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都市の暑さ=6畳間に1000Wストーブ10台分

(文責:はむすた)

今日8月4日の東京都心は33.1度まで気温が上がった。

言うまでもなく、暑い。

暑いと言っていると余計に暑さを感じそうだが、そんなことを考える余裕もなく、暑い。

前々回の記事で、今後は暑さが「継続」するようになると書いたが、

本当に4日続けて30度を超えてこられると、わかっていても辛い。

しかも、あと少なくともあと一週間は同程度の暑さが続く見通しになっている(気象庁HPより)。

ちなみに、晴れて気温が33度を指し示しているとき、私たちが東京都心で感じる温度は、実はそれよりも大幅に高い。

いわゆる体感温度というものだが、これは日差しが照りつけることによって実際の気温よりも上がり、しかも都市部のようにコンクリートの地面やビルの壁に囲まれているところでは、その日差しが「照り返し」て、増幅されてしまう。

たとえば、幅の広い東西方向の道路で、向かいの建物の陰から遠くなる北側の歩道を歩いていたとしよう。

このとき歩行者が受ける熱量を計算すると、6畳の部屋で 1,000W の電気ストーブを 10 台使用した場合と同程度になる。

これは筆者が勝手に言っているのではなくて、環境省資料に掲載されている真面目な話である。

環境省キャプチャ

(上図は、環境省「まちなかの暑さ対策ガイドライン」第一部技術編に掲載されている。)

6畳の部屋で 1,000W の電気ストーブを 10 台使用するレベルの熱を受け続ければ、若さと健康に自信があっても熱中症の危険が避けられないことがよくわかる。

というか、想像しただけで嫌になる。

つまり、街中で暑さを避けるためには、日差しや照り返しの少ない日陰をいかに選んで過ごすかが重要になってくる。

いつでもどこでも日陰ができるわけではないので、日傘を持ち歩いて自分自身に影を作ることも有効だ。

有り難いことに、近年は「日傘男子」という言葉もさほど目新しく感じないほどには定着してきたし、紳士服売り場には比較的手に入りやすい価格の紳士用日傘も置かれ始めたので、日傘は男女ともに利用可能な熱中症対策グッズになりつつある。

日傘をさして歩くことは人混みの中では迷惑になるので、自然と混雑を避けて、つまり蜜を避けて行動することにつながるし、感染対策になるので一石二鳥だ。

そして以前の記事の繰り返しになるが、日差しを避けるだけでは熱中症は避けられない。

水分をこまめに取ること、無理をしないこと、お酒を飲みすぎないこと、睡眠不足にならないよう気をけること…、これらの基本的な対策が自分自身の命を守るし、経験にないほど過酷な夏を迎えている医療現場に余計な負担をかけずに済むことにつながるのだ。

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