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Queen #2

Queen - The Game (1980)

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 日常からロックや音楽に接しているが、当然の如く実に色々なジャンルやサウンドの音を聴きたくなる、聴こうと思う、あることを思い出す、何かの会話から聴いてみようと思う、など誰のどのバンドのどんなアルバムを聴くかは様々な事がきっかけになる。当たり前だけど聴く音楽が多岐に渡るとウチのブログみたいにある種の世界をちょっと幾つかまとめて聴いていく事もある。また逆に古いものも新しいものも混ぜこぜにライブラリから「最近聴いてない」ので取り出してくるものもある。もちろん「そんなのあるんだ?聴いてみよう」と買う事もあるが、本日はたまたまのきっかけで、それも何となくの鼻歌で思い出したクイーンです。そういえばもう随分まともにアルバム単位では聴いてない気がするし、ライブ盤は割と聴いたり見たりしたけど、オリジナルアルバムをまともに聴くことも少なくなったので久々に聴いてます。普通の事だけど、何故か限られてきちゃって、特に80年代以降のアルバムはライブバージョンばかり聴いてた。

 1980年にリリースされたアメリカ侵略アルバムとなった「The Game」。世代によるけど、このヘンは後追いだったので全然響かなかったアルバムのひとつ。一方世代ど真ん中の人はベストアルバムに挙げる人も多いし、その前からのファンは離れていくきっかけになったアルバムでもある。ひとつのバンドながらいろいろな側面を持つアルバムを出せたのはある意味本物だが、やはりリスナーとしては変わりすぎるとついていけなくなるものだ。今はミュージシャン側の意向も伝わってくるからファン側も認めている部分あるかもしれないけど。かと言って同じようなアルバムでもやる方は面白くないだろうし、その辺難しいものだ。

 「The Game」はスゲェ良い作品だ。何が気に入らなかったんだろうか?ロック的ではない、ハードロック的ではない、昔のクイーンを思わせるロックじゃない、と言うトコロだろう。それは今聴いても思うし、70年代と80年代の区分けが見事に感じられる作品でもある。でもアルバムを聴いてると次から次へと口づさめる曲ばかりで、それこそ全部鼻歌で出てくる。そんなに聴いた記憶もないけど、多分ライブではほぼ全曲演奏されているだろう。この頃のライブアルバムは割と幾つも聴けたり見たりするし。同時代のバンドからしたら明らかに頭ひとつ抜けたポップ感と言うか仕事としてきちんと作品を作ったトコロがあって、そういう感性の敏感さがアルバムに反映されている。ブライアン・メイはこの路線に猛反発だったと思うけど、ブレインのフレディ・マーキュリーが理論的に会話したら多分その通りだと納得して天才の前にひれ伏した感じか。ロック感はないが、プロの音楽集団としての作品として見事だと思う。そこにたまたまジョン・ディーコンのブラコン趣味が重なってソウル色の強いアルバムになってる。更に言えばシンセサイザーの使用も過去のクイーンにこだわることなく普通に取り入れて時代に取り残されないように選択している。時代が回るとそんな事しなくても良かったと思うけど、それも時代。

 これだけ理解して文句も言いつつ聴いているが普通にカッコ良いと思えるから凄いよ、この「The Game」は。どこか認めたくない自分がいるけど、そう感じるからクイーンは凄い。80年代のクイーンは別バンドだけど、それでもカッコ良い。

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好きなロックをひたすら聴いて書いているだけながらも、聴くための出費も多くなりがちなコレクターの性は皆様もご承知の通り、少しでも応援していただければ大感謝です♪