デフレ脱却絶望でヘリマネの出番か…|迷想日誌
3月11日に今季賃上げ集中回答日が到来しました。労使交渉の開始直前にブレーキ要因が生起することは、これまでもよくあることでしたが、今季は近来にない大ブレーキとなったようです。
本紙「労働新聞」が、年初に予想した今季賃上げ率は「2%前後」でした。
2%に乗れば上出来と考えていましたが、いまのところ下振れして読みが外れる可能性が高まっています。
もっとも年初の段階で、新型コロナウイルス感染症の拡大やGDP年率7.1%減の予測ができなかったので、ご容赦いただきたいと思います。
一筋の希望を見出すとすれば、中小規模企業の妥結状況です。
たとえば、機械・金属を中心とする産業35万人を擁する産業別労働組合JAMの3月10日付集計結果をみますと、賃金改善分つまりベースアップ分は、中小規模の方が比較的好調となっています。
最も高い平均2000円のベアを獲得したのが、100人未満規模でした。3000人規模以上は1425円と下回っています。
しかし、賃上げ妥結額全体の同一単組・前年比較をみますと、いずれの規模においても下落しています。
とくに、100~500人の中堅規模の落ち込みが700円程度と厳しく、全体の賃上げ率を押し下げる要因となりそうです。
要するに、長期間にわたってチャレンジされてきたデフレ脱却の望みは閉ざされたといえます。
折しも、ほぼ同時期に新型コロナウイルス感染症において「パンデミック宣言」が発せられました。
一方で、昨秋の消費税増税はやはり最悪のタイミングで実行され、GDPの大幅下落を招来してしまいました。
後者は、結果がほぼ分かっていたことで、政府の大失策です。
早急に新たな20兆円規模の大規模補正予算を組み、少なくても消費税増税分を取り戻す必要があります。
いわゆるヘリマネ(ヘリコプターマネー)を実施すべきタイミングです。
国民1人当たり数万円規模やポイント還元ではまったく効果がなく、無駄に終わりますので、数十万円規模とすべきです。
労働新聞編集長 箱田 尊文
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