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U.S. 80s Pops

The Bangles - Different Light (1986)

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 ポップチャートを賑わせるグループでもバンドでも単なるアイドルではなく当然ミュージシャンで、狙ってそういったサウンドを編み出して奏でている。昔はポップスなどどうせ作られた曲をアイドル的に演奏したフリして歌ってるだけと高を括っていたが、日本以外はそんなまやかしが通じるものでもなく、プロが介在するものの、それはロックバンドでも何でも同じ話で、結局売れるものこそが売れる当然の理に適った作り方が売れる。そういう目線で聴けばオリジナリティ溢れるサウンドの波が80sの面白さ。

 Banglesの1986年リリースセカンド・アルバム「Different Light」はプリンス作曲提供による「Manic Monday」のスマッシュヒットが入っているが、それがプリンスの曲とはその当時そこまで気にした人は多くなかった。それ以上にバングルズのキュートでキャッチーなスタイルがウケたし、アルバム単位で聴けば他の楽曲もバングルズらしい作風が並んでいるからかなり良作に聴こえる。ただ、時代を経た今聴くと明らかにプリンスの一曲は群を抜いた出来映えでプリンスにしか聴こえない。他の曲も同様路線の作風に仕上がっているのは、バングルズの作風を認識して合わせた風味で味付けしているから。その辺りの風味を付ける個性を持っていた時点で見事。

 しかし、スザンナ・ホフスはともかく、マイケル・スティールなるベーシストがThe Runawaysのオリジナルメンバーで、その後バングルズに参加しているとは知らなかった。そうしてロックの歴史とポップスが交わるので音楽の世界も広いものでもない。事務所やレコード会社絡みで才能あるミュージシャンはチャンスを掴んでいく仕掛けもあるが、単にキュートなグループなだけでなくバンドのバングルズは曲も演奏も自身で作り上げて売れたから凄い。いつしか急速にバンドは停滞するが、エイティーズだから一時期限りの綺羅びやかなスポットライトの世界だった。こういうサウンドのルーツも不思議に思いつつも探求する事もないエイティーズ。

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