2022J1第9節 横浜F・マリノスvs川崎フロンターレ プレビュー ～It's Time to Revenge～
大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。
【プロローグ】
青人：
開幕戦、悔しかったですね、、勝つべき試合でした。
赤松：
勝てたら最高だったな。
青人：
前半からボールロストが多くてあまり上手くいってなかったですよね。
相手にカットされてカウンター受けて、ピンチも結構ありましたし。
赤松：
まあたしかにボールロストは多かったよ。
青人：
ですよね。開幕戦で成熟度が上がっていないのはわかりますけど、もうちょっとなんとかならなかったんですかね。
赤松：
なるほど。逆に僕はあのボールロストというかパスミスは、むしろ好意的に見ていたよ。
青人：
え、あれ良いことなんですか？
赤松：
メリットの方が大きいんじゃないかな。
外→外に逃げず、どんどん中央に刺していくのがケヴィンがやりたいサッカーだと思っていて、それを実直にトライし続けたのが前半。
ボールを奪われた後は猛烈にプレスをかけて即時奪回をして二次攻撃に繋げる。そういう好循環がこのゲームでは作れていたんだよ。
青人：
たしかに、奪われた後すぐ奪い返すシーンは多かったし、見ていて面白かったですね。
ただその一方で、カウンターを受けるシーンもありました。
赤松：
そうだね。そこはマリノス側の課題はありそう。奪われたときのポジショニングに問題があったのかもしれない。
ただ、清武・乾という実力者がタメを作ったり独力で剥がしたりっていう彼らのストロングが出たシーンでもあったかなと思うよ。小菊監督の試合後コメントでも、そこはデザインしていたって言ってたしね。
青人：
セレッソ的に狙い通りにできた部分はあるってことですね。
赤松：
そういうことだね。
【最近の川崎】
青人：
で、川崎戦ですよ。絶対勝ちたいです！
赤松：
そうだね。久しぶりに川崎に勝ちたいね。
青人：
川崎はどうなんですか？
旗手が海外移籍で抜けて、橘田が不在なのはかなり痛手だと思うのですが。
あとゼロックス見た感じだと、チャナティップをうまく活かしきれていない印象でした。彼はウイングじゃなくて中央で活きる選手ですよね。
赤松：
まずは中盤の話をしようか。旗手の移籍と橘田の不在は現状の川崎に大きく影を落としている部分ではあると思うよ。特に強度の面でね。
川崎がやってる外切りプレス(ウイングが外からプレッシャーをかけて中に誘導するプレス)の構造上、中盤の１人ひとりが広大なスペースを管理しなければならないんだよ。
それを昨季の田中碧や旗手、橘田はやれていたからこそ、ただのテクニカルなチームじゃなくて強度のあるチームになっていた。川崎の強さはそこにあったと思ってる。
青人：
１人で２人の相手をマークする、みたいなことですかね？
赤松：
そうそう、それもただ人に付くんじゃなくて、中央のスペースをカバーすることも必要だし、時には相手サイドバックにアタックすることも必要だし。
特に終盤の橘田は、そのスペース管理と相手に食いつくスピードが凄まじかった。
青人：
なるほど。じゃあ旗手が海外移籍して橘田が不在だとそこはどうなるんですか？
赤松：
うん、開幕・瓦斯戦の川崎を見ていると、人が変わっても基本的には同じことをやろうとしているように見えるよ。
今はアンカーに大島を置いて、脇坂とチャナティップが前にいる。彼らの特徴は、強度の高いプレッシングってよりかはボール保持の狭いスペースで活きるタイプ。だから速攻というかトランジションゲームには本来あまり向かない陣容なんだけど、鬼木さんは変えずにやろうとしているように見える。
青人：
たしかに大島と脇坂とチャナティップの中盤だったら、相手を押し込んでじっくり攻めていく方が強そうです。でもなぜそうしないんでしょう？
赤松：
理由は大きく分けて２つあると思ってる。
一つ目は、この2シーズンで彼らがやってきたのが、トランジション要素高めな強度の高いサッカーだからって部分だね。ここは2019シーズン第33節のマリノス戦からの文脈が大きいかな。それで連覇を達成しているわけで、このサッカーに対する揺るがない自信がありそうだよね。
もう一つは、マルシーニョの存在だね。やっぱり爆発的なスピード・推進力がある彼を活かしたいし、それが最大火力になるからね。
青人：
マルシーニョは、川崎のポゼッションに合うのかって疑っていたんですけど、昨季終盤はなんやかんやで武器になっていましたよね。
赤松：
そうだね。オープン展開でスペースが生まれてくると活きていたよね。
彼が得意な土俵だし、チームとしてもそういう活かし方をしていたんだよ。
青人：
なるほど、瓦斯戦でもマルシーニョのスピードでチャンスを作ってましたよね？高い位置で奪ってショートカウンター！みたいな局面で。チャナティップからのスルーパスにマルシーニョが抜け出す場面が多かった印象です。
赤松：
そうそう。ハイプレスをかけて奪って速く攻めるということは、それだけ相手にボールを持たれる時間もできるし、相手のやり方によっては行ったり来たりも増える。ジェジエウをケガで欠き、多少強度の面の不足がありながらもそれを貫こうとしているのは、鬼木さんに相当なこだわりがありそうだよ。
