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2022J1第12節 横浜F・マリノスvs名古屋グランパス プレビュー 〜Conquer the Middle Zone〜

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】

青人:
パイセン!お久しぶりです!

赤松:
おう青人!3週間ぶりか?

青人:
ですね!
いやーACLは痺れましたね、、!
結果的に首位突破できましたが、どの試合も苦しかったです、、

赤松:
そうだな。対戦相手だけじゃなくピッチコンディションや気候、試合球との戦いでもあって、それはそれは大変な大会だった。

青人:
全然パス繋がらなかったですもんね。尻上がりに良くなりましたが、、

赤松:
最初は適応に苦しんだね。あとは新しい攻め方を実践していて、それを形にするのもなかなか大変だった。

青人:
あの環境でそんな新しいことやってたんですか?w

赤松:
おう。これまでにも種は撒かれていたけど、それをもっと色濃く出したイメージかな。

青人:
具体的に教えてください。

赤松:
敵陣に相手を押し込むのはケヴィンがこれまでやっていたことだけど、そこからの仕掛け方に変化があったよ。
今まではとにかく試行回数を増やすのがマリノスのサッカーだったよね。どんどん前に出て行って仕掛けて、左右中央から攻め立てる。質より量で勝負、いわゆる「下手な鉄砲数撃ちゃ当たる」って感じ?w

青人:
それはアンジェのときからやってるやつですよね?

赤松:
そうそう。奪われたらプレスをかけて相手に蹴らせることで回収してもう一度攻める。そのサイクルの中で試合のテンポを上げていくのがマリノスのサッカーだった。

青人:
え、それが根本から変わったんですか?

赤松:
あくまでもエッセンスとして、そうではないやり方を取り入れたのが今回のACL。
そもそも背景として、ベトナムが日本の真夏さながらの気温と湿度で、中2日の強行日程ってのがあったよね。その環境下で何度も仕掛けて相手にプレスをかけ続けるのは難しいよねってところが根底にあると思うんだけど。

青人:
相手より運動量が多くてインテンシティが高いマリノスならそれで優位に立てるんじゃないですか?

赤松:
いや、優位に立てるかもしれないけど、自分たちが苦しいじゃん。さすがに今回の強行日程では無理だと判断したってことだと思ってる。

青人:
自分たちの限界すら突破したって感じですか?

赤松:
そういうことだね。

青人:
まあ、そこはわかりました。それで、どんな変化を?

赤松:
うむ。試行回数を増やすのではなく、決定率を高める攻め方にシフトしたんだよ。

青人:
決定率を高める、ですか、、?

赤松:
そう。まあ要するに量より質ってことだね。
無理やりたくさん攻めまくるんじゃなくて、自分たちのポジションを整えながらタイミングを見計らって攻めていく。すると、ネガトラの局面が減るし、相手に攻め込まれるリスクも減って、よりクローズドなゲームに持ち込めるってわけよ。
この点、特にボランチやセンターバックを見てると、縦!縦!じゃなくて、タメを作るようなプレー選択が増えていたよ。

青人:
なるほど、、省エネってとこですかね?

赤松:
まあそんな感じ。でも第一選択はゴールだし、行けるときは速く攻めるってのは前から変わってない。だから見えにくいところかもしれないね。

青人:
そうなんですね。
でもそれってACLだからやってることなんですか?
これからリーグ戦に戻りますけど、同じようにやるんですかね?

赤松:
ケヴィンの腹づもりとしては、相手と状況を見てエッセンスとして組み込みたいんだと思う。

青人:
単純にACL用のやり方ってだけではないってとこですね!

赤松:
そうだと思うなぁ。

青人:
それにしても上手くいかない部分が多かったですよね。
見ていてあまり面白くない試合も正直ありました、、

赤松:
まあわかるよ。今回のACLは気候やコンディションの条件もそうだし、対戦相手も純粋に強かったし。

青人:
相手が強いのはわかりますが、具体的にどんな強さだったんでしょう?

