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【歌集】揚げ豆腐

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クジラうえ リクエストした 水族館 マダイが歌う スローバラード
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#短歌

ブラック・ボックス

 内環まで行き過ぎて再び戻った。補修工事の網に覆われて建物が見えにくくなっていたのだ。ピ…

ロボモフ
1年前
2

自転車に冷たい

九条まで行くしかないの月曜日 心斎橋も300 歩行者が横一列になって行く友情は三休橋筋に …

ロボモフ
2年前
5

真冬の300

堺筋逆走自転車が多いどこまで行くの300 125円のしみも消え去ったランチタイムも300 …

ロボモフ
2年前
8

シンガポール・スリリング

 メニューというより百科事典のようだった。 「なかなかのもんでしょう」 「ええ」 「1500以…

ロボモフ
2年前
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【短歌】フリースタイル

羊来ぬ真夜中ならば連ねたいフリースタイル詩歌の叫び (折句「暇つぶし」短歌) 愛情をヘイ…

ロボモフ
3年前
10

【短歌】ハニーハニー

笑むまでは土下座をしよう終電に 靴音立てて去ると言うから (折句「江戸仕草」短歌) かくも…

ロボモフ
3年前
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盗まれたディナー

 一口だけちょうだいと姉ちゃんが近寄ってくる。あまりお腹は空いていないと言う。一口食べてこれは美味いねと言う。 「なのでもう一口」  自分でもう1つ作って食べればいいのに、決してそんなことはしない。  そう言えばわたし朝から何も食べていなかった。 「だからもう一口」  一口の定義は未だ発見されていない。  あんた優しいから。 「じゃあもう一口」  もう一口、これで本当に最後ね。 「はい、どうぞ」  帰ってきたディナーを一口食べるともう底が見えている。  王様のカップヌードル

【短歌】みえすぎた炎

占いに頼れなかった一着は 屏風に秘めた虎の一着 (折句「うたいびと」短歌) 炎上を謳歌する…

ロボモフ
3年前
10

【短歌】生まれつつあるカテゴリ

カテゴリーガイダンスには見つからぬ インドアと博士のひまつぶし (折句「鏡石」短歌) ・ …

ロボモフ
3年前
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【短歌】先生の仮定世界

明らかな死を携えて踏み出した ライブ僕らは一行の歌 (折句「アジフライ」短歌) ・ 看板に…

ロボモフ
3年前
9

【短歌】なんぼのもんじゃ

空耳は恋しい人よカテゴリに 詩歌を探しコーヒータイム (折句「そこかしこ」短歌) ・ 書き…

ロボモフ
3年前
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【短歌】つれないカテゴリのうた

創作に今夜届かぬカテゴリー しゃあないですわコンソメスープ (折句「そこかしこ」短歌) 片…

ロボモフ
3年前
7

【短歌】創作の時(恋の深読み)

想像が古今東西駆けて行く詩作はいつも恋のはじまり 創作の航海に発つ海賊の私欲が消えてコバ…

ロボモフ
3年前
8

【短歌】大先生とコンパニオン

脈のある捜査機関に晒されて さよならをする一介の秘書 (折句「ミソサザイ」短歌) 反映となぜの間を見つめても 透き通らない君のカテゴリ (折句「ハナミズキ」短歌) 優待と期待が躍る表層で 世を欺いた打ち消し表示 (折句「ユキヒョウ」短歌) 宴会はコンパニオンを間に置いて 深める仲間たちの友情 (折句「エゴマ豚」短歌) 演じ合う年越しそばのしきたりを 繰り返し千歳の新年 (折句「江戸仕草」短歌) 語り出す仮定のはなし未来形 いつか私が死ぬまでのこと (折句「鏡石」短歌