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「役に立ちたい」の巧妙な罠

きっかけは、あの一言


昨夜、オンラインで著者さんと打ち合わせをした。
KindleP”(プロデューサー)やってます。
と宣言したら、以前から知っているKさんが
「私、やってみようかな」
と声をかけくれた。
う、嬉しい…

Kさんとの二人三脚がスタートした。

Kさんは、50歳を過ぎてから
何度もステップアップ転職をした人。

40代以降も転職を目指す人には
本当にナイスなロールモデルなのだ。

そんなKさんが、転職に関する
経験者としての本を執筆することになった。

初回はKさんの状況をヒアリングし、
こちら概要を説明して、
ご自身で少し準備をしてもらった。

昨夜は2回目。
ネタを洗い出しながら、目次を作成していく段階。

で、昨日のロドリはやらかしちまいました…

Kさんに深堀り質問をしながら、
目次の案を出したり、流れを構成していく間、
ある言葉が私を支配してしまっていた。

それはKさんが冒頭で呟いたコレ。

「私の経験が、誰かのお役に立てたら…」

お役に立てたら…

立ちますとも!

立てますとも!!

立たせましょうぞっ!!!


任せろ!と、鼻息荒くやったこと


①読者のペルソナ設定
→この本の内容を知りたかった約15年前に設定

②本編でお伝えしたいこと(ネタ)の洗い出し
→無自覚コンテンツホルダーのKさん
 どんどん出てくる。

⓷最初の構造化
→多岐にわたる内容なので、時系列で整理。
 このまま目次になる前提。

④構造化に沿ったネタ出す
→こちらが質問したことに沿って
 具体的に答えてもらい、ネタを整理していく。

いいね、いいね。
転職経験者ならではの視点。
職業領域の人だとなかなか言及できないネタが
たくさんあって、魅力的な本になりそう!

KindleP”楽しい!

Kさんの顔が曇っている


Kさんのナイスなネタを整理しながら
KindleP”には素敵なアイディアが降ってきた。

⑤2回目の構造化だ。

Kさんに、
「こんな風な流れにしませんか??
 目次はこうで、ああで…」
同じ時系列でも、もう少し細分化した構成を
意気揚々と提案してみた。

Kさん
「あー…そうですね。はい、わかりやすいです」

ね、そうでしょ!
この切り口、めっちゃわかりすいもんねん!
我ながら、この提案ナイスだわ!

が。

あれ?
んーーーー
なんか、ちょっと、ちょっとだけ、
Kさんのテンションが落ちてきているような…

でも、この時点でKindleP”は
Kさんの心の声に気づかず。

うん、わかりますよ、Kさん。
かなり書くセンスのあるKさん。
枠を決めると、好き勝手に書けないもんね。
ちょっとつまんなく思えちゃってる?
わかる、わかる。


すかさずフォローしてみた


「Kindle出版の場合、紙本ほどではないにしても
やっぱり情報がわかりやすいとか
目的に沿って流れがスムーズとか
そういう基本的なことは大事なんですよね。
役立ててほしいと思って書いても
読者さんは、著者さんほどの経験がないですから
整理して伝えないと、うまく咀嚼できないので…」

ペラペラと、うすーい私。

四万十川なみに心のキレイなKさん。
「ええ、はい、そうですよね。
わかりやすいのは大事ですね、
そう思います!」

様子をみてもう一度訊いてみる。
「どうでしょう?
この構成でイメージできますか?」

阿蘇のカルデラなみに心の広いKさん。
「そうですね…
ちょっと書いてみないとわかりませんが
やってみます」

様子をみて勇気づける。
「事前に出していただいたものを見ても
筆力は高いし、ネタは多いから
なんの問題もないと思いますよ。
まずは書きはじめてみましょう」

ネタを洗い出している途中で
タイムアップとなったが
一旦書き始めるには十分なはず。

その一言がリフレイン


最後に今日の感想を訊いてみた。

「ありがとうございました。
ちょっと窮屈な感じにはなりますが
がんばってみようと思います」

ちょっと窮屈…
ちょっと窮屈…
ちょっと窮屈…

そっかぁ…


朝イチでDMを送ってみた


少し時間が経ち、いまは率直にどんな感じですか?

①書くぞー!ですか?
②うーん、ちょっとなぁ、ですか?
③もっと○○したい、ですか?
④その他

こんな返信がきた。
(実際はもっと丁寧)

まずはコツコツと書いてみようと思いますが
①と②の間くらいです。

さらにこんな一言が。

書くという作業を利用して、自分と向き合う、
禊する事が必要だなという気持ちなんです。

あああ…
そこかあああ…

やってしまった…

「私の経験が、誰かのお役に立てたら…」
そんな何気ない言葉が孕む、
社会通念の罠にハマってしまっていたことに
私はようやく気づく。

「私の経験が、誰かのお役に立てたら…」
は、最終的に到達できたらいい結果であって
そこ目的に書き進めたい、じゃないんだよねぇ。

なんで、そんな簡単なことに気づかなかった?
Kさんからはアラートが上がっていたはずなのに。


一番大事なことを忘れてしまっていた


私がKindle出版がよいと思ったのは
執筆に関する制約がめちゃくちゃ少ないから。

誰の指示にも従わなくていい。
誰にもゆがめられなくていい。

ビジネスを構築したり、
自分と向きあったり、
どこかの世界に浸ったり、
若者だかミドルだかシニアの主張をしたり、
戯言をつぶやいたり、
それでいいやん!の世界だから。

なのに、やれ、
理解されないだの、
構造化だの、
うるさいっつーの。

なにより、こんな本プロデュースした奴が
やいのやいの言うなっての。
(25日の15:59まで0円。ついでに宣伝すな)


あらためて、コレ、です


思い直したので、Kさんにはお伝えしました。

【私の基本スタンス】

私はプロデューサーという役割を名乗っていますが、
何かをさせる人ではなく、
ご本人の意思や希望を実現するため人です。
昨日もアジェンダを作成しましたが、
その通りにやろうとしなくていいです!
やっぱり変えました。で問題ありません。

そのうえで、構成も、Kさんが窮屈な思いをせず
もっと自由に書けるご提案をしてみました。

そうすると、こんなご返信が。

こちらこそありがとうございます!
朝一番のメッセージ、さすがだなと思いました。
そして、お返事を書いているうちに見えたことも。
私の40代は…(今回のKindleの本丸の吐露)

あ、Kさん、すごい!
突破してる!


自分の言葉を放て


いつから、私たちは
誰かの役に立つこと。
誰かから賞賛されること。
が最優先になってしまうんだろう…

もちろん意思をもって選べば、
そんな在り方も自己決定だけど
多くは強迫観念のようにやっている。

でも、そんなに背負う必要って
きっと誰もないんだろうなぁと改めて。

自分の言葉で、自分の世界を放つ。

それだけでも十分だし
幸せなことだと思うのです。


戯言本なんて書いている私が言うなって。


追記

Kさんにこの記事の許可をとったら、
こんなDMがきた。

↓↓
ぜひぜひ出してください!
私のことエベレストより高く持ち上げすぎでもうー!
ではありますが。
このnote、誰かの背中を押してあげる内容だと思います。
そういう内容大好き。
グルっと回って私のkindle執筆の励みになりました!!

ね、
四万十川なみに心のキレイなKさん。
阿蘇のカルデラなみに心の広いKさん。

みなさん、出版したらよろしくお願いします。

※写真は友人ライターからのフィードバック。
 4箇所お知らせいただきました…深謝

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