赤松:
うん、ボール保持のところだと思ってる。あの3チームは、個と組織両面でマリノスのプレスを掻い潜る術を身につけていたよね。
3チームとも位置的優位を取りながら前進することができていた。そのための手段がロングボールなのかショートパスなのかは、ボールの預けどころになるキープレイヤーがどのポジションにいるか。全北🇰🇷やHAGL🇻🇳は前線の長身助っ人ストライカー、シドニー🇦🇺は中盤のアンソニーカセレスやアミニといったところかな。

青人:
なんか、それもありますけど、正直パスミスが多くて自分たちで首を絞めているように感じました。

赤松:
そうだね。僕が言ってるのはパスミスをした後の話。いつものマリノスならミスをしてもすぐ奪い返してまた攻めることができるけど、そこで致命傷になりかねないカウンターを喰らったり、ボール非保持の時間を長く作られて押し込めなかったり。たぶん青人が上手くいかないなって感じたのは、「ミスをすぐ取り返せなかった試合」なんじゃない?

青人:
なるほど。たしかにそうかもしれないです、、

(試行回数?決定率?云々のお話は、ヒロさんのこちらの記事をご参照ください)


【最近の名古屋グランパス】

赤松:
今回のACLで対戦した3チームが強かったのは、マリノスに押し込まれ続けて防戦一方にならなかったからって感じかな。僕の結論としては。
それで、その話が今回の名古屋戦にも通じてくるわけよ。

青人:
おお!繋がってるんですね!w

赤松:
そうだよ。

青人:
まあ、とりあえず最近の名古屋はどんな感じなんですか?
チラッと見たところ、3バックをやってますよね?

赤松:
うん、中盤にアンカーを置いた3-5-2かな。

青人:
マテウスを2トップの一角に置いているのが特徴的ですね。

赤松:
マテウスは一応フリーロールというか、降りてきたり裏抜けしたりするんだけど、今までほどマテウスや相馬に丸投げって感じでもないよ。

青人:
え、そうなんですか!
陣地回復からフィニッシュまで全部マテウスじゃないんですか?

赤松:
そんなことはないw
陣地回復って意味で言うと、今の名古屋はビルドアップからしっかり足元で繋いでいるよ。

青人:
えっ!長谷川健太ってそんな人でしたっけ?

赤松:
そう。まあポゼッション志向のイメージは僕もないけど、でもまず点を取るところからチームを構築する監督ではあるよね。

青人:
守備的な監督ってイメージでしたw

赤松:
もちろんリスクヘッジと守備の構築はしっかりするよ。いつも失点少ないしね。
でも、それと同じくらい、どうやって点を取るかっていう目的からスカッドの特性に合わせて手段を構築する監督だとも思っている。

青人:
なるほど、、その手段がいまの3-5-2でやってることなんですね?

赤松:
そう。まだ構築途中だけどね。
まずアンカーのレオシルバがキーだよ。守備範囲の広さは知っての通りで、ビルドアップでは、サイドに流れてサポートとか、かなり縦横無尽に動き回ってる。36歳すげえ元気w

青人:
いやーさすがですよね、そこはw

赤松:
ただ、やっぱり年齢というかそもそもオーバータスクな部分があってね。このチームって、IHの稲垣と仙頭がたくさん動くのよ。サイドに流れてボール受けるとかを頻繁にやるんだけど、そのときにレオシルバが同サイドのハーフスペースに流れてサポートする。これを左右でやるから中央3レーン全部1人でカバーしますみたいなw

青人:
すごい大車輪の活躍じゃないですかw
だって、それに加えてカバーリングやプレッシングもやるわけですよね?

赤松:
そうそう。3節前の東京戦ではさすがに後半10分でガス欠してたw

青人:
あらら、、

赤松:
さすがにオーバータスクだから、ここ2戦ではちょっとずつ変えているよ。

青人:
ほう。レオシルバの負荷軽減がテーマってことですね?

赤松:
そう。ビルドアップ時のサイドのサポートにはいかず、中央に鎮座。今まで上下左右に動いていたのを、上下動のみにしたって感じかな。

青人:
なるほど。でもそれだと、レオシルバがやってた役割を分散しなきゃいけないわけですよね?

赤松:
そうだね。今は、両脇のCB、中谷(右)と丸山(左)が前に出ることで補っているかな。

青人:
DFを前に出してるんですね!

赤松:
うん、そもそもレオシルバを消されて外誘導されたってのが前提になるけど、大外のウイングバックのところで起点作って、そこに近距離サポートで逃げ道を作りながら前進するのがやりたいことかな。

青人:
で、その後はどうするんですか?

赤松:
基本的にはマテウスの裏抜けを活かした速攻が第一選択にあって、もしくは柿谷や仙頭らが絡みながら相手を押し込んで、クロス、相馬のドリブル突破、あとは右ウイングバックの森下の裏抜けとかのパターンがあるかな。
最終局面は、出ている選手の特性を活かした形で攻撃する感じだよ。

青人:
なるほど。名古屋は直近リーグ5試合で3分け2敗で、勝ててないんすね。

赤松:
だね。でもまあチームの構築段階だからしょうがないかなって部分もあるかな。やりたいことは見えるし、そんな悲観するような現状ではなさそうだよ。


【試合展開の予想】

青人:
名古屋のビルドアップに対して、マリノスはどうしますかね?

赤松:
基本的な構図としては、今季多く見られる中盤マンツーの形で対応すると思う。
レオシルバにはトップ下を、稲垣・仙頭にはダブルボランチをマンツーであてがうって感じかな。特に仙頭は前を向かせたら自分で運べるし、時間も作れるから、注意したいよね。

青人:
あとは、レオシルバが上下動のみになった分、ここは捕まえやすくはなっていそうですね。

赤松:
そうだね。中盤マンツーの構図にしたときに注意したいのは、ズレを作られやすいポイントが2か所あるってところかな。
一つは降りてくるCF、もう一つは両ウイングバック。

青人:
捕まえにくいポイントってことですか?

赤松:
そう。CFは柿谷(時々マテウス)で、ビルドアップに苦慮すると降りるからCBが付いていくなりして捕まえたいよねって話。もう一つのウイングバックだけど、左の相馬は常に高い位置を取ってくるから捕まえやすいと思う。でも、厄介なのは右の森下かな。相手との距離感を見ながら降りてボールを受けたりするから、マリノスのサイドバックがここを捕まえにくいんじゃないかと思っている。

青人:
京都戦でも、森下と中谷のワンツーで打開するシーンがありましたよね?

赤松:
そうそう。しかもマリノスのサイドバックにしてみたら、マテウスの裏抜けを警戒しながらの対応になるから、ややフォアチェックに遅れが出ると思うんだよね。

青人:
最初から前に出れないってことですよね?
たしかにそれは要警戒だ、、

赤松:
だからこそ、森下のところの攻防は一つキーポイントになるかな。

青人:
森下をどう捕まえるのかが見どころってわけですね。

赤松:
うん、マリノスのサイドバックの動きだけじゃなくて、その前のウイングがどうパスコースを切りながら寄せているかも見たいよね。外切りで中谷→森下のパスコースを切るんじゃないかと僕は思っているけど。

青人:
なるほど。

赤松:
ここまで名古屋のボール保持の話をしてきたけど、逆にマリノスがボール持った時は名古屋のミドルブロックをどう崩すかって話にはなってくるよね。 

青人:
そうですね。ケヴィンとしても相手を押し込んで試合を推移させたいし。

赤松:
まずその構図に持ち込むことっていうのは全体的なゲームプランの部分として重要かな。特に、左ウイングバックの相馬を釘付けにしておきたいね。あえてマリノスから見た右サイドから攻めることで、相馬に守備で労力を使ってもらえると良いよね。

青人:
そっか!相手のカウンターの急先鋒に守備をさせることによるリスク低減ってわけですね。

赤松:
そうそう。

青人:
久々のJリーグですし、しっかり勝ちたいですね!

赤松:
もちろん!勝とう!!



To Be Continued・・・

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