EVERGLOWのMVは「アンチヒロイックな女の子」の群像劇【前編】
EVERGLOW(エバーグロー)というKPOPアイドルをご存知ですか?2019年デビューの韓国人5人・中国人1人という構成のガールズグループです。オーディション番組で人気のあったメンバーが入っていることもありますが、それを抜きにしても素晴らしいビジュアル、高クオリティなパフォーマンス、独特な尖っていて強めなコンセプトが人気となり、大手の事務所ではないものの早期に音楽番組で1位を獲得して順調に人気を伸ばしてきました。しかしながら最新曲から空白期が2年に突入しそうで心配しておりまして、カムバックをしたら出そうかな~と温めておいたこの記事を祈りを込めて放出することにしました。頼む…エバグロカムバックしてくれ…!!
そんな彼女たちは現在タイトル曲を6曲出しているのですが、そのMVがどれも素晴らしくて、何度も観ていく内に「あ、正統派の正義の味方ではないんだろうな。いわゆるアンチヒロインというやつなんだろうな」と、じわりと感じるんです。悪さはするけど性根はいい奴で憎めない可愛いこちゃん。でもやっぱ悪いよね君たち???という感じがするんです。
この記事では、発表順にMVを紹介しながら、それらに登場している悪役像、世界観をお話していきたいと思います。MV考察のようなものですが、オタクの妄想の範囲を出ませんのであしからず。ただ、個人的には考えるのはめちゃくちゃ楽しかったので共有させてください!
エバグロメンバーのここがポイント
メンバーをよく知らなくても記事は楽しめますが、一応MV紹介前に私が個人的に各メンバーのツボなポイントを紹介します。他にもここが!というポイントがありましたらコメントしていただけるとありがたいです。
ミア…メインボーカルで歌割の多いミア。歌唱力もさることながら表情管理がすごくいいです!視線の動かし方がアイドルの中でもTOPクラスなので是非注目してください。LADIDAのサビの視線外しは見ないと損。
イユ…メインラッパー。癖になる高めの声質です。かわいめの声の子がゴリゴリにラップしているのが好みなので個人的にドストライクです。金髪から黒髪になったときの覚醒具合はやばい。
アシャ…とにかく背が高くて足が長い!(174cm)一番ワルっぽいビジュアルの持ち主。化粧によって顔が結構変わるのが面白い。低めの歌声とラップが曲のアクセントになっています。
シヒョン…現リーダー(デビュー当初はイユ)。プデュ48当時はシヒョンを応援していました。デビューしてくれてありがとう…他のメンバーよりも柔和な美しさで攻撃的なビジュアルをマイルドにしてくれている感じがします。正統派美人。
イロン…激かわチャイナ娘。声まで可愛い。サビ一発目やラスサビで振付が変わるときなどの節目によくセンターになってるイメージ。曲の要にバチッとパフォーマンスを決めてくれます。
オンダ…デビュー曲以降あまり歌割に恵まれていないイメージ。なぜなんだ…その分パフォーマンスで見せ場を作ろうと頑張っています。特にFIRSTの冒頭でみせる女子アイドルらしからぬ表情は必見です!あと派手髪担当。もっとパートをおくれ?新曲が出るたびにパートがあるかドキドキしてます。
前置きはこの辺にして、それではエバグロの物語を始めましょう。
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①「Bon Bon Chocolat」=H.I.V.E.への入学、結託してカーストTOPになる話
センセーショナルなイントロから始まる「Bon Bon Chocolat」。デビュー曲にふさわしい勢いのある曲です!ボンボンショコラなのに全然甘くねーな!と当時は思いましたが、まぁあまりこういう曲に深い意味を考えてはいけないかとぐっと飲み込んだ記憶があります。
この記事を書こうと思ったきっかけは最新曲なのですが、そのタイミングで改めてこのMVを観たときに、「学校」っぽいところに引っかかったんです。なんで学校の要素を絡ませたんだろうと。そこで私の脳みその奥底から、「悪い子×学校=H.I.V.E.」という方程式が導き出されたのでした。
HYBEじゃなくてH.I.V.E.
