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履歴書にのる名前

母校がなくなった。

いや、正確は名前が変わった。
もとの名前に戻り、自分が卒業したときとは違う学校名となった。
当時の校名はわずかな期間しか存在せず、
入学した時自分たちの代は7期。
学校で一桁代の期数なんてなかなかレアなんじゃないだろうか。
当時、まだ数期の卒業生しか輩出していない新しい学校で、
あらゆる事のやり方も定まっていない雰囲気があった。

名前の変更は認知されにくいもので、
普段気にするのは受験生と卒業生ぐらいだろう。
自分の関わりのないところで名前が変わっても誰も知らない。

名前からその姿が想像しやすい事は認知度を上げるには重要な事だ。
奇をてらった名前は時として印象に残る事がある。
これまでとは異なる事を表し、実情が伴うと
新しいジャンルとして覚えてもらう事ができ、
そこへの違和感は緩和されていく。
新しいものはいつも変わって見られる。
しかし、奇をてらっただけのことがなければ
よく知らない何かわからないものである。
普通でないものとして認識されてしまう。

3年生の時の授業はずっとプレハブだったし、
作業する居場所はずっと地下室だった。
ネタにしかならないそんな環境も、
記憶は前の校名と共にある。

学校名とは重いもので、卒業生は背負い続けるものとなる。
履歴書に書き続ける名前となる。

この度十数年の時を挟み、1949年開学の流れを汲み取る名称になった。
初日から桜に露がかかり、全面的に閉校となんとも
寂しい船出だが、長い軌跡の延長をこれからも邁進してほしい。

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