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パワポでつくる!ノコギリは使わない!ぶきっちょ仲間のためのDIY棚設計&制作講座

こんばんは。今回は経営の話もフリーランスの話もコピーの話も一切忘れて、僕の純然たる趣味、DIYの棚づくりについて書いて見たいと思います。

僕自身は元々、測量とかがすっごい苦手で、定規で線もまっすぐに引けないようなDIY適性が低いタイプの人間でした。そんな僕がなぜ、DIYを「純然たる趣味」と呼ぶようになったのか。

きっかけは今から3年前くらいですかね。自宅(=おくさんの実家)にある書庫の本棚が崩壊しはじめたこと。

僕はおくさんが大好きなのですが、この人、あんまり「アレがほしい」「コレやりたい」というわかりやすい意思表示しないタイプなので、ちょっとでも「ほしいものがあるんだけど」と言われると、大概、アホほどがんばってしまう(そしてほとんどの場合、「いや、そこまでやらなくても……」となる)という面倒くさい夫婦の構造がありました。

で、本棚です。

おくさんが子どもの頃から使っていた部屋で、趣味も読書なので、とにかく蔵書量が多い。文庫本、コミックス、雑誌、新書、ハードカバー、美術書、画集……と、種類もサイズも多彩すぎる。となると、壁の1面を天井ギリギリまで本棚にする……というのがベストなんですが、そんな本棚、そうそう売ってないし、売っていても20万円近くする。しかも、棚の段ごとのサイズ感はそんなに選べないので収納効率も悪い。寸法も部屋にもジャストフィットしない……ということで、早くも暗礁に乗り上げました。

じゃあ、自力でつくるか!と、すぐ一念発起したのかと言えばそうではなく、半月くらいはネットサーフィンしていたと思います。でも、結局、理想の本棚には出会えませんでした。

そこで相談したのが、世界の岩沢兄弟
僕が経営しているRockakuというコピーライター事務所オフィスデザインを2代にわたって依頼している空間デザインユニットです。

その結果、返ってきた答えが、「Rockakuさんの事務所の棚見てみなよ」でした。下にある写真が当時使っていた神楽坂のオフィスです。

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奥の壁面に収納棚が見えますよね。「この棚の構造を理解できれば、自分でもつくれるはず」と言われたわけです。いやしかし、僕は生粋のぶきっちょだぞ?と思いながらも棚の構造を見てみました。ざっくりまとめるとこんなカタチでした。

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つまり、1段ずつ好みのサイズで高さを決めてユニットをつくり、順に重ねて裏側から補強していく……コレを繰り返すだけのシンプルな構造であることが理解できました。

「お、なんだかできそうじゃん」

この軽い思い込みが後におかしな方向へと転がっていくわけですが、岩沢兄弟からオススメの木材や工具などを教えてもらい、僕は早速、愛するおくさんのために超高層本棚の制作に取りかかりました。そのとき描いた図面がこれです。因みに図面作成はパワポで1/10スケールでやってます。そうです。ぶきっちょだから定規をなるべく使わない工夫をすることにしたんです。

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で、完成したのが以下の棚です。ぶきっちょでもここまでできる!という証明にはなるかなと思ったりはします。超大変でしたけど、コレがきっかけで、棚づくりが趣味になりました。

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でも、ここまでの話だと、ただのDIY自慢になってしまうんで、ここからは具体的に参考になるTIPSやプロセスをご紹介していこうと思います。ただ、この超高層本棚についてはあんまり資料が残ってない&ちょっと大がかりすぎるので、今回は比較的ライトな、子ども用のおままごとができるキッチン風収納棚を素材にやっていきます。


(1)採寸する

DIYのメリットと言えば、やはりサイズの自由度にあります。このキッチン風収納棚も、おくさんからの以下のような依頼からサイズを決めていきました。

・リビングのソファー脇の空きスペースにぴったり収まる
・IKEAの収納ボックスを最低2つ格納できる
・絵本がしまえたらなおいい
・子どもがおままごとできる感じにできたらうれしい

上記の要件に基づき、空きスペースとIKEAの収納ボックスを採寸し、制作物のアウトラインを決めて行きました。


(2)スケッチを描く

大まかなアウトラインが決まったら、とりあえず絵を描きます。画力はそんなに必要ありません。構造が把握できる程度の絵を描いて、大外の寸法から順に書き込んでいき、必要なパーツを割り出していきます。

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(3)パーツリストをつくる

スケッチから割り出したパーツをリスト化します。ここからは定規を使わないぶきっちょなりの工夫としてパワポ1/10スケールで図面化していきます。

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(4)木取り図をつくる

「木取り図」とは、ホームセンターの工作室で木を切ってもらうための指示書です。ぶきっちょはのこぎりなど使ってはいけません。確実に寸法が狂います。ましてや棚などはそれなりに頑丈で厚みのある板を使うことが多いため、そもそも自分で切ろうなんて思わない方がいいと断言します。

まず、あらかじめつくりたいもののサイズに合う板のサイズを調べます。この棚の場合、最長の幅が800mmで、必要な厚みが15mmだったので、売場から900mm×900mmの合板をチョイスし、その板から必要なパーツを切り出すための指示書をつくって行きました。

ポイントはカットする回数をなるべく少なく収めること。なぜなら、ホームセンターの工作室では、カットの回数に合わせて課金されるからです。あと、工作機械って「切る」道具なんですけど、結局、木を「削りながら」切断してるわけで、900mmを3分割したとしても、きちんと300mm×3枚にはならないんですよ。どうしても多少の狂いは生じます。だから、カットの回数は少ない方が狂いも出にくいってことになります。

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(5)組み立てる

僕が棚などをつくる際、組み立てには下の写真に出ているクランプと電動ドライバー、あと、速乾性の木工用ボンドを使用しています。

まず、固定する面にボンドを塗ります。ヘラのようなモノで薄く、まんべんなく塗ってください。そして、クランプで垂直に固定してからビスを打っていきます。

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その要領で1段つくったら、もう1段も同じようにつくり、重ねていきます。重ねる部分にはビスが打てないので、とりあえずボンドで接着させ、クランプで固定し、下の写真のように上から重しをおいて乾燥を待ちます。

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乾燥したら、裏側に板を張り、ビスを打って補強。こうすれば、ボンドだけで固定していた部分も十分な強度が確保できるというわけです。

で、そんなこんなで完成したのがこちら。どーん。


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ここまでの解説では触れませんでしたが、キッチン感を演出するために、ホームセンターを物色して、水道の蛇口(本物)と、シンクに見立てた調理用バット、ガス台を表現する赤いスポンジゴム(おもちゃの鍋を置いても滑りにくいし)を買い足して付けています。画像12

すげえ喜んでれました。

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IKEAの収納ボックスのサイズが優先だったので子どもの身長にはジャストフィットしていませんが、そこは踏み台でカバー。まあ、すぐ背は伸びていくと思いますんで……

というわけで、パワポでつくる!ノコギリは使わない!というぶきっちょ仲間のためのDIY講座、何かの参考にしていただけたら幸いです。




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