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2022年10月の記事一覧
ライン虫(夜明けの詩)
悪夢から醒めた時、太陽はなく真っ暗な倉庫の中だった。交信はなく、さほど空腹でもなかった。覚えがないというだけで、きっと長い罰の中にいるのだろう。闇を見続けている内に、徐々に目が慣れてきた。
「思ったほどじゃない」
来た瞬間はそう思えただけだった。真っ暗でもなければ、倉庫でもないのかもしれない。あらゆるものに輪郭があることがわかると、生きている世界に手触りがあるように思えた。少し歩き回る内に
悪夢から醒めた時、太陽はなく真っ暗な倉庫の中だった。交信はなく、さほど空腹でもなかった。覚えがないというだけで、きっと長い罰の中にいるのだろう。闇を見続けている内に、徐々に目が慣れてきた。
「思ったほどじゃない」
来た瞬間はそう思えただけだった。真っ暗でもなければ、倉庫でもないのかもしれない。あらゆるものに輪郭があることがわかると、生きている世界に手触りがあるように思えた。少し歩き回る内に