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2022J1第1節 横浜F・マリノスvsセレッソ大阪 プレビュー ~Schrödinger's cat~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】

赤松:
おう、久しぶり!元気か?

青人:
パイセン!お久しぶりです!ぼちぼちやってるっす!
でもオフシーズンってなんかペース狂うんすよねぇ。

赤松:
たしかに、基本的に退屈だもんな。週末試合がないの地味に困るわ。

青人:
ですよね。まあシーズン中はマリノスばっか見ちゃってテスト勉強とかできないんでマジで、、こないだの期末はなんとか乗りきれた気がします。

赤松:
ちゃんと単位取れそう?

青人:
わかんないっすけど総じてたぶんいけるって感じです。
民法(総論)だけちょっとやばいかなと、、

赤松:
ああ、そうか法学部だったっけ。

青人:
そうです。パイセンは?大学院は順調なんですか?

赤松:
まあね。ちゃんとサッカー見る時間は確保してるからうまくやれてるよ。

青人:
そこすかw
まあパイセンからサッカー抜いたら何も残んないですもんw

赤松:
やめろその言い方w
ちゃんと否定できないのが辛いわw

赤松:
それはそうと、もうすぐシーズン開幕だね。

青人:
ですね!4冠全部獲ってほしいです!

赤松:
すごい意気込みだな!

青人:
はい!でも正直選手抜かれすぎたなと思ってます。左サイドはほぼ総とっかえみたいな感じじゃないですか。年齢層考えてもいいタイミングとはいえ、さすがにここまで同時に抜けちゃうとちょっとヤバくないですか?

赤松:
たしかに、想定よりもかなりドラスティックにメンバーが変わった印象はあるね。

青人:
ですよね、しかも極めつけはチアゴですよ!ウチのハイラインはチアゴのスピードがないと成り立たないじゃないですか!
代わりに獲ったエドゥアルドも足元はあるけど、やっぱりカバーリングの部分はチアゴに劣るだろうし、、不安です。

赤松:
うん、特徴が違うからね。チアゴの役目をそのまま果たすのは無理じゃないかな。

青人:
だとすると、チアゴがいない今季のマリノスヤバくないすか、、

赤松:
うーん、まあチアゴのケースもそうだけど、結局組織ってなるようになるからさ。

青人:
なるようになる…?

赤松:
そう、多少メンバーの入れ替えがあったとしても、入れ替わり後のメンバーによって最適化されていくものだよ。
チアゴがいたらチアゴの強みが発揮されやすい設計に自然となっているだろうし、それはエドゥにも言えることなんだよね。

青人:
でも、既存のメンバーはチアゴがいた前提で動いてしまうことがあるんじゃないですか?

赤松:
それはあるだろうね。だからシーズン序盤は苦労すると思うよ。「チアゴがいたら」って事象はたくさん起きると思う。でも、段々とチアゴがいないことに慣れてきて、それを補う術を自然と身に着ける。そういうもんじゃない?

青人:
なるほど、そうなんですかね。


【セレッソ大阪ってどんなチーム?】

青人:
パイセン、さっきの話もふまえて開幕戦のセレッソ戦ってどんな感じになるんですかね?

赤松:
うーん、残念ながらセレッソの試合を観れていないからなぁ。
プレビューできてないやw

青人:
えー!キャンプ取材行かなかったんですか?w

赤松:
セレッソの?行くわけねぇだろ!
そもそもどこでやってたかすら知らんわw

青人:
そりゃそうですよねw

赤松:
でもまぁ監督も変わらずスカッドもそんなに変わってるわけじゃないから、昨季とそんな変わらないでしょたぶん。

青人:
セレッソは「清武のチーム」ってイメージです。
王様として清武がいて、他の選手が黒子として働いている、みたいな。
正直、それってどうなんだろう?って思っちゃいます。

赤松:
あまり良くないってこと?

青人:
そうですね、他の選手はそれで幸せなのかなって感じです。
あと再現性というか、清武抜けたら機能しないわけじゃないですか。全部彼がやるから。属人性ありすぎじゃないですか?

