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2022J1第5節 横浜F・マリノスvsサガン鳥栖 プレビュー ~Smash up~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
先週の札幌戦は辛くも追いついてドローに持ち込みましたね、、
ヒヤッヒヤでした。

赤松:
試合もなかなかの好ゲームだったし、面白かった。
最後追いつけてよかったな!
はい、お土産!

青人:
おー!じゃがぽっくる!!
これ大好きなんすよ!
てか、パイセン行ってたんすね!

赤松:
喜んでもらえてなによりw
そうなんだよ。雪がめっちゃ積もってて歩くの大変だった。足くじいて足首痛めたし、、

青人:
右足ですか、、じゃあ今日はパイセンの右足ばっかり狙おっと!

赤松:
やめろバカwww


【最近のサガン鳥栖】


青人:
さあというわけで次は鳥栖戦ですね。

赤松:
「サクラサク!春のプレッシング強化月間」の2試合目だな。

青人:
なんですかそのパンまつりみたいな謎のキャンペーンは。

赤松:
我ながら自身作なんだけど。
まあ冗談は縦置き、鳥栖戦の話をしようか。

青人:
いや横置きでもいいですけどね!冗談の置き方しらないんで。

赤松:
知ってたかw

青人:
真空ジェシカのやつw
北海道行っておかしくなりました?

赤松:
どうやろ、、まあいいや。

青人:
鳥栖は前節・浦和戦に勝って今季リーグ初勝利を挙げています!
まだ負けなしです!

赤松:
そうみたいだな。

青人:
浦和戦見ましたけど、めっちゃ強くないですか?
パス回しが洗練されていて、なおかつよく走るし。
ここにきて垣田や宮代が帰ってきて、攻撃陣はかなり強力になっているように感じます。

赤松:
今季勝てていない試合でもずっとあのパフォーマンスレベルをキープしているのが彼らの素晴らしいところだよ。
青人の言うとおり、攻撃陣はケガから復帰しつつあってイイ感じになっているね。逆に、守備陣はけが人続出だな。

青人:
たしかに島川、ファンソッコらが怪我をしているみたいです。
このあたりは影響ありそうですかね?

赤松:
うん、あると思うよ。
もちろん盤面戦術的にもそうだし、何より鳥栖のサッカーを知っている中心選手が数ヶ月いないという面は大きいと思う。

青人:
まあそうですよね。鳥栖は今季、大幅なスカッドの入れ替えがあって、さらに監督も変わったじゃないですか?

赤松:
うん。

青人:
正直結構きついはずなんですけど、なんか昨季と遜色なくやれてません?
あの浦和に勝ったし。

赤松:
そうだな。開幕後リーグ4試合にして成熟度が上がっているね。
監督も選手も変わっても、ちゃんと鳥栖のサッカーのベースが残ってる。

青人:
ですよね。普通にすごいなと思います。

赤松:
正直、仕組み自体は昨季からやってる選手がいればなんとかなるんだけど、特に仙頭啓矢がこなしていたタスクは誰にでもできることじゃないから、ここは鳥栖にとっての序盤戦のテーマだったと思う。

青人:
仙頭ですか、、たしかに鳥栖に行ってから輝いているなという印象でした。

赤松:
彼がビルドアップのキーマンだったんだよ。
後ろに降りて数的優位を作り、1人でピッチ中央をドリブルで持ち上がる役目も担っていた。

青人:
なるほど。その仙頭がいなくなって、再構築を迫られたわけですよね?

赤松:
そう。仙頭がいなくなった分、前進の経路が変わっていると感じるな。

青人:
どう変わっているんですか?

赤松:
中央からの前進ができない代わりに、よりサイドから打開する意識が強まっているよ。
そのために、昨季までは2トップを置いていたところを今季から1トップ2シャドーにして、そのシャドーがサイドに流れてビルドアップのサポートをする動きを頻繁に行う。
特に左サイドが特徴的で、ウイングバックの岩崎が深さを作ることでできたスペースに、シャドーの堀米が下りたりDFジエゴが上がったりして顔を出す。

青人:
そう!3バックのジエゴがめちゃくちゃ攻撃参加しますよね!

赤松:
うん。左サイドが鳥栖の主な前進経路かな。
まあこのチームのビルドアップの目的は、「敵陣に押し込むこと」よりも「相手を引き出して裏を突く」ことにあるんだよ。

青人:
そうなんですか!こういうポゼッション型のチームって前者だと思ってました!

赤松:
いや、鳥栖の強みはいくつかあるけど、今季最も強く押し出しているのは、両ウイングバックのスピードだよ。右の飯野七聖と左の岩崎悠人。
彼らを活かすことに主眼を置いているんだよね。だからビルドアップの局面でも、ある程度相手を食いつかせたところで長いボールを使う場面が多いんだ。

青人:
ほえー。
じゃあそのスピードには要注意ってことですね。

赤松:
特に気を付けなけらばならないのは岩崎かな。
もうね、ただのウイングバックのタスクじゃないんだよ。ポジション・岩崎悠人みたいになってるw
昨季の前田大然に近いんじゃないかな。

青人:
ただ大外でプレーするわけじゃないって感じですか?

赤松:
そう。逆サイドからのクロスに合わせるためにボックス内に飛び込んでくるし、とにかくポジション関係なくどんどん斜めの裏抜けを仕掛けてくるよ。
ここを野放しにするようだとピンチになりやすいかな。岩崎を止められないのであれば、出し手にはしっかりプレッシャーをかけたい。

青人:
左サイドからの外回り前進で、狙いはウイングバックのスピードを活かした攻撃。
サガン鳥栖の特徴はざっとこんなところでしょうか?