H.I.V.E.はBTSの事務所のHYBEのことではなく、バットマンの相棒ロビンが率いるヒーローチームのアメコミ「ティーンタイタンズ」などのDCコミックスに登場する犯罪者養成組織のことです。いわゆるワルの学校!ここの卒業生が単独あるいはチームを結成して悪さをしてヒーローに対峙していくんです。
MVに登場する机や椅子の小道具や、学校の廊下、体育館のようなセットがフレッシュなティーンを想像する反面、着崩した制服ファッションやギラギラな私服、車で通学してる姿は絶対に品行方正の逆を行くスクールライフを楽しんでいるんだろうな~と思います。ここまで考えるとボンボンショコラで可愛くアルコール摂取してるJKかもしれん。ワルだ…(偏見)でもメイクは最近と比べるとずっと可愛らしいのでまだワルになり切れてないんだろうな~とか思ったり。好…
ウチら最強なんで。と才能と悪名を学内でとどろかせるJKエバグロ。それがこのMVなんだと思います。そう考えるとここからどんなワルになっていくか楽しみになりますよね!
②「Adios」=H.I.V.E.卒業、世界征服への旅立ち
エバグロは初めてのカムバ曲でいきなり「さよなら」と言いましたとさ。
メインのリズムは結構Yo!Ho!な海賊的雰囲気なんですけど、映像には1mlも水は出てきません。この曲以降、タイトル曲のパフォーマンスにダンサーが登場してきてフォーメーションが非常にリッチになります。仮面ライダーのショッカーの如く戦闘員を従えていると考えるとワル度が加速します。
制服と征服、さよならの三段活用
「Bon Bon Chocolat」の制服とは打って変わってかっちり身なりを整えたエバグロ。前作より成熟した感じがします。冒頭から着ている白い制服は、TPO的に考えるとフォーマルなイベントで着用するものではと想像できます。つまり卒業式…!
制服じゃない服はドレスアップな感じの衣装なので、卒業式後のパーティの為の一張羅にも見えます。ミアは普通のパンツルックですが、「着飾らずにいつも通りでええねん」感が出てて良い。
そしてサビで待望の外です!H.I.V.E.の建物事情はよくわかりませんが、こういう組織の施設って地下に作りがちだから、卒業して地上に出たと考えるとすごくすっきりします。映画のバイオ3の冒頭の実験施設のような感じ。歌詞に何度も登場する「goodbye au revoir adios」はさようならを英語・フランス語・スペイン語の3か国語で歌っています。その他にも別れの言葉はたくさん入っていて、それらは様々な思いを別れの言葉に乗せて消し去ってしまいたいという気持ちの表れのなのではないか思います。親や友人に別れを告げて悪党(MV抜きで考えると大衆受けしない音楽ジャンルへの挑戦など)になることを心に決め、元いたコミュニティから去るような…そんな印象を受けます。
そして地上に放たれたエバグロが、世界を征服していく準備フェーズに入ったのだと感じました。制服が軍服っぽいのも征服にかかっていたら面白いって思ったけど、ハングルだとかかってる感は皆無だったので、日本人だから楽しめる言葉遊びだと思うことにしました。
③「DUN DUN」=エバグロ信者集まれ~!ようこそアジトへ!
太鼓を叩くような特徴的な振付が特徴。ノリノリでいい曲なんだけどオンダのパートが合いの手しかなくて悲C…オンダがなにしたってんだ…歌詞に何度も登場するYou’re so doneは英語ビギナーにとっては何とも言い難いスラングですが、「出来上がり」「お前はもうおしまい」「用済み」のような意味合いらしいです。とりあえず強い言葉なのは間違いないですね。「あんたもうおしまいだよ、ウチらにハマったってことなんだからもう逃げられないし逃がさないよ」な歌。それがDUNDUN。
悪党の本拠地、北極の氷の下に作られがち
アディオスでH.I.V.E.とバイバイしたあと、世界各地で様々な悪事を働いたエバグロは潤沢な資金を得て遂に北極の氷の下に自分たちのアジトを作るのであった…と妄想。映画のバイオ5とか、海外アニメ「KNDハチャメチャ大作戦」の北極基地とか、重要な拠点は北極の氷の下に作りがち。手下も順調に増やしてメンバーがそれぞれ手下を従えてる感もありますよね。旗とか持っちゃってさ。
(この手下たちエバグロにハマった人々の象徴では??)
しかし最後はアジトから飛び立っちゃうイロン。なぜ。
定住するの向いてないしまだまだ征服したりねーな!と思ったか、流星群でアジトが粉微塵になったか、ヒーローが拠点をぶっ潰しに来たからやられる前にずらかったのかわかりませんが、安寧することなく突き進むことを決めたようです。物語に終わりはありません。なんてったってEVERにGLOWするので…ここまではどっちかというと完全に悪そのものですが、次のLADIDAから雰囲気があまりにもガラッと変わってヒロイン感が出てくるのでここで一旦終わらせて、続きは後編でまとめます。そちらも読んでいただけたら嬉しいです!
ではでは
⇓後編はこちら⇓
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