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2022J1第16節 ジュビロ磐田vs横浜F・マリノス プレビュー ~Double Standard~

大学院生の赤松先輩と20歳の青人は同じフットサルサークルの先輩後輩。
マリサポの同志である2人は、会うといつもマリノスの話をする。

【プロローグ】


青人:
パイセンの言ったとおりの試合になりましたね!京都戦!
ちゃんとハイラインの裏を突き続けました!

赤松:
ある意味青人が言ってたとおりかなw
正解は裏狙いだったね。

青人:
やったー!でもまあ負ける気がしなかったですw

赤松:
そうね、京都相手にアレをやるなら、この世で一番マリノスが与しやすい相手ってことになる。そうなればまあ順当に勝てるだろうとは思ってたw

青人:
なるほど。
ケヴィンは目の前の試合に勝つための策を講じてきたってことなんすかね?

赤松:
そうだと思う!直近の課題に対する積み上げは一旦脇に置いといて、目の前の試合に勝つために自分たちがやれることをやってたと思う!

青人:
人選がまさにそうでしたよね!

赤松:
まあ仲川・宮市ってウイングに置いたらわかりやすいよね、裏狙いだとw

青人:
しかも後ろに松原ですからw

赤松:
たしかに。まあとにかく次も昇格組との試合になるから、ここもきっちり取って5連戦を締めくくりたいところだね。

青人:
ですね!



【最近のジュビロ磐田】


青人:
さて、曲者揃いの初夏の5連戦ラストはジュビロ磐田です。
ここまで15位につけていて、リーグ最多失点のチームです。どこかの試合で実況の人が言ってましたけど、リーグで一番シュートを打たれているらしいですよ。

赤松:
あーたしかにそうかもw
ざっくりした印象だと、「保持と非保持どちらも70点でやれるチーム」って感じ。

青人:
平均値って感じですか?

赤松:
まあそうだね。これだけだとdisってるように聞こえるかもしれないけど、チームとしての幅は広いから、そこまで大崩れはしないんだよ。

青人:
どの相手にも戦えるってことですか?

赤松:
うーん、というよりも強調したいのは幅の広さかな。今季から伊藤彰を招聘して、昨季の3バックをベースにチームを構築しているんだけどね。
5-4-1の守備ブロックと相手を押し込むポゼッションを両方兼ね備えているチームだよ。

青人:
なんか珍しくないですか?そんなチーム。
普通どちらかに寄ってるイメージがあります。

赤松:
そうかも。まあいわゆるダブルスタンダードなんだと思う。伊藤監督はJ1で戦うってことをすごく念頭に置いてチームを作ってるはずなんだよ。

青人:
相手との力関係ってことですか?

赤松:
そう、まさに。17チームと戦うなかで、例えば70%の支配率で押し込めるチームがどれだけいるか。その逆も然り、毎試合5-4-1で構えたところに攻めて来てくれるチームがどれだけいるか。特にJ1のレベルは高くて、隙を見せたらやられてしまう。

青人:
たしかに色んなチームがいるし、競争力が高くて厳しいリーグですよね。

赤松:
そう。その状況で「どの相手に対しても主導権を握る」ことがしたい。攻めてくるチームに対しては、強固なブロックで攻めあぐねさせて、バランスを崩させたところでカウンターから一撃を加えたい。逆に守ってくるチームに対しては、ポゼッションして押し込んで点を取りたい。相手によって戦い方を変えながら主導権を握りたいチームなんだよ。

青人:
なるほど。大枠はわかりました。
ダブルスタンダードってあまり良い言葉として使われない気がしているんですけど、至極真っ当に聞こえます。

赤松:
僕が言ってるのは、このリーグにおける自チームの立ち位置を客観的に評価したうえで最適な振る舞いを選択しているって意味。
まあ日本代表絡みでよく言われてるから、良くない印象を強く持っているんだと思う!

青人:
たぶんそうですね!

赤松:
あの言説も頭ごなしな否定な気がしてあんまり好きじゃないけどな。まあここではそれはいいや。

青人:
別の機会でw

赤松:
ダブルスタンダードって言葉の定義を紐解くと、そもそも皮肉の意味は込められてるみたいだから、とりあえずヤマハスタジアムでは使わないようにしようw

青人:
なんか海外でやっちゃいけないポーズの話みたいですw

赤松:
コレとかね。

青人:
それ日本でもダメ〜〜!

赤松:
ごめん、壮大に話が逸れた。

青人:
なんの話でしたっけ?

赤松:
磐田が持つ幅の広さの話な。
色んなことができるチームとはいえ、共通する特徴はあって、それは遠藤保仁の存在が大きく影響している。

青人:
ここで出てきましたか重鎮が。

赤松:
彼がチーム全体をコントロールしていて、カウンターに繋げる起点になったり、ポゼッションのペースを調節する。その反面、彼は広大なスペースをカバーできないし、ゴール前に飛び出すこともしない。だからダブルボランチの片割れには、広大なスペースを埋められて、かつボックス内に飛び込んでいける運動量を持った選手が入る。

青人:
弱点を補える選手ってことですね。

赤松:
そう。それを担ってるのがNo.28 鹿沼直生で。
彼がとにかく走って遠藤をサポートする。でもやっぱりそれだけじゃ厳しい部分もあって、チームのベースはスローテンポにあるんだと思う。

