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いじめる人達

私はサラリーマン時代の最後、職場で「いじめ的」な行為を受けていました。

「的」というのはどういうことか?
後で冷静に振り返ったら実はちょっと嫌味を言われた程度だったかも、というような緩和の意味で「的」を付けた訳ではありません。

これはささやかな抵抗といいますか、
「当時40代後半のオッサンに対して、名の通った上場企業の優秀な人達がいじめなんかする?しないよね普通?あれっていじめじゃないよね?ちょっとフザけていただけでしょ?」
という一縷の希望と皮肉を込めて「的」と付けました。

昔に比べればずっと、ハラスメントに対する意識が高い社会になってきました。
でも、水面下ではいじめ自体は減っていない、むしろ形を変えてしぶとく増殖しているのではないかという気がしています。

調査機関ではないので数字で示せと言われても困るのですが、肌感覚といいますか、今の日本社会で普通に暮らしている者としての、直観です。

「やってはいけないよ」と言われるとやってしまうのが人間の性という部分もあります。
暴論かもしれませんが、いじめというのは人間の生存本能の仕組み上、やってしまいがちな方向で元々セットされているのではないかと思います。

その危うい本能を制御できるのが、理性とか知性とか知恵といったものだと思います。

佐野元春も「ヤング・ブラッズ」という曲の中で

鋼のようなWisdom
輝き続けるFreedom
願いを込めて
ここに分け合いたい
Let's Stay Together

と歌っています。

何を書いているのかちょっと怪しくなってきました。

本題です。
私が受けていた「いじめ的」な行為ですが、実際は、なかなか陰湿でした。

かれこれ8~9年前ですが、私は金融機関では無いのに金融機関みたいな社名の某大手IT企業(ほとんど社名言っちゃっていますが)のバックオフィス系の部署に在籍していました。

そもそもなぜいじめが始まったか?
この原因については、正直なところ、私にも非が無かったとは言えません。

過去に私が上げた記事でも何度か書いていますが、私は子供の頃から人間関係の構築が下手で、距離感を間違える事が多々あり、言わなくてもいい事を言ったり、言わなきゃいけない事を言わなかったりという性質があります。

その時の職場でも、経緯はやや複雑なので省きますが、行き違いが重なった結果、「いじめ的」な事が始まりました。

①本来なら数人で対応する規模の案件を私1人きりでアサインされる。
部内の大規模なプレゼンの際もヘルプ無しでしたので、私が一人であたふたと資料配ったりプロジェクター操作したりマイク持って説明したりする様は、まるで大道芸人のワンマンバンドのようで、さぞ見応えがあったはずです。

②重要な会議にはなぜか私1人だけが呼ばれない。
数日後にそんな大事な会議が行われていた事を知った時には、知らないうちに私だけ異世界に転生したのかと思いました。

③一番外れの席に座席替えされる。しかも同時に私一人だけなぜか人事異動で「部付」にされる。
座席はそれまで所属していたチームと同じ並びのままでしたので、知らないうちに結界でもできたのかと思いました。

他にもいろいろありましたが、ざっと思い出しただけでもなかなかの内容です。
いい歳した大人が、それも皆、わりと優秀な学歴やキャリアを持った人達がよくやるわと思いました。

ひとりひとりはそんなに根っからの悪では無いのです。
ただ、集団になると独特のグルーヴを発揮するのです。

その組織をよく観察した結果、トップの統括長は多忙過ぎて組織内に目が向かずやがて無関心となり、配下にはいじめのキーパーソンになる性根の腐ったサイコパスが複数居て、その人たち(男も女もいました)が暴走しやすい土壌が出来上がった事が分かりました。

典型的なカリスマ型経営者によるトップダウン・スタイルなので、中間管理職はどうしても上ばかりに意識が向きがちになる面もあったように思います。

良く言えば競争型でアグレッシブな組織なのかもしれませんが、一方で生存のための椅子取りゲームが激しくなり、いつの間にか同僚の足を引っかけたり、椅子そのものを隠したりといった方向に行ってしまったのかもしれません。

良くあると言えば良くある話ですが、とはいえ、受けた当事者としてはそれなりにトラウマ・レベルでした。
いじめの後期にはさすがに私もいたたまれなくなり、そっと職場を抜け出して近所の公園で幼稚園児と一緒に日向ぼっこしたり、一人で会議室に籠ってモニター使ってYou Tubeを見たり、午前11時から人気のお店で優雅にランチしたりと、それは過酷で孤独な時間を過ごしました。

ただひとつ、
「イジメ、ダメ、ゼッタイ」
という、小学3年生の標語のような決意を固められたのは、収穫ではありました。

最後に私の受けたいじめの顛末ですが、私も意地になって細かな抵抗を試みたのですが、半年ほど続けたらさすがにメンタルがやられてしまい、最終的に転職先を決めて退職しました。

いじめにも加担していた直属の上司に退職の意思表示をした際、不敵な態度の私にビビったのか、上司が会議室を出る際に足がもつれていたのは、今では良い思い出です。

それと型通りの送別会の申し出をきっぱり断り、最終出勤日にもう一発さらし者にする目的で用意された退職挨拶セレモニーをアクセル・ローズばりにバックレてとっとと帰宅したのは、我ながら人生ベスト3に入るグッジョブでした。

元祖バックレ王の若き日のアクセル・ローズさん

いや、皆さん、本当に、いじめは良くありません。
いかなる理由があろうと。
理屈の話ではありません。

大人がそれをやっている限り、子供達に何を偉そうに言えますか?という話です。

(最後にお口直しとして、世界屈指の仲良しバンドであるU2の写真を貼っておきます)

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