玉頭に手裏剣(焦点の歩)が飛んできた
王手に応じることは絶対だったが
選択肢が多すぎることは人間にとって
喜ばしいことではなかった
金で取れば玉の腹が空く
玉で取ればコビンが空く
端に寄れば金が浮く
端に上がれば端攻めが来る
下段に落ちれば玉が狭い
そのどれもが危険で
勝ち筋につながる手は一つだけ
私は持ち時間を投入し
慎重に読みを入れた
(感覚が正しいこともあればそこに落とし穴があることもある)
(直感は正しかったのに)
熟考の末に指した手は悪手だった
何も読まなかったら
間違いなく
私が勝っていたのだが
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