青人：
チャナティップはどうです？
スーパーカップではあまりフィットしていない印象でしたが、開幕の瓦斯戦ではわりと馴染んでいましたよね！
赤松：
そうね、スーパーカップでは明らかに迷いながらプレーしていたのが手に取るようにわかったもんなw
その点、開幕戦では迷いが消えていた。おそらく「こうしろ」って指示が出ていたからだと思うよ。
たぶん「後ろからパスを引き出してターンしてスルーパスだ。マルシーニョを走らせろ」ってかなり具体的に言われてたなありゃ。
青人：
なるほど、見違えるように良くなってましたもんね！
【試合展開の予想】
青人：
最近の川崎の文脈はわかりました。それで、どういう試合になると思いますか？
赤松：
まずこの試合は、両チームが優位な時間帯がそれぞれ出てくると思ってるよ。ざっくり言うと、前半のマリノス、後半の川崎かな。
青人：
それって2021シーズンの最終節に似てません？
あの試合も、前半マリノスが押して、後半徐々に川崎に攻め込まれた印象でした。
赤松：
そうだね。前半はマルシーニョの周辺でマリノスがうまくプレス回避できていたんだけど、ハーフタイムでマルシーニョを下げて旗手を左ウイングに置いたところから川崎のプレスがハマり、じっくりボールを握って攻められるようになったんだよね。
青人：
それじゃあ今回はそれを踏襲して最初から・・・
赤松：
いや、それはまた別問題じゃないかな。
川崎も本来やりたいことの練度を高めたいだろうし、最初はマルシーニョを活かすやり方をしてくると予想してる。そのうえでうまくいかなかったら、瓦斯戦みたいに途中から知念を左ウイングに置いてタメを作りながらしっかりボールを保持して押し込むやり方をしてくると思ってる。その修正を施してくるとしたら、ハーフタイムかな。
青人：
うまくいかないのわかってるのに最初から「確実に勝てる方法」をとらないんですか？
赤松：
そもそも「マリノス相手に優位に立てる方法」であって「確実に勝てる方法」ではないよ。
あと鬼木さんの傾向として、試合の入りは自分が志向するサッカーをして、うまくいかなかったらその試合ではスパッと現実路線にチェンジするんだよね。これは飲水タイムありの4クォーター制の試合で色濃くみられた傾向かな。
青人：
最初から誰を使ってくるか、ベンチに誰を置いているかによってそのあたりはある程度予想できそうですね。
赤松：
そうだね。
青人：
マリノスはどうしますかね？
浦和みたいに川崎対策をしないと！
赤松：
あれは鮮烈だったね。簡単に言うと、川崎にボールを持たせるやり方だった。逆に開幕戦を見た印象だと、マリノスはやらないんじゃないかな。①自分たちがボールを持って、②相手陣地でプレーすることを主眼に置いていそうだし。
青人：
なるほど。てことは、敵陣に入る前のビルドアップがカギですかね？
赤松：
そこは大前提かな。マルシーニョ周辺のプレスは修正してくるだろうし、瓦斯戦ではダミアンをやや下がり目に置いて中盤のサポートをさせる試みも見えた。マリノスもシーズン始まったばかりで練度が上がっていない部分があるけど、それでもうまくボールを運べなければ前提から崩れてしまうからね。
青人：
その点、セレッソ戦はどうでした？
赤松：
セレッソが前からあまり激しく来なかったのはあるけど、途中から喜田を下ろして3枚にするとか、臨機応変にボールを敵陣に運んでいたよね。そこは好感触だった。
青人：
なるほど、僕そろそろ川崎に勝ちたいです。
今回は相手も練度が上がっていなさそうだし、チャンスあるんじゃないですか？
赤松：
都合いいなw
こっちも負けないくらい上がっていないぞw
まあだからこそ何かを起こすチャンスはある試合だと言えるね。
【スタメン予想】
青人：
パイセン、スタメンを教えてください！
赤松：
いや俺中の人じゃねぇわw
青人：
あそっかw
予想を教えてください！
赤松：
そうだな、マリノスは開幕と同じだと予想しとく。連戦だから多少変えるかもしれないけど、どこをどう変えるかわからないし。
青人：
ロペスやエウベルを最初から使ったりはしないんですかね？
赤松：
まあ、前半に点を取りきりたい試合ではあるからそうする可能性もなくはないけど、その点ケヴィンはある意味安全志向なんだよね。
だから、自分たちのサッカーを体現するためのスタメンっていう色が濃いかな。
青人：
なるほど、では川崎は？
赤松：
こっちも開幕戦と同じとしか言えないかなぁ。
青人：
Twitterでチラ見しましたけど、橘田がもう練習復帰しているとか。
この試合出るんじゃないすかね？
赤松：
あ、マジで？
じゃあ橘田がアンカーで大島がIHかな。
川崎の視点に立てば、この試合で橘田のボールハント能力やスペース管理は外せないはずだからね。
青人：
あとは前節に車屋が負傷交代してましたね。ここは山村でしょうか？
赤松：
おそらく山村じゃないかな。
青人：
うんうん。この試合、勝てますかね？
赤松：
勝つチャンスはあるよ。やってやろう。
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To Be Continued・・・
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