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入院も観光気分で

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旅を続けるには健康でなければならない。病気には縁がなかった私もサンパウロで入院するはめになる。夏になっても咳が止まらず、風邪でもこじらせたのかと思っていたが、心不全、不整脈と言うことでサンパウロの救急病棟に運ばれ問診を受けることになった。診察室に運ばれ7,8名の医師に囲まれた後、あっという間に入院手続きがすすむ。心臓に負担をかけていたのだろう。2週間ほど入院することになる。サンパウロではユダヤ系のAlbert Einstein病院と アラブ系の“Sirio-Libanes“病院が医療の技術革新をきそっている。両病院はサンパウロで人気を二分する有名な病院で、どちらも最新鋭の機器や技術を誇る。シリオ-レバネス病院は、ルセフ現大統領や元大統領ルーラがかかっている病院だから安心しろと。
私が運ばれたのはアラブ系のレバノン病院だった。看護をする人は全て男性、事務所には女性の部長がてきぱきと仕事を進めている。看護婦さんは女性ではないのか。これはこれで、今回の場合は心拍数が今以上にあがる心配がない。注射も食事も下着の交換も全て男の仕事だ。時折、ボスらしい女性がご機嫌を伺いに来る。 4日が経過したころ、看護師のマルコス君が食事は口に合うかと聞いてきた。困らせてやるために半分冗談で、”味噌汁が飲みたい。日本人は味噌汁を飲むと元気になる“。といった。二日後、驚いたことに味噌汁が一品添えられていた。マルコス君が日系四世の友人に味噌汁のことをきいてくれたそうだ。塩分が高く けっして 食の基準は満たしてそうでなかったが、そんな手配に元気づけられたのも確かだ。

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カロリー、栄養で出来上がったメニューは決して美味いとはいえない。病院内では他に食するものが無いので、旅の途中で倒れるわけはいかないので、白米と味噌汁で元気を出していた。この年になると、生活習慣病に注意せよといわれる。生活習慣病、いったい何時からいわれているのだろう。みんなに“少し太ったねと、いや痩せたのでは、どこか悪いところでもあるの?“太らないように”。挨拶は天気の話ではなく、太ったかどうかに変わってしまった。しかし、私には無理。胃袋が既に肥大し頭が“少し”では満足してくれない。私には克服するには覚悟がいる。

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