赤松:
まあたしかにそこはデメリットだよね。じゃあ極論言うと、あまり好きじゃないのかな?こういうチームはw

青人:
まあぶっちゃけw
僕はマンチェスターシティみたいにみんなが同じ絵を描いて人もボールも動くサッカーが好きです。

赤松:
なるほど。でもさ、それも立派なチームの作り方の一つだと思うんだよね。
だって清武だよ?あれだけ上手くて走れて点も取れる選手がいたら、変に約束事で縛るよりも自由にプレーさせた方が良くない?

青人:
まあたしかにそうですけど、、その方が強いセレッソでいられるって感じですか?

赤松:
そうよ。チームの最大火力は清武を自由にプレーさせたときだっていう判断なんだよ。そしてそれはあくまでも「ゴールを奪う」ことに限定した話。
それ以外、つまりボール非保持のブロックの組み方とかはしっかりと整備してくるよね。

青人:
たしかに、ロティーナさんがいたときのブロックは堅かったイメージがあります。あれはなんでですか?なんでセレッソの守備は堅いんですか?

赤松:
それはね、自分たちが得意な局面の時間をなるべく長くして、苦手な土俵で戦う時間を短くしているんだよ。

青人:
時間を司っているんですか。ディアルガみたいですねw

赤松:
ダイパだな、懐かしいw

青人:
ちなみに彼らの得意な局面ってなんですか?

赤松:
きっちり整備されたブロック守備を敷いているときだね。あとはビルドアップだな。総じて彼らはカオスを望まない。自分たちが試合をコントロールするために、落ち着いた展開で推移させたい。

青人:
なるほど、では逆に、彼らはカオスなトランジションで自陣と敵陣のゴール前を行ったり来たりする展開は望んでいないんですね?

赤松:
そういうことだと僕は思ってるよ。だからロースコアなゲームが多いんだよ。

青人:
ほう、そもそもが自分たちの得意な局面に持ち込むことが可能なんですか?

赤松:
うん、試合のテンポをコントロールすることによって可能になるね。
例えばボールを奪った後の彼らのプレー選択を見ればそれがわかるよ。

青人:
プレー選択ですか?パスなのかドリブルなのか、みたいな?

赤松:
いや、もう少し粒度の大きい話かな。
前にボールを蹴って速攻・カウンターで刺すのか、それともボールをキープして落ち着かせるのか。秩序を保ったまま試合のテンポを落とすためにはどっちを選択すると思う?

青人:
後者のキープだと思います。だってカウンターを試みて奪われたら相手に速く攻められてテンポが上がっちゃうじゃないですか。

赤松:
その通りだよ。そこで活躍するのが清武。彼がボールをキープして落ち着かせることで試合のテンポをコントロールする。ゆっくりとしたテンポになる。

青人:
なるほど。でも、それはロティーナさんのときの話ですよね?
今はどうなんですか?

赤松:
そうだね。今季また変えているかもしれないけど、昨季はもう少し縦へ速く攻める意識が強くなっていたし、敵陣でボールを握ろうとしてたように見えたよ。

青人:
そうなんですか!それはなぜなんですかね?

赤松:
まあ単純にロティーナが退任してクルピが就任したことによる変化もあるだろうし、夏に清武が怪我して、乾が加入したのもあるし。
清武というボールキープに長けた選手がいなくなればゆっくり陣地回復するのは難しいし、乾が入ったことで、スペースを与えて仕掛けさせた方がチャンスが広がるという事情もあっただろうし。
小菊監督就任もちょうどいいタイミングだったのはあるよね。
チームの根底には、持てるスカッドの個の良さを発揮させて活かすっていう思想があるなと感じている。

青人:
なるほど、10月のマリノス戦はどう見ましたか?
渋い試合でしたよねぇ。特に水沼宏太のトップ下起用には賛否あったと思うんですが、、

赤松:
まあね、、若干"否"が多めだったかなw
悪いけどそれは今回割愛するね。
個人的にあの試合のセレッソは、ロティーナ色が強かったと思ってる。
まあ早い時間帯でスコアが動いたのも関係していそうだけど、ベースとしてマリノスにボールを持たせておいて自陣でブロックを組む。奪った後はゆったりテンポでビルドアップして引き付けて、そこからロングボールを使いながら裏を取る。2点目なんかはまさにその形でやられたよね。

青人:
たしかに。僕的にはいつも通りのセレッソ戦って感じでした。
マリノスの方がボール持って主導権を握っているんだけど、パスミスが多くてなかなかチャンスが作れなくて、、

赤松:
パスミスか。あの試合でチャンスが作れなかったのはパスミスが多かったからってことかな。ちなみにそれ、なんで起きるか考えたことある?

