を見るものであって、ただ自分の考えをうまく書くだけでは意味がないということ。つまりプロのライターであることは何の助けにもならないと分かってはいたのだが、何しろ音楽学の文献を読んでおく時間は、今年に関しては確保できなかった。そこで私の作戦は、とりあえずどん

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