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The Who #1

The Who - My Generation (1965)

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 ファーストアルバムでインパクトを放っているバンドは数あるが、もう一つ凄いのがザ・フーだ。最近になってようやくまともなCDがリリースされたという恐るべしバンド、更に2004年になって初めて来日公演を行ったと言うのも結果としてはザ・フーらしい。書いていくとキリがないが、彼らのファーストアルバムはいわゆる同時期のストーンズやビートルズ、キンクスなどと比べてみても群を抜いて出来映えが優れているところがピート・タウンゼントの優れた音楽センスたるトコロ。もっとも好みの問題はあるのでそれが良いか悪いかはある。

 そのファーストアルバムはジャケットからしてカッコイイ。ベースのジョン・エントウィッスルが羽織ったユニオンジャックを象徴としてアルバムのジャケットの配色も赤青白のユニオンジャック調で彩られているし、何と言ってもキースやロジャーがカッコイイ。この時点で他のバンドのファーストとは異なり、前面にイギリスを持ち込んでいるワケです。それでその中味。3曲がジェームズ・ブラウンのカバーで占められているけど、これはロジャーの好みで一番ケンカの強かったロジャーには誰も逆らわなかったので収録。この話も半分冗談だけど、それを差し引いてもこの1965年という時代に於いてオリジナル曲が多数占めるというのは自信がなければできなかっただろう。また、ロックビジネスに先見の明があったプロダクションの意向もあっただろうけど、とにかくそれでもレベルの高い楽曲が収録されている。一曲目からいきなりザ・フー独特のアンプがぶっ壊れるかのようなノイジーな破壊魂が聴けるし、何と言っても有名な「My Generation」では誰も聴いたことのないようなファズベースでのソロが中間部に導入されている。かと思えば「The Kids Are Alright」や「The Good's Gone」「Much Too Much」のような可愛らしいポップな曲も入っているし、とにかく素晴らしく楽曲センスに長けた作品で面白い。「The OX」なんてタイトル通りぶっ飛ばしのインストだ。

 ここまでがオリジナルUK盤に収録されていた曲で初CD化された際にかなりのオマケが付いてきたのもまたお得。ちなみにオリジナル盤はモノラル収録です。まあいいじゃないですか、ボーナストラックも凄くかっこ良いし。黒人R&Bのカバーそのものながらザ・フーらしくて、「Shout & Shimmy」の超かっこいいノリだってJBのパクリだけど、それができるのは凄いし、ソウルバラードの名曲「Anytime You Want Me」もビートルズ顔負けのコーラスで、それが凄いのでおまけにはアカペラバージョンまで入ってる自信作。どれを切り取っても他のバンドとは一線を画したザ・フーのファーストアルバムこそ世界最高のファーストアルバム。

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