顔色が悪いと言われたから、無人島へ行ってきた
この間、同僚の女性が私の顔を見るなり、「ヒッ!」と、見ちゃいかんもんを見たかのような反応を示した。目が西川きよし師匠くらい飛び出ていた。
両手を軽くグーで握り、その手を口元にもっていってて、まるでホラー系ドラマで主演女優賞の一つや二つ獲れそうなマジもんの「ヒッ!」だった。
「先生顔色悪いですよ…びっくりしちゃった」
あ〜今日化粧してないもんな〜と思ったけど、原因はシンプルに長時間労働&連勤による疲労で、騙し騙しやりくりしていたのがいよいよ隠しきれなくなって顔に現れ、とうとう見た目が亡霊化していたらしかった。
本当に亡霊になる前に、休もう。と思った。
休むならどっかに行きたい!(非日常体験の渇望!)
どうせなら人のいないところに行きたい!(日々の喧騒からの解放!)
人のいないところといえば、そう!
無人島ですよね!!!
でも無人島ってそう簡単に行けるようなところじゃないよなぁ……
行けちゃいました。
ということで、ぶらりと気軽に行ける無人島へ行ってきた話をするぜ!
行き先は「猿島」。
きっかけは、前に廃墟探索をするYouTuberの動画を見て「廃墟行ってみてぇ〜」と思い、でも女ひとりで気楽に行けるもんでもないので、誰でも訪れることができる廃墟はねぇが〜?とググッたところ、ヒットしたのがこの猿島だったこと。
手付かずの自然とか、人の手が入らなくなって何年も経つ建物とかの写真を撮りに行きたかったのだけれども、働いているうちにそんなことを思ったのをすっかり忘れて挙句の果てに自分を一目見た人をビビらせてしまいました。
このままだと亡霊になる日も近いかもしれないので、血色のよい顔色を取り戻すべく、いざ横須賀へ。
横須賀中央駅です。ここから海へ向かって15分ほど歩きます。
三笠公園のチケットカウンターで船の切符を購入。すぐ側には記念艦三笠が鎮座していてかっこいい!(この写真は島から戻ってきてから撮った。)
猿島へ向かう船には、往復1600円で乗船できます。片道10分程度で着いた。意外と近い!ただ、朝から飲まず食わずで来てしまったもので、軽く船酔いしてしまいました。私の場合は自業自得ですが、酔い止めがあると安心かもしれません。
島内の説明を聞きながら巡るガイドツアーもあったけど、今日は人というしがらみから解き放たれることで魂と血色のよい顔色を取り戻すために来ているので、単独行動で島を歩きます。
来てみての第一印象は、「観光地としてきちんと整備されてる~!」でした。歩道に沿って、ゆっくりのんびり散策します。
こういうやつ~!!!
表面のコンクリートが少し剥げていて、レンガが顔を覗かせてるのめっちゃいい~!赤茶色の錆びた感じもいい~!
整備の都合上、立入禁止の場所も多いのだけど、人間が足を踏み入れていないからこそできる緑のわさわさ感が島っぽくていいね。(浅い感想)
猿島は元々、東京湾を見張る役割をもつ防衛の拠点だったそう。その要塞の跡の、砲台とか、弾薬庫など、当時の歴史的建造物が見られる観光スポットです。(ざっくり説明)
まるで映画の中のよう。
展望台だったらしい建物。
ちょっとでも触ると壊れそう。
見晴らしのよいところからは横浜や東京の街が一望できます。空気が澄んでいれば富士山も見えるらしいけど、今日はあいにく霞んでいて見えなかった。
トンビがいっぱい飛んでた!ピーヒョロロロ…
立ち止まってぼーっとしていたら、大きな黒い影が視界の右から左に向かって過ぎた。あまりに一瞬のうちだったから何事かと思ったら、トンビが頭上近くを飛んで行ったみたいで。
なんか発売前のRPGのプロモーション映像とかによくありそうな、これから旅立つ(または旅の途中の)主人公の頭上を猛禽類が過ぎ去って風がびゅうって吹いて主人公が帽子を押さえながらその猛禽類を何かを思いふけりながら見つめるのを俯瞰するカメラアングルで捉えた映像みたいなのをリアルに体験しました。トンビすごい。
もともとあっただろう箇所が老朽化している。何十年もかけてこうなって、また時間をかけて別の形になっていくんだろうな。
さて、猿島の魅力は遺構だけでなく、レジャースポットとしても展開されているところ。砂浜でバーベキューができたり、釣りをすることもできるようです。無人島の有効活用。
戻りの船の時間までしばらくあったので、海でぼんやり過ごすことにしました。
砂、結構黒っぽくて細かくて、光に反射してキラキラ光ってたのね。他の場所の砂浜とは少し違う感じがした。
オブジェみたいな流木。
そうそう、ここでカメラを砂地に置いたら、小さいねじ部分に黒い砂がくっついたんですよ!どうやら砂鉄っぽい。理科の授業でしかみたことないよ砂鉄なんて。
さて、せっかく来たんだし思い出に1枚だけ自撮りでもするか~と思って、このオブジェみたいな木にカメラを乗せて撮ってみたんですよ。そしたら
亡霊が映ってました。
なんか黒いし。怖いし。空と海が明るいからカメラ側も「え!?真ん中のやつ何!?」と驚いて明るさ調整に困ったでしょうし。あとそのポージングは何???寒いん???(別に寒くはなかったです)
明らかに被写体としての才能は皆無であることと、このソロ慰安旅行だけでは亡霊の風体が抜けきらずまだまだ休暇が必要だということが分かったところで、あと少し、乗船まで余裕があったから…
やった~~~!!!
青天の下、海のそばで乾杯~~~!!!サイコ~~~!!!ひとりだけど!!!ハッピーライフ!!!黄金に輝くYOKOSUKA PRIDE!!!
いや、これめっちゃ美味しかった。普通のビールも売ってたんだけど、私が購入したのはおそらく島限定のやつで、フルーティーで軽くていい香りが毎回鼻から抜けていって爽やかで、甘い!!横にあるのはさつま揚げで、猿島揚げというお名前がついててこれもまた島限定なのだと思います。美味しかった。
……朝から飲まず食わずで、行きの船で軽く酔ったのにもかかわらずこれから帰りの船に乗ろうとしているくせに後先のことを考えずビール飲むのマジで何も考えてねえなだからお前はダメなんだって、下船してから思いましたけれども。いいんです、自分の旅だから。その時楽しいのがいちばん。
島に滞在したのは約2時間。短い時間でたっぷり自然を感じられて趣ある写真も撮れて、素敵な観光スポットでした!
次はどこに行こうかな〜!
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?