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ただのシステムお守り部門に成り下がってしまったIT部門でDXはできない。

背景

DXが話題になっています。事業会社の場合、DXを推進するためには、どこかの部門が企画し、プロジェクトをリーダーし強力に進める必要があります。
しかし、経産省のDXレポート2でも言われているように、多くの事業会社でそれが出来ていません。散見される例としては、「何もしていない」、つまり座して死を待つ、縮小均衡になっている、これが一番多いと思います。

私はこの一番の要因は、IT部門に企画し推進する力がそもそもなくなってしまっている(もしくは最初からなかった)ことにあると考えています。

最悪、ベンダーの食い物にされ、莫大な費用をかけた結果、何も残らないということになっています。

それでは最初にIT部門の構造について整理し、その後問題について整理します。

IT部門の機能:運用と企画

IT部門が持つ機能は大きく2つに分けられます。

1.運用
文字通り既存システムの問い合わせに答えたり、マスタを登録変更する業務です。

2.企画
既存システムを刷新したり、新たな機能を実現するために新システムの導入を検討、企画、推進する業務です。

IT部門の関係者

IT部門を取り巻く関係者は以下に分けられると思います。

1.IT部門
2.ユーザ部門(事業部や経理など)
3.システムベンダー
4.役員(予算の決裁者)

DX推進のステップ

DXを推進する場合のステップを整理しておきます。

1.当社は何をしたいのか?何を実現したいのかについて、DX抜きで考え決める。
2.現状分析
3.実現したいことと現状のギャップを明らかにする=課題を特定する
4.課題に対する解決方法(選択肢)をリストアップする←この中にDXが含まれる
5.解決方法の中で最も良い方法を決める
6.計画を立て組織化する
7.計画を実行する
8.臨機応変に計画を修正する

問題

最初に述べた通り、DX推進における最大の問題は、IT部門に企画能力がなくなってしまったことです。

要因は以下の通りだと思います。

1.システムベンダーに頼りすぎ
システムベンダーはパッケージを提供したり、それの導入サポートを行います。しかし依存度が高すぎて、「こんな課題があるんだけど解決策も一緒に考えてよ」とか「企画書も書いてよ」と、お願いしすぎた結果、IT部門の能力が衰退してしまっています。

2.コンサルの弊害
コンサルの場合「問題解決まで請け負いますよ」というのが仕事ですから、こういった依存状況を好みます。最初から企画から提案してきます。それに乗っかりすぎた結果、「考えることをやめてしまった」状況です。

3.IT部門機能の誤解
運用だけしていれば仕事をした気になります。「運用で忙しいから」と運用だけした結果、企画機能が衰退してしまっています。企画機能は筋肉に似ています。使わないと衰退して、やがて自分の足で立つことが出来なくなります。

4.リーダー不在
誰からも反対されない企画は存在しません。そして企画を実行する場合、多くの人から反対抵抗されます。この業務を実行するためには、リーダーが必須です。リーダーとなる人材がいないことで、企画のアイデアはあっても意思決定できない、実行できない事業会社が多いです。

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