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労働関係は小休止の3年通常国会|迷想日誌

令和3年の通常国会がスタートしました。
しかし大変残念ですが労働法制度改正案は例年になく少なく寂しい限りです。
もっとも、前安倍政権から始まった働き方改革で制度改正が強力に進められてきました。
今年の通常国会は一旦その勢いを緩めて小休止といったところでしょうか。

厚生労働省を取り巻く環境は新型コロナウイルス感染症によって厳しい状況にあり、労働法にまで手をつけることができなかったという感じです。
労働関係の審議会にかけられた多くの案件といえば、押印廃止を内容とする省令改正などで事務手続き上のものです。

解雇者や解雇見込みが累計8万人を超えました。
感染防止に向け法改正よりテレワーク拡大対策や雇用調整助成金対応などを重視しているものと思われます。

その中で、労働法制度改正として指摘されているのは育児・介護休業法です。
「週刊労働新聞」でもすでに概略をご紹介致しましたが、改めて主な改正点をあげれば、男性の育児休業取得促進策の創設です。

実際に男性の取得ニーズの高い子の出生直後の時期について、現行の育児休業よりも柔軟で取得しやすい新たな休業の仕組みを設けるとしています。
取得対象期間は子の出生後8週間とし、取得可能日数は、年次有給休暇が年間最長20労働日であることなどを参考に4週間とするようです。

労働者本人または配偶者の妊娠・出産の申出をした労働者に対し、育児休業制度を個別に周知し、取得の働きかけを事業主に義務付けることを新たに盛り込みます。
スムーズに成立するでしょう。

今回は、労働法制度改正としてはこれぐらいで精一杯です。

また、そろそろ厚労省の組織改編を行うべき時期に近付いているような気がします。
他の省庁に比べても膨大な仕事量をこなさざるを得ない状況となっていますので、結果的にパンデミック対策がうまくいってません。まず再分割して負担の軽減と専門化の追求をすべきです。
1人の大臣で医療も年金も労働もは、どう考えてもダメです。政権の決断に期待したいと思います。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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