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【第1座】じんせい、山あり谷あり|山と人生考

「山登りと人生って、同じすぎる」という腹落ちのもと、登山に目覚めたロバート下北沢の李せんみが、様々な山に登りながら人生についてあれこれを考えていく連載です。


これまでの人生、山は眺めるものだった。

都会に暮らしていると、うっすら遠くに見える山。遠出をするとその距離が近くなり、都会から離れたことを知らせてくれる存在。山の見分けなんてつくはずもなく、富士山だけは気高くそびえ立っていて、お目にかかれるとテンションがあがるもの。
わたしの山に対する解像度は、その程度だった。

しかしある日突然、山に登りたい衝動に駆られた。
毎日朝から晩まで、寝るとき以外はパソコンかスマホに目が釘付け。土日はウーバーイーツを頼みながらNetflixで時間をやり過ごす。
そんな、現代人の量産型のような生活を送ってきていたのに。

一度「山に登りたい!!!!!!」という感情に支配されると、それ以外考えられなくなる禁断症状のような状態に陥り、焦燥感に駆られるまま山を登るのに必要な道具を揃えていた。
必要最低限の道具であるザック(25L)と登山靴を石井スポーツで購入。服装は、ランニングをはじめようと買ったけど、タンスの肥やしに成り果てていたユニクロのスポーツウェアで代用。(まさか役に立つ時が来るとは。)

2021年6月、わたしは高尾山に登っていた。
標高は599mで首都圏からアクセスもしやすい高尾山は、初心者にはもってこいの山。

初心者から中級者までが楽しめるいろんなコースがある中で、緑と沢が豊かな6号路を選んだ。汗だくになりながら登っていたわたしは、ぐるぐるとあることを考えていた。

「山登りと人生っておなじすぎる。。。」

登りはしんどいし、登ってる時は足元しか見ていない。自分がどれくらい登っているのかもわからずに、ただただ歩を進めていく。でも、ふとひらけたところに出ると目の前に広がるのは絶景。「気づけばこんな高いところまで登ってきたのか…」と、思うのは人生もおなじ。

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学校生活では文化部所属、社会人になってからは気休めにヨガをする程度の運動履歴のわたしは、歩くのも遅く、人に追い抜かれるのが常だった。しかし、そこで焦って人にスピードを合わせてしまうとすぐにバテてしまう。遅かろうが、まわりに惑わされずに自分のペースを守りながら一歩一歩進んでいく方が、結果的に山頂にはやく着くことも。これも人生とおなじ。

山に登るたびに人生との共通点を見出していき、山に学ぶことが多くなっていった。

登っている最中は、(なんでこんなしんどいことをやってるんや??)と自分を呪うけれど、下山するとあら不思議。(また登りたい!!!)という気持ちが湧き上がってくる。

高尾山に登った日を皮切りに、わたしは登山にのめり込んでいった。

日本にはたくさんの山があった。ゴツゴツしたカッコいい岩山、生存権を常に握られるような険しい山、植物が美しくお花畑が広がる山。
ビルだらけの都会じゃない土地の方が、はるかに大きかった。

自分の生活に飽き飽きしていたのに、山に出会