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Small Faces

Small Faces - Small Faces (1966)

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 英国の若者達はR&Bに根ざしたサウンドを目指して自ら楽器を持つようになるが、声質はやはり黒人のそれに敵う人間が限られているし、しょうがない。それでもそういう人間が何人か出てくるのが英国ロックの面白いところで、代表的なのはスティーヴ・ウィンウッドとスティーヴ・マリオット。ポール・ロジャースはちょっと違った上手さだし、ロッドも然り。ここ最近黒いの聴いていたのでちょっとそんな系統を、と思ったのでスモール・フェイセスで。

 1966年リリースのデビューアルバム「Small Faces」。この前にシングルは出ていたけどアルバム的にはコイツが最初。もっとも最近のCDでは全部一気に入っているので、お得に手に入る。1966年でしょ?かなり早い段階でこのサウンドだ。バンドのコンセプトも当然モッズそのもので、顔役=フェイセスと言うバンド名もそのままだし、小綺麗な所もロッカーとは違う。そして出てくるサウンドが何と言っても圧倒的に黒い。バックの音は黒いの好きなんだなと言う感じのコピー音だけど歌が凄くて、何だこのソウルフルな声はと思う。それがミックスされてサウンドとして出てくるから余計に魅力的。スモール・フェイセスを黒人達でカバーしたアルバムが出たらそのままになってて面白いと思う。

 ファーストアルバムと言っても、結局デッカ時代は二枚しかアルバムをリリースしてなかったのでいわゆるベスト盤にも大体の曲が入っている。冒頭の「Shake」からしてもうオーティスって感じだし、ホントに歌とコーラスを上手く使っていて、R&Bの影響力絶大ってのはよく分かる。そして歌モノもしっとりと聴かせてくれるし、ドラムの音も結構スタックス的なリバーブで面白い。クオリティが高いのは「It's Too Late」や「What'cha Gonna Do About It」とやっぱり外せない「You Need Loving」。正に「胸いっぱいの愛を」で、それと「Sha La La La Lee」も良い。

 ザ・フーほどコピーバンドを見ることはないし、そこそこ人気があると云われてもホントにど真ん中で好きな人は見たことない。実際はどうなんだろ?それなりに人気はあるし、ファンもいるけどとことん、と言う人は少ないのかもしれない。その辺がスモール・フェイセスの良いとこかもしれないが、メンバー全員がこの後有名になっているのもこのバンドの凄いところ。ロニー・レイン、ケニー・ジョーンズ、スティーヴ・マリオット、イアン・マクレガンだ。

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