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恥ずかしい「COCOA」の失態――組織再編必要に|迷想日誌

もう何とかしてほしいのが、「接触確認アプリ」COCOAの失態です。
世界的にも恥ずかしい限りで、先進国とは思えない状況です。

今回、Android端末で同アプリを利用していた場合、陽性登録を行った同アプリ利用者と「1メートル以内15分以上」の条件に該当する接触があっても
検知・通知を行っていないなかったことが判明しました。
昨年9月28日のバージョンアップに伴って生じたとしていますので、長らく何の用にもなっていなかったわけです。
報道では、菅首相も「お粗末なことだったと思う」と述べ、非を認めました。極めて重大な失態です。

そもそも同アプリは、昨年6月時のスタートから恥ずかしいツマズキをしていました。
やはり不具合が原因により、陽性を登録することができないケースが生じているなどとし、2回ほど利用停止となったのは記憶しています。
どう考えても、コロナ対応で、厚労省は疲労困憊と推察します。
それでなくても厚労省の業務量は他省庁と比べても膨大といえます。

やはり、厚労省再編は必要でしょう。現事務次官は、厚生分野と労働分野で有意義な事業連携が達成できており、再分割の必要性はないとはっきり述べていましたが、これまでの様ざまな「失態」はそれを許さないと思われます。

致命的なのは、コロナ禍の拡大が予見できたはずなのに、何も手を打たず医療受け入れ態勢が崩壊するといわれたことです。
にもかかわらず、医療行政からは何の発信もありません。それどころか、世間的にはGoToトラベルが犯人とされています。

厚労省の対策が不十分だったために、緊急事態宣言が2度までも発出され、日本の感染状況は欧米に比較して浅いにもかかわらず、経済的に大きなダメージとなりました。今後、多くの人の命が犠牲となっていくでしょう。

もちろん、個々の厚労省職員に責任があるというつもりはありません。
最も大切な「命と仕事」を担当する役所として、全体としての負担軽減を真剣に考えるべきです。
事務次官に厚生出身者が連続しているのも問題です。
こんなに雇用・労働行政を軽視している国はありません。
コロナ禍が去ったら、厚労省再編・分割、負担軽減を実行すべきです。
度重なる同アプリの不具合がすべてを象徴しています。

労働新聞編集長 箱田 尊文

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