山梨の子と缶コーヒーの話

僕は仕事で毎週山梨県に通っている。
2018年の10月から毎週。

年末年始もゴールデンウィークも通っている。

場所は談合坂サービスエリアって場所で、日本でもトップクラスの利用者数を誇るモンスターSAだ。そこでイベントのMCをさせて貰っている。

冬は過酷だ。
屋外イベントなので寒いし、ステージMCなのでダウンジャケットなどは着れない。
防寒といえば何枚にも重ねたヒートテックにカイロ、あとはバイブス。

そんな季節に出会った1人の女の子がいた。

年齢は19歳で、平日は学校で週末はSAでバイト。
若いのに朝から晩まですごく頑張っている健気な子だ。


よく無邪気に話しかけて来た。
好きなバンドの話や、学校のこと、バイトのことなど色々と。

「東京からお兄ちゃん来た!」
のテンションでニコニコ話す様をみて、こっちの心も温まった。


正月の3日だったかな?
朝その子からLINEで「今日来ますか?寒いので気をつけてください」って来た。なんていい子なんや。

寒い中到着したが外にはお客さんがいない。
イベントも中止になって、僕は仲間のやってる屋台で座っていたんだが
とにかく寒い。
BPMの早い曲を流しても寒い。

「命に関わるぞ。。。」

そう思ってたら、キョロキョロしてる女の子が1人。

「ん?あの子じゃん?」

手を振ると、笑顔でこっちに向かってくる。

「お疲れ様です!寒いですね!」
「そうだね、今日は中で仕事?」
「はい!外は大変ですね!」
「まあ仕事だからね」
「これ良かったら!」

そう言ってホットの缶コーヒーを差し出す

「え!?マジ!」
「はい。頑張ってください」

女神じゃん。普通の女神。

「ありがとう」
「じゃあ戻ります!」
「もう戻るの?寒いもんね」
「いえ、中抜けして来たんで」
「え!?マジ!」
「はい。頑張ってください」

女神じゃん。完璧な女神。

寒い中外にいる俺らのために、わざわざ買って来てくれたんだって。


ああいう子と結婚してーなー。


僕は思うことあって飲み物の差し入れはしてなかったのだが、それをきっかけに色んな現場で飲み物も差し入れることにした。

あいついい子だな。

元気かな。


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