赤松:
そうね。あとはダブルボランチの守備範囲の広さとか特筆すべき事項は他にもあるチームだけど、ざっくり言うとそんなとこかな。


【試合展開の予想】


青人:
まずは鳥栖のビルドアップに対してマリノスがどうプレスをかけるか。ここがポイントになるんじゃないですか?

赤松:
間違いないね。そもそもホームだし、引いてスペースを消すようなことはしないはず。
札幌戦同様に前からガンガン行くはずだよ。実際、昨季の鳥栖戦もそれで勝ってるしね。

青人:
やっぱり前からガンガン仕掛けてハイテンポにしてしまうのがマリノスの常とう手段ですよね。

赤松:
そうだね。正直、まともに組み合っても現状ではうまくはめきれないだろうと思っている。多少煩雑でもいいから鳥栖に長いボールを使わせて攻守の切り替えが多発するカオスなゲームにしてしまった方がマリノス的には好都合なんじゃないかな。

青人:
でも、鳥栖のウイングバックは速いんですよね?
そんなロングボールが増えたらマリノスも苦しむのでは?

赤松:
まあピンチも増えると思うよ。
それを許容しつつ、マリノスが得意なハイテンポの土俵で戦うことが鳥栖相手には最も有効なんじゃないかな。

青人:
まあオープン展開でスペースがある方が、ロペスらの質が発揮されやすくて脅威になるって感じですよね?
でも、それだとリスクえぐいですね、、

赤松:
めっちゃリスキーだけど、このやり方がある意味一番「見える」かな。容易に想像がつくというか。

青人:
いわゆる「ハイテンポなマリノスのサッカー」ってやつですよね?

赤松:
うん。逆に鳥栖としては、ハイテンポな展開に持ち込みたくはないはず。

青人:
なぜです?

赤松:
いくつかあるけど、大きいのはファンソッコや島川らの怪我の影響かな。例えばロペスやエウベルにスペースを与え、彼らを同数で守る羽目になったときに耐えられるスピードや対人守備の能力を持った選手がいないから。

青人:
たしかに、現実的にそこはわかりきっていることですもんね。
代わりに起用されている若い選手たちもかなり力があるなという印象は持っていますが、、
でも、対人のところは経験値がモノを言ったりする世界になるわけで、露骨に狙われるとわかっていながら晒すような設計はしてこないんじゃないかと自分も思います。

赤松:
そう。そのリスクテイクは収支が合わないよね。たしかにダブルボランチの小泉・福田ペアは、カバーリング範囲がかなり広くてそこはいまの鳥栖を支える強みなんだけどさ。それでも限界があるし。
だから、オープンで敵陣自陣を行ったり来たりする展開を避け、なるべく人数をかけて狭いスペースを守るよう、リスクヘッジを重視してくるんじゃないかなと思っているよ。

青人:
僕もそう思います。
でも、鳥栖のサッカーは相手を引き付けたうえで両ウイングバックのスピードを活かして裏を狙いたいんですよね?
それって跳ね返された後は相手にスペースができるんじゃないですか?

赤松:
まさにそうで。要は、自分たちが前後分断することで相手の前後分断を誘発するのが鳥栖のやり方で、これはオープン展開を引き起こしやすいんだよ。

青人:
そうですよね!

赤松:
自分たちの得意なやり方でリスクを許容するのか、それともリスクヘッジを主眼に置いて自分たちの得意なやり方を半ば封印するのか、はたまたその両方を享受するやり方が川井監督のなかにあるのか、
どれでくるかは間違いなくこの試合の見どころだな!

青人:
スーパーなダブルボランチを信頼して案外真っ向勝負を挑んでくるかもしれないですよね!

赤松:
全然あり得るよ。
まあ時間帯によって使い分けるとかも選択肢にあるだろうし、初手でやってくることが必ずしも90分間続くとも限らないし。
スコア展開やゲームプラン、選手交代によって変わってきそう。おそらくスタメンのCFは宮代だと思ってるんだけど、後半に垣田を入れてくるタイミングはひとつ注目かな。何かやり方を変えてくる号令だよ。

青人:
どう変えてくるんですかね?

赤松:
おそらくオープンを許容してロングボールを入れてくると思う。垣田はスピードも強さもあるからそういう展開にうってつけの選手なんだよね。

青人:
てことは、前半はスローペースで進めたいって感じですかね?

赤松:
おそらく。ある程度マリノスにボールを持たせてくるかもしれないね。高い位置で奪ってショートカウンターを狙ってくるかな。

青人:
マリノスとしては、その状況で速い展開に持ち込みたいわけですよね?

赤松:
まあそれができればチャンスは広がると思うけど、たぶん普通に押し込んで5バック攻略をジリジリ試行錯誤する試合になる気がする。

青人:
速い展開が理想だが、予想ではスローペースに付き合う形になるってことですか?

赤松:
そう。最終ラインに人数をかけてスペースを消されると、自然とそうなりやすいからね。
そうなると、今回は永戸に期待したい展開になるんじゃないかな。

青人:
永戸ですか!なぜです?

赤松:
相手がブロックを組んでくるということは、彼の大外からの高精度クロスが活きる展開になる。

青人:
おお!そういうの見たいです!
試合がめちゃくちゃ楽しみになってきました!
三ツ沢だし、圧倒的なホーム感を演出して勝ちたいですね!!

赤松:
勝とう!





To Be Continued・・・

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