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【詩集】忘れ物がかり

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忘れた頃に詩を書いています
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#多様性

あの猫をみよ

1秒1秒 変わっていると知らされれば 穏やかではいられない 昨日と今日 私は確実に違う そ…

ロボモフ
3年前
10

素晴らしき秋

おー秋よ おー素晴らしき秋 それらしきものはなくても どこまでも歩きたくなる 薪を割ってよ…

ロボモフ
3年前
10

スイッチがない

天井の明かりが消えない リモコンが利かない 強く押しても近づけてみても駄目 電池を交換して…

ロボモフ
3年前
5

マッチアップ、猫

猫が歩き、止まり、隠れ、 にらみ、見上げ、ひっくり返り、 背を丸め、目を伏せ、尾を伸ばし、…

ロボモフ
3年前
8

星の住民

チキンを食べている時の僕の気持ちと 猫の気持ちはどれくらい同じなの 道を走っている時の僕…

ロボモフ
3年前
10

五円玉拾いますか

姉が子犬を拾ってきた まだ子供の僕たちと 作りかけの家と一緒に 犬は大きくなっていった い…

ロボモフ
3年前
7

ヘヴィメタル(それがいい)

「根を詰めすぎるとよくないよ」  その忠告は正しいものだ。だけど詰めなければ隙間が空いて余計なものが入り込んでくる。お腹が空きすぎて痛くなったこと。友達が笑いながら裏切ったこと。古書の匂いが奪われたこと。3月の終わりに引き裂かれたこと。コーヒーカップがあふれたこと。邪魔者扱いされたこと。濁った現実と忌まわしい記憶が、呪いのように押し寄せてくることをとめられない。 「根を詰めるのはよくない」(それは何に対して……?)  その正しさは揺るがないものか……。  不意に戻ってきた

異分子の訪れ

 子供の頃、僕は強い人でありたかった。人前で弱いところをみせるのは絶対に許せなかった。(…

ロボモフ
3年前
7

ごめんなさい(小説が読めない)

いつからだろう 小説が読めない 設定につまずく 人の名前が覚えられない 筋書きが入ってこな…

ロボモフ
4年前
11

離れワーク(あとがきに続く)

 誰もいなくなったマンガルームでコミックを1から順に並べ直す。もしも最後の数が最終巻なら…

ロボモフ
4年前
7

A案の消滅

( )でいいですか? 「どちらでもいい」 そう言ったあと あなたはB案も示し 通例ではB案…

ロボモフ
4年前
9

人間レンズ(君を通していつかのおばあさんを見ていた)

「ブラックでよろしかったですか」 彼女は一瞬不安げな目をして僕を見た 「入れておいてくださ…

ロボモフ
4年前
10

もうええわ(シンプル・ライフ)

「もうええわ」 母はそう言って 特別な装飾をしなくなった 「もうええわ」 傘を閉じた。雨は…

ロボモフ
4年前
8

推定迷子

自動ドアが開いて猫が入ってきた 白とオレンジの細い猫だった まっすぐこちらをみた 屋敷の奥まで入られては一大事だ 即刻退場を命じる 普通の言い方では通じない 猫の嫌いなあらゆる言葉を投げつけた 威圧的な擬声語をあびせかけた 猫はこちらの存在を あまり気にかけていない様子だった 上がり框を越えてくることもなかった しばらく様子をみて 猫なりに納得して帰っていった 見慣れぬ猫だった きっと迷子だ #人それぞれ #迷子 #詩 #エッセイ #日記 #多様性 #見慣れぬ