青人:
やっぱり技術の問題だと思ってます。単純な「止める・蹴る」の技術なんですよ結局。

赤松:
そうか。ちなみに僕はそれだけじゃないと思っているよ。
ミスが起きるのは、脳に負荷がかかっているからだと思うんだよね。
例えばアルバイトでもそうだと思うけど、始めたての頃ってよくミスをするでしょ?
でも、段々仕事に慣れてくるとミスが減っていく。その現象と同じなんだよ。

青人:
その感覚分かります。僕もカフェでバイト始めたとき、よくミスしてました。

赤松:
でしょ。マリノスの選手がパスミスをするのは、ブロックの間でパスを出し入れすることに慣れていないというか、そもそもそうやって崩すチームではないからなんだよね。毎プレーを考えながらやらなきゃならなくて、おのずとミスが増えるってからくりじゃないかな。少なくとも2021シーズンまではね。

青人:
ほう、今季は違うんですか?

赤松:
わからない。ケヴィンが何を仕込んでどうやって点を取ろうとしているかは、今後試合を見ていくなかで探っていくよ。
そこは追々語るから今回はここで止めておこう。

青人:
わかりました!


【試合展開の予想】

青人:
さて、このセレッソ戦はどんな試合になるんですかね?

赤松:
そうだね、おそらくセレッソは昨季10月の試合を踏襲してくると思うよ。
マリノスが練習試合をすべて非公開でやったこともあって、キャンプで何をやってるかの情報を掴む術はなかっただろうし。そうなると、直近の対戦時に上手くいったやり方を踏襲するのが自然な思考だよ。

青人:
たしかに。いつもと同じ構図ですかね。マリノスがセレッソを押し込んでどうブロックを攻略するか、というところが焦点になりますよね?

赤松:
そうだね。マリノスの前線とセレッソのDFラインのかけっこはしたくないはずで。それだったら、引いてスペースを埋めることを選択するんじゃないかと。

青人:
なるほど。てことは昨季10月の試合と同じ課題にマリノスは直面することになると思います。点取れますかね?

赤松:
どうだろうね。正直、昨季10月の試合よりもこの試合の方が点を取る難易度は上がっていると思うよ。これだけメンバーが変わっているわけだし。キャンプをやったとはいえ実戦で詰めていかなきゃいけない部分は多分にあるし。

青人:
そうですけど、さすがにキャンプを経てチームとして機能するレベルくらいにはなってなきゃいけないと思います。というか、昨季10月より強くなっているべきじゃないですか?アップデートし続けていかないと!

赤松:
いやーそれはどうだろう。一概にそうとは言えないよ。
だってこれだけメンバーが変わっているわけだし、この時点でさすがにそれは求めすぎだと思うよ。

青人:
そうなんですかね、、

赤松:
うん。ただ、エウベルをどう使うかは一つカギになるかなと。
昨季10月の試合ではベンチスタートだったんだけど、前半の停滞感のなかにもしエウベルのドリブルがあったら違ったかもなと思うんだよね。

青人:
なるほど!その"if"は興味深いですね!

赤松:
案外それが突破口になるかもしれない。そこでセレッソを混乱に陥れることができるんじゃないかな。

青人:
たしかに!ほんとに勝たなきゃだめですよこの試合は!また川崎に走られちゃいますよ!

赤松:
もちろん勝ちたいし最後には優勝もしてほしいよ!
でもこの試合の楽しみはそれだけじゃないよ。とにかくお互い未知数な部分が大きいこの状況でそれがどのようにピッチ上で表現されるかは、非常に楽しみじゃない?

青人:
たしかに、新加入選手のプレーを観れるのは楽しみです!

赤松:
それも一つあるよね。
とにかく誰が出てどんな試合になるのか予想もつかない。そんな試合はシーズンで開幕戦だけの楽しみだよ。
不確実性を楽しもうよ!

青人:
そう言われると不安感もありますけど、、w
久しぶりのマリノスの試合だし楽しみですね!




To Be Continued・・・


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