見出し画像

作業中止は「空振り」を恐れることなく|ちょっと言わせて

7月上旬に九州地方をはじめ、日本各地で豪雨災害に見舞われました。
被害に遭われた方々につきましては、謹んでお見舞い申し上げます。

今年も台風や豪雨に注意が必要な季節がやってきました。
本年は新型コロナウイルス感染症予防にも配慮が必要になるため、一層、難しい状況が予想されます。
担当者は対応について苦慮されているのではないでしょうか。

建設現場では、工事内容や周辺環境から想定される異常気象によるリスクを想定し、緊急時に備えておく必要があります。
強風や大雨が降っても慌てないよう緊急用資材の調達や連絡体制の整備、作業中止の基準などを明確にしておきます。
また、避難訓練や緊急連絡の訓練も定期的に実施することが重要でしょう。
なお、作業再開の場合は、十分な安全確認を行います。

十分に備えをしていても、相手が自然だけに、作業中止の判断は難しいものです。
台風のようなはっきりとした天候なら即、中止を決められますが、大雨くらいだと「このくらい大丈夫じゃないか」と思いがちです。
作業を中止してしまうと工程が後ろにずれ、結局はコストに跳ね返ってきます。
工事を中止したところで、何事も起きない「空振り」が続くと、これもまた工事の責任者は肩身の狭い思いをしてしまうかもしれません。
「つい、ためらってしまう」のはこうした理由があるからです。

近年は台風が強力になっているほか、ゲリラ豪雨や線状降水帯というタイプの大雨が降るようになりました。
今回の九州各地で被害をもたらした大雨は、線状降水帯です。
「雨がいつもよりいっぱい降ったところで…」と油断は禁物です。
作業員の命を守るためにも、「空振り」を恐れず中止の判断を下してください。
そのためにも事前に会社と十分に話し合っておくことが大切といえるでしょう。

――――――――――――――――――――

〈労働新聞・安全スタッフ電子版のご案内〉
労働にまつわる最新の情報など、充実したコンテンツを配信中の『労働新聞・安全スタッフ電子版』は、下記よりご覧ください。

――――――――――――――――――――

Copyright(C)(株)労働新聞社 許可なく転載することを禁じます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?