青人:
まあ1人じゃ埋められない部分がありますよね。

赤松:
そう。特にこのチームは即時奪回プレスをあまりしないんだよ。奪われたらとにかくリトリート。
そのために後ろの人数も揃えてるし。カオスは作らず、システムの枠組みのなかで試合を推移させたいって志向はかなり強く感じる。磐田を見るうえでここはすごく大事だと思ってる。

青人:
なるほど。被カウンターでは、5-4-1へ移行する時間を稼ぎたいってことですね?
システムの枠組みのなかで試合を推移させたいってとこはようわからんです。

赤松:
要は、陣形が乱れる構図にしたくないんだよ。特に相手のカウンターはそういう状況を生み出しやすい。だから、ディレイをかけながら味方が帰陣する時間を稼いで5-4-1に移行して守りたい。

青人:
システム・陣形を重視しているって感じですか?
フォーメーションは電話番号に過ぎないってわけじゃないんですね?w

赤松:
まあそんなとこw
でもリトリート志向が強すぎて、ボールホルダーにアプローチできないシーンは散見される。FC東京のレアンドロ、神戸のイニエスタにノープレッシャーでボールを運ばれるシーンが結構あった。

青人:
そこは課題って感じなんですかね?

赤松:
たぶんね。リトリートしてるのにそのままチャンス作られるのはさすがに見過ごせないはずだし。

青人:
逆に攻撃面はいかがですか?

赤松:
まずね、小川大貴の負傷がかなり痛いはず。
左利きのクロッサーで、彼から右ウイングバックの鈴木雄斗への高精度クロスってのは磐田がチャンスを作れるパターンだったけど、それができませんと。最終局面の形で言うと、そこに悩んでいる感は否めない。

青人:
まあクロッサーがいなくてもNo.17 鈴木雄斗へのクロスは気をつけろってことですかね?

赤松:
間違いないよ。対面のサイドバックとの空中戦に強いから、アバウトなボールでも競り勝てるし、ここはプレス回避先としても使われる傾向が強い。

青人:
なるほど。

赤松:
鈴木以外でも、空中戦は磐田の強みだね。おそらくこの試合ではNo.29 ファビアン・ゴンザレスがCF、No.9 杉本健勇がシャドーの位置に入ってくると思うんだけど、この長身2人と鈴木雄斗の3枚がボックス内にいるってのはめちゃくちゃ怖いよね、、

青人:
それ、恐怖すぎません??
てか、杉本健勇はシャドーで使われてるんですか?

赤松:
そうなんよ。これはファビアンゴンザレスの負担軽減だと思う。彼をゴール前の仕事に専念させるために、杉本が低い位置で起点を作る仕事をしてるって感じかな。
ただ点取られなきゃいいやじゃなくて、ちゃんと主体的に点を取りにいく設計をしてる。

青人:
さっき言っていた、伊藤さんのチームビルディングの信条とも絡んでくる話ですね。

赤松:
そうそう!
あくまでも自分たちが主導権を握りたい。


【試合展開の予想】


青人:
マリノスはどうしましょうか?

赤松:
まずざっくりとした構図だと、マリノスがボールを持って、磐田が5-4-1で構える形にはなると思う。ここはマリノスがどう磐田のブロックを崩すかって話になるよね。

青人:
そうなりますよね。そもそも押し込むことはできるんですか?

赤松:
磐田の出方次第だけど、押し込むことはできると思う。彼らからしたら前後分断は避けたいはずだから、基本的には構えるんじゃないかと。ここは時間帯やスコア展開によって変わってきそうだけどね。

青人:
なるほど。押し込めたとして、どう崩すのが良いんですかね?

赤松:
狙うべきは、マリノスから見た右サイドの奥ってか裏だね。

青人:
ほう。

赤松:
磐田のNo.36 リカルド・グラッサの裏。ここはどのチームも攻略の糸口として使ってる印象。
結構食いつきやすくて、かつラインコントロールに難があるから、マリノスとしては突きやすいポイントだと思う。

青人:
対面は、水沼宏太ですよね?おそらく。

赤松:
ローテーション的にはそうなるね。水沼が外で引き付けて誰かが中に入ってくるでもいいし。あとは仲川にそこ使わせるのも面白そう。

青人:
たしかに!京都戦良かったですし!

赤松:
んね!とにかく引き付けて裏!ってのは5バック攻略の定石だけど、相手を動かしながら空いたスペースを突いていくことが大事。今のマリノスならやれるはず。

青人:
引いた相手から点取れるようになってきましたもんね!

赤松:
そうだね。できれば磐田が構えてきてくれたタイミングで試合の大勢を決してしまいたい、、あとが怖いからw

青人:
浦和戦の悲劇の話ですか?w

赤松:
まあそんなとこw
守備で言うと、クロス爆撃にどう対応するかってとこがこの試合のポイント。正直、角田を左サイドバックで使うのはアリかなと思ってる。途中からでも良いから。

青人:
鈴木雄斗対策ですよね?

赤松:
そうね。まああとはセットプレー対策ってのもあるし。
基本的にマリノスがボールを持って磐田を押し込み続けられるのが理想だけど、どこかで必ず攻め込まれるタイミングは出てくるよね。磐田のホームゲームだし。
とにかくそこはもう守備陣に踏ん張ってもらうしか、、試合終盤の恐怖は覚悟だね。

青人:
心臓に悪い試合になるかもしれないってことですね、、

赤松:
残念ながらw
楽な試合なんてひとつもないんだ。

青人:
ここ勝てれば大きいですし、なんとか踏ん張ってほしいです!

赤松:
連戦の疲労もあるなかでなんとか、ね!
大丈夫!信じれば報われる!



To Be Continued・・・



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