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U.S. 80s Rock #1

Adrian Belew - Young Lions (1990)

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 ギタリストのソロアルバムは大抵つまらないものが多い。もちろん色々あるけど、どこか毒気が無くてバンドのアルバムに比べると気抜けな感じがするものが多い。もしくは充実しているけど歌に不満があって両立できない。そもそもギタリストとして出てきてる人は実験色が強くなりすぎて、曲の良さは後の話で別次元になる。

 Adrian Belewの1990年のソロ名義アルバム「Young Lions」はボウイの葬式ツアーの直前にリリースされたからボウイがゲストボーカルで参加している「Pretty Pink Rose」が葬式ツアーでも披露された。アルバムは80年代クリムゾン的でアフリカ的でもある、ブリューのキャリアから生み出されるサウンドが中心になった作風。すると音楽的なパイオニア精神はあまり出てきていなくて、ゾウさんの音色ギターがフォーカスされてしまう。この歌声も曲もギタープレイも不足気味だが、ギターサウンドのアルバムになるか。歌にスポットを当てたアダルトなロックアルバム。

The Blues Brothers - The Blues Brothers (1980)

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 随分と昔に見たキリとなっている映画ブルース・ブラザース。今思い起こしてみるとストーリーも思い出せない。豪華絢爛なキャスティングとユーモアたっぷりのストーリーで黒ずくめのスーツに黒いハットとサングラスの格好は一世を風靡した。その豪華キャストにアレサ・フランクリンも含まれているが、ジェームス・ブラウンやレイ・チャールズがサラリと出演しながら個性的な役割で重要な意味合いを持ってるし、歌声を披露するミュージカル映画の楽しいトコロ。何をやっても上手くいかない、でもスネないで流れのままに任せて生きていくブルース・ブラザースの二人がコミカルで面白い。決して大声で笑うでもなく、また怒るでもなく淡々と全てを受け入れて生きていくスタンスに同調してしまう。

 ブルース・ブラザースバンドも存在していて、結構面白い。別にブルースではないけど、コメディのオンパレードで明るく楽しい気分になるお祭りサウンド。ホーンセクションバリバリのロックンロールショウの感じ。こういう脳天気さはアメリカ独特で興味深いし、バックバンドのテクニックは天才的でプロの仕事。聴く機会が少ないけど、普通のバンドより楽しめるライブ盤だ。

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