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台風19号の影響で那覇空港から12時間身動き取れなくなった私の備忘録

2019年10月12日、日本列島に台風19号が上陸。台風一過で晴天となった13日にも羽田発着便数に制限がかかり、多くの飛行機が欠航となりました。私が乗る予定だったJAL902便、那覇発羽田行きも欠航になり私は12時間近く那覇空港で足止めされることになりました。

これはその日の私の叫びをまとめたログです。
あの日を私は忘れない。

【2019年10月13日 はれ】

7:40
家を出る直前に那覇→羽田便の欠航を知る。
見間違いかな?と、思いつつ急いで久米島空港に向かう。運転しながら「見間違いだったらいいのに」と思う。

8:00
久米島空港につく。
見間違いじゃなかった。カウンターのお姉さんに聞いたところ「とりあえず那覇空港のカウンターに行ってください」とのこと。今日から始まる予定だった旅がここで終わるのではないかという不安に駆られる。

8:40
久米島→那覇の飛行機に搭乗。
空の上で今日1日の動きを脳内シュミレートする。きっと大丈夫。走ってキャンセルまち整理券をもらえばいけるはずだ。

9:20
那覇空港で特別空席待ち整理券配布列に並ぶ。
未だかつてない緊張感と不安で心拍が乱れる。泣きたい。お母さん助けて。私を東京につれてって。

10:00
整理券をゲット。

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121番からの呼び出しスタートという状況のなか、ゲットした番号は697番。思わず言葉を失う。整理券を渡してくれたお姉さんが「ごめん」って顔する。次の呼び出しは11:25なので、ひとまずその場を離れた。

10:10
小さな希望を持ってANAの購入待ち列に並ぶことに。
動くことのない長蛇の列に並びながら色々調べたが福岡、大阪、小松方面の飛行機も満席。LCCも満席で八方塞がりに。言葉にならない怒りがこみ上げてくる。怒りをTwitterにぶつけることで精神の安定をはかる。

11:25
ANAのカウンターはなかなか前に進めず、あと1列というところで時間になったため整理券呼び出しカウンターに移動
この時の記憶はあまりない。呼ばれなかった記憶はある。とぼとぼと空港内を散歩した。

13:30
不安と緊張感から胃がキリキリしていたが食べなければ力が出ないということでラーメンと餃子のセットを食べた。

さらに調子に乗ってほうじ茶タピオカを飲む。結果、そこそこ気持ち悪くなる。消化するために空港内を散歩する。(本日2回目)

15:50
整理券呼び出し。
自分の番まであと100人のところで一旦呼び出し終了。次の呼び出しは18:10からということなので空港内を散歩する(本日3回目)

16:20
アンパンマンアイスバーをたべた。

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沖縄に来て初めて知ったローカルでチープなアイスが身に染みる。TwitterやFacebookで多くの人に応援してもらっている。見守ってもらっている。私ならきっと大丈夫。そう思えてきた。私ならばきっと東京につける。
元気も出てきたし、時間がたっぷりあるので散歩を再開した。

17:40
日が落ちる。

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展望スペースで飛行機が飛ぶ姿を眺めながら、あの飛行機は誰が乗る飛行機で、誰が乗れなかった飛行機なのか考えてみる。
夕日がきれいと思えるなら、まだ心に余裕はある。きっと大丈夫。

17:55
可愛いガチャを見つけたのでガチャる。

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首里城ピカチュウかわいい。癒される。

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隣にあった島耕作ガチャも気になったがやらなかった。

18:10
呼び出し再開。
呼び出しカウンター近くのベンチ席に戻ってきたら周りの人達同士が仲良くなっていた。子連れ家族が呼ばれたとき、ベンチ席では「よかったねぇ」「子どもたちもよく耐えたよ」と声があがった。最初は殺伐としてたこの席も日が落ちる時間になって温もりが溢れてきている。私たちは同志だ。

18:30
久米島で仲良くさせてもらっているご夫婦に会う。
羽田から那覇に来る便が遅れて、久米島行きの飛行機に乗れなかったらしい。そんななか、哀れな私に会いにきてくれた。声をかけられた瞬間普通に泣きそうになった。けど、我慢した。振り回されているのは私だけじゃない。みんな頑張ってる。那覇でホテル泊することになったお2人を送り出し、呼び出される時を待つ。

19:00
634番で呼び出しが終了。
次の呼び出しは19:25。さっき知り合いの顔を見たからかなんかきもちが明るくなってきた。頑張ろう。まだまだ戦おう。

19:25
呼び出し再開。

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近づくにつれて背筋が伸びる。が、呼ばれず。次の呼び出しは20:15ということだったのでトイレにいく。いつ呼ばれるか分からず我慢してたのでダッシュする。

残る便は最終便。20:45発だ。

20:00
トイレから戻ると700番までが呼び出されていた。

思わず走る。

番号が呼ばれ、カウンターに並ぶ。

手荷物を預けている間も「もしかして乗れないんじゃないか」「思わせぶりにやられるんじゃないか」と不安になり気が抜けなかった。だから座席まで印字された搭乗券を渡された瞬間、ふと笑みが溢れた。

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喜びの感情に表情筋がついていかず、ちょっと気持ち悪い笑い方になっていた。このとき初めて表情筋を全く使わず無の表情で呼び出しを待っていたことを自覚した。この搭乗券を手にしてやっと、私は表情を取り戻したのだった。

20:10
保安検査場を抜ける。
各方面に搭乗券が取れたことを報告。12時間近く空港にいたからか疲労感が凄まじい。安心して一気に疲労感が襲ってきた。働いている時よりも疲れている。足が重い。
けど今にも泣きそうだ。

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色んな人にたくさん頑張れって言ってもらった。JALの皆さんにたくさん頑張っていただいた。その全てがあって私はいま登場口に向かっている。感謝でしかない。

いっぺーにふぇーでーびる。
本当にありがとうございました。

私の旅が始まります。

【了】

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