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Jazz Funk

The Crusaders - Street Life (1979)

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 フュージョンにはブラコンが入ってるバンドが多くなる。そういう印象もなかったけどその入り方がイージーだったとも感じる。当初ギターインストから入っている自分からするといつしかコンテンポラリーに差し掛かっている。本来苦手な分野だが、フュージョン目線だと黒人系でも爽やかで軽快に聞けるから不思議。

 そのスジでは名バンドと知られているThe Crusadersの1979年ヒットアルバム「Street Life」。若かりしランディ・クロフォードがボーカルでヒット作となったタイトル曲がこのアルバム全てとまで言われている。ブラコンバンドで歌もテクニック満載で突っ込めるトコロが全くない完璧さだから売れて当然。今の気分はその爽やかさを求めているから聴ける自分もいい加減だが、11分以上もの大作で軽快に聞かせてしまう凄さ。歌も楽器もバランスよく流れて、ひとつのドラマが描かれている展開で、シーンの情景が変わっていく。個々の楽器の面白さもとあるから名作も納得。

 クルセイダーズのメインはトロンボーンとサックスで、ラリー・カールトンがいた頃はともかく、この時期は既に脱退してブラコン一直線だから取り立てて聞けるトコロが多くない。ジャズ的BGMで聴いてたけど、心地良いサウンドの感覚。

Donald Byrd - Blackbyrd (1973)

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 暑苦しいサウンドを出してくれるDonald Byrdの1973年の問題作「Blackbyrd」。当時ブルーノートからリリースされたアルバムでは一番の売上を誇ったから、その問題作の意味合いも分かろう。大抵コアなリスナーには問題なだけで、一般的なリスナーからは超ウェルカムなサウンドだ。売れて証明されたから似たサウンドが市場に広まっていくクロスオーバーサウンド、その先にはフュージョンへ進化していく源泉ともなった。このアルバムはフュージョンではなく、メンツを見ると後のフュージョンシーンを彩るメンツが並んでいるから関係性は自ずと測られる。ところが圧倒的な実験的ジャズ・ファンク・ソウルの融合作で、ドナルド・バードがメインでいながらこの音。

 ドナルド・バードは50年代のハードバップなトランペッターで、ジャズのペットしか吹かなかった人。それが70年代にこんなソウルやファンクの融合で、リーダー作ながらもバンドの一員みたいな存在感でペットを吹いてアンサンブルありきのアルバムになってる。即ちクロスオーバーサウンドが出来上がっていて、しかもバンドアンサンブル完璧。そんな不思議を操ったミセル兄弟の実験的なスタイルとドナルド・バードが意気投合して出来上がった異色作で新基軸の作品になった。ゴチャゴチャに入っててジャズかソウルか分からないが、ひたすら熱くて密度が異常に濃いアルバムが出来上がっている。

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