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2022J1第4節 北海道コンサドーレ札幌vs横浜F・マリノス プレビュー ~Head-on Fight~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】

青人:
よっしゃ清水戦勝ったーー!!
ばんざーーい!!

赤松:
試合後のテンションそのままで来るなw 

青人:
だってあれだけメンバー入れ替えて連勝とか、もはや最強じゃないですか?
このまま優勝まで、、!

赤松:
さすがに早くないか?w

青人:
まあ。でもすごくいいサイクルでチームが回ってる気がします!

赤松:
それはそうだね!これは絶対にチームが活気付くよね!
競争も激しくなるし!

青人:
パイセンもテンション上がってるじゃないすかw

赤松:
そりゃそうだろ!だって嬉しいもん!




【最近の北海道コンサドーレ札幌】

青人:
さあ、アウェイ札幌戦ですよ。

赤松:
うん、難関が来たな。

青人:
ですよね。札幌戦はいつも苦戦するイメージです。
昨季はシーズンダブルきめてますけどかなり苦しい2試合でした。

赤松:
たしかに、何が苦しかった?

青人:
やっぱりビルドアップのとこですよね。
札幌ってオールコートマンツー(フィールドプレイヤー全員が1人ずつ担当マーカーを決めて付くプレッシング)をやってくるじゃないですか。
アレにマリノスはいつも苦しめられますね。

赤松:
うん、正直言ってそこがうまくできていればもっと楽な試合にはなりそうだよね。

青人:
マリノスってロングボールを蹴らないじゃないですか。他のチームは蹴っているのに。うちはアレやらないですもんね。

赤松:
たしかにアンジェ期は頑張って繋いでいたけど、ケヴィンになった昨季10月の試合では一応長いボールを多用していたんだよ。

青人:
え、そうなんですか、、!
全然気づきませんでした。いつも通りビルドアップが壊滅的だったイメージしかないです。

赤松:
たしかに高い位置で奪われるシーンもあったけどね。このあたりは焼きついたイメージによるかな。
まあとにかく、最近の札幌事情を語ろうかな。

青人:
お願いします!
今季開幕して、何か変えたポイントってあるんすか?

赤松:
まず補強のところかな。
興梠慎三とガブリエルシャビエルの2人を獲ったんだよ。

青人:
そうだ!興梠はミシャのお気に入りですもんね!
念願叶った!

赤松:
そう、念願叶ったの。
それを踏まえて、積年の札幌の課題に今季も着手を試みているって感じだね。

青人:
積年の課題、、なんですか?
札幌って攻撃的で練度が高くて面白いサッカーするし、サッカーの中身の課題はなさそうに思えます。

赤松:
昨季のマリノスとの2試合、共通点は?

青人:
うーーん、マリノスが終盤に逆転して勝ったってことですかね。

赤松:
そう!まさに!
これが札幌の積年の課題だよ。

青人:
逆転されてしまう、、?

赤松:
というか、あの2試合って札幌の時間帯がかなり長い時間あって、チャンスも多かったじゃん?

青人:
はい、でもなんとかマリノスが耐えて、、

赤松:
そう、彼らが攻勢に出た時間帯で試合を決めきれなかったんだよ。2,3点取ってれば試合は終わってた。
それはCFの決定力だけじゃなくて、ボックスに侵入する確率を上げるとか、そういう部分も込みで。

青人:
ほう、、たしかに2,3点取られてもおかしくない試合でしたよね。

赤松:
そこが彼らの課題で、要は火力不足。
攻撃にウェイトを置くチームだけど、肝心なところで点が取れない。
チームの練度は高くてかなりコレクティブに動けるし、試合を支配して札幌のゲームにすることはできる。でも、それがなかなか結果につながらない。

青人:
それって前線のタレント不足とかそういうことですか?

赤松:
それはかなり大きい要素だよ。ミシャもたびたびコメントで言ってる。
鈴木武蔵やアンデルソンロペスという点取り屋がチームを去って、スコアラーがいないと。最終局面で仕事ができるのはストライカーの特殊能力だと。

2021シーズン神戸戦後のミシャのコメント抜粋

青人:
なるほど。

赤松:
得点数って「試行回数×決定率」で求められると思ってて、その両面において個のタレントの力はある程度必要だよね。

青人:
なんか大学院生っぽさ出してきますねw

赤松:
たまにはな。まあ話を戻すけど、要は試合に勝つ確率を高めるために、よりゴールに直結する人材を起用することで火力を高めたいっていうのが今の札幌のテーマだと思ってる。

青人:
なるほど、苦労してますね。
それをふまえて「今季ここまで何か変えたポイントはありますか」っていう質問に、そろそろ答えてもらっていいすか?w

赤松:
ごめんそうだったなw
陣容でいうと大きく変えたポイントは左右のウイングバックかな。
昨季まではルーカスフェルナンデス(右)と菅(左)を主に起用していたけど、今季は金子(右)とルーカス(左)にしている。

青人:
えっ!マリノストラウマ枠の菅は使われてないんですか!助かった、、

赤松:
いや、前節・福岡戦はシャビエル欠場に伴って金子がシャドー、右にルーカス、左に菅っていうスタメンだった。ただ、報道によればシャビエルは全体練習復帰してるらしいし、マリノス戦は出てくるんじゃないかな。

青人:
なるほど。逆足のウイングバックを左右に配置してるってことですね。それって火力を上げることに繋がります?

赤松:
繋がるよ!ドリブルが得意な両ウイングバックだし、カットインからシュートっていう選択肢が増えるじゃん?
特に今の金子は1on1で止めるのが困難だし。中央をケアしていても、大外からそんな選手がドリブルで切り裂いてくるのはかなり脅威だよね。

青人:
たしかに。まあでも人が変わるってことは、何かチームとして変わるポイントがあるんじゃないですか?

赤松:
うん。ビルドアップはちょっと形が変わっているかな。
もともと可変の多いチームだから要素として昨季もやっていたかもしれないけど。

青人:
どう変わってるんですか?

赤松:
3バックの両脇が高い位置を取るようになった。田中と福森のところね。
そこからウイングバックが中に入ったりする。
要するに、HV(両脇のCB)、WB、シャドーの3枚が旋回して相手を撹乱していくイメージだね。

青人:
なるほど!すごくシステマチックにやってるんすね!

赤松:
そうなんだよ。その中でCF興梠が降りてきたりボランチ駒井が前に飛び出したりしてビルドアップを助ける。
かなり人が動くサッカーだよ。
ただ、難点もある。

青人:
ほう、どんな?

赤松:
こういう可変ってさ、時間が必要なんだよね。どこかでタメを作って選手が動くための時間が作れないといけない。
それを封じたのが前節の福岡だったんだよ。

青人:
どうやって時間を作らせなかったんですか?

赤松:
開幕の清水戦が顕著だったんだけど、清水の2トップ周辺でGK菅野、CB宮澤、ボランチ高嶺・駒井の4人が数的優位を作りながら時間を作っていたんだよ。
案の定、試合の前半は優位に進めていた。

青人:
ふむふむ、、

赤松:
福岡はどうしたかっていうと、まずシステムを3-4-3にして、プレスの開始位置をちょっと下げることで菅野をビルドアップに参加できなくした。あとはCFルキアン(福岡)がボランチ駒井にマンツーで付いたり、詳細は省くけど、まあとにかく札幌に数的優位を作らせなかったんだよ。

青人:
福岡って普段4-4-2でやるチームですよね?
札幌対策のためにシステムごと変えちゃったんだ、、

赤松:
そうなんだよ。4-4-2だと清水の二の舞になるって判断だったんだろうね。
そんなこんなでうまく時間を作れず前半は福岡に押さえ込まれていたよ。後半は後方のビルドの形を変えたり、小柏を最前線に置いたりして盛り返してたけど。
そこの修正力はさすがミシャって感じだった。

青人:
なるほど、、試合中に修正してくると。
このあたりはさすがですよね!


【試合展開の予想】

青人:
この試合のポイントはどんなとこですかね?

赤松:
お互いのビルドアップvsプレッシングってとこはやっぱりポイントになるよね。
マリノスとしては、長いボールも織り交ぜながらオーブン展開に持ち込むことで札幌のプレスを空転させつつ、素早く差し切りたいかなって感じ。

青人:
というか、とにかく蹴れば良くないですか?
無闇に繋ぐことにこだわった挙句ピンチを招くくらいなら、最初から繋がず蹴ってプレスを回避すればいいんですよ。これ札幌戦のたびに思ってるんですけど。

赤松:
いや、長いボールを蹴るにしてもある程度相手を引き込むことは必要だよ。相手に間延びを強いることをしないとロングボールは生きない。相手がコンパクトなまま蹴っても即回収されちゃうし。

青人:
たとえ相手がコンパクトな陣形を敷いていようとも、マリノスのスピードのある前線ならぶっちぎれるんじゃないですか?特に札幌の中でもスピードに劣る福森の裏を狙い撃ちすれば、、

赤松:
いや。例えば札幌がそれ見越してライン下げて跳ね返されたときのことを考えてみようか。
マリノスは全体が間延びしているのに対して札幌はコンパクトなまま。セカンドボールはどっちが回収しそう?

青人:
まあ、札幌が握るでしょうね、、

赤松:
でしょ?
そしたら一生自陣に釘付けになってしまうよね。
自陣で構えて守らなければならない。それってマリノスのサッカー?

青人:
いや、違うと思います。
もっと攻めていかないと!

赤松:
そういうことよ。逆に札幌としてもオープン展開を望んでいるはずだよ。まだ比較的不安定なマリノスのDFライン裏を狙いたいんじゃないかな。速攻になればしっかり人数をかけてくるし、小柏をはじめとしてスピードもあるし。

青人:
ということは、神戸戦みたいな殴り合いに発展する可能性も、、?

赤松:
大いにあるね。お互いがそれを望んでいるはずだから。

青人:
なんつうか、真っ向勝負ですね!

赤松:
そうよ!それがこの対戦カードの面白いところ!
自分達の強みをぶつけ合う試合だからね。

青人:
ですよね!逆に札幌のビルドアップはどうですか?

赤松:
札幌のビルドも、いつもとそんな大きくは変えてこないはずだし、変えずにやってくるんじゃないかな。今季新しく取り組んでいるやり方をしてくるはず。
マリノスにとっての問題は、サイドのケアをどうするかってとこだよ。

青人:
サイド、、?
さっきの福森や田中のところですかね?

赤松:
そう。彼らだけじゃなく、流動的にサイドが旋回する札幌のビルドアップをどう止めて、どうボールを奪うかが肝要だよ。

青人:
清水戦の感じだといけるんじゃないですか?
かなり強烈なプレッシングでしたし!

赤松:
いや、そうとも限らない。だって清水とその前の神戸は、陣形を大きく変えず、オリジナルポジションにみんなが止まっていたから捕まえやすかったんだよ。
この点、今回は可変システムを採用する札幌が相手。ただ人について行ってたら札幌の思う壺、スペースを簡単に明け渡してしまうでしょ。

青人:
たしかに。じゃあ今回はプレッシング応用編ってわけですね。

赤松:
そう。開幕後5連戦からの修正というか進捗?成長を測れる絶好の機会ってわけよ。
昨季の札幌戦だと、ビルドアップのキーマンの福森に右ウイングのエウベルがマンツーでついたりしてたんだけど、今回は難しいかもな。

青人:
なぜですか?

赤松:
福森が高い位置を取ってくるから、必然的にエウベルも一緒に下げられてしまう。すると、高い位置からプレッシングに行けなくなってズルズル下がっちゃうんだよ。

青人:
そっか!相手についていくとそういうことになるのか!
でも、札幌的にも福森がビルドアップに参加できないのは痛手なんじゃ、、?

赤松:
それを可能にしてるのが高嶺なんだよね。彼が福森なしでもビルドアップが成立するくらい長短のパスを出すし、自分でも運べるし。恐ろしい選手だよ、、笑

青人:
高嶺は厄介ですよね、、
いっつも高嶺が2,3人ピッチにいるのかと錯覚してしまいますw

赤松:
ほんとそうだよな。
まあ話をマリノスのプレッシングに戻すと、最初から担当マーカーを決めるんじゃなくて、目の前にきた選手をどんどん捕まえていくやり方になると思う。
前から捕まえていって、縦にずれていくって感じかな。シーズン序盤でまだまだ連携面に課題はあるなかで綿密なマークの受け渡しを連続して求められる。すごくチャレンジングな試合になるよ。

青人:
たしかに、、パイセンが難関って言ってたのはこういうことですか?

赤松:
まあそれもあるし、単純なオープン展開での息の詰まる差し合いってのもあるし。
大変な試合になるぞ、、

青人:
最後に笑えてるといいっすね!!





To Be Continued・・・


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