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The Who #2

The Who - Live At The Monterey Pop Festival 1967

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 ジミヘンと出番をモメて見事に恥さらしにならずに済んだ、と言ったら語弊を招くが、見事に希望通りの順番に出演出来たThe Who。モンタレーでのライブの模様は実際どうだったのかと長年に渡り疑問ではあったが、DVD「Monterey Pop Festival」の3枚組がリリースされてようやくそのボーナスディスクであるディスク3にThe Whoが演奏した3曲が新たに追加され、もともと発表されていた「My Generation」のライブと併せて4曲の映像が陽の目を見た事となる。残りは「Pictures of Lily」と「Happy Jack」だけだが、これ以上はリリースされないだろうか。音だけなら恒例の4CDで全て聴けるが…。

 そのライブを見ると、何と云ってもキース・ムーンのドラミングが明らかにロジャーのボーカルを追い越しているし、ベースのジョン・エントウィッスルについては全くと言ってよいほどカメラにフォーカスされていない。音はブイブイ云っているが、全くカメラには映らないという、あからさまなまでの映像。それよりもやっぱりキース。「Subsusitute」からスティックをバンバンと自分で叩いては飛ばし、信じられないほどの手さばきで隙さえあればどこかを叩いている有り様。アメリカ受けを狙っての「Summertime Blues」もまだまだ可愛いバージョンで演奏されるけど、ここでもやっぱりキース。ピートも頑張ってるが美味しいところは全てキースが持っていくようだ。ミニロックオペラと題された「A Quick One While He's Away」では演奏ボロボロで、キメも何も合ってないなか、ピートが一人で引っ張っているが、そういうやり方ができるのもThe Whoの特性、そして勢いだけで最後まで持っていくのも凄く当時のイギリスロックバンド的。アメリカ受けするものばかりやる必要はない、と言うどこかポリシーを持ってる面白さ。そして最後の「My Generation」でも、もうキースキースキース!!凄い、凄すぎる!ピートのギター破壊も圧倒的なパフォーマンスで観客はおろか、スタッフが慌てている様子が面白い。イソイソと壊されてたまるかとばかりに機材を戻すローディの姿が映っているが、よくあれでピートに殴られなかったとも思う。ここはピートの破壊力が勝っている。しかし、最後の最後までジョンのベースは鳴り続け、そしてキース!最後にドッカーンとキック!そういえば「Summertime Blues」か何かでスネアドラムの皮が破れたのか、スネアセットごと放り投げてた。もちろん曲中なのに平気でそれが出来るキースはやはり凄い。

 ジミのセットが40分あったにもかかわらずThe Whoのセットは30分弱。それでも体面を守るためとバンドのインパクトからしたらこの出演順が正解。ジミもその分頑張って歴史を作ったし、The Whoはこれで更に躍進することになった。しかしこのイベントは凄いライブばかりで、改めて時代の凄さを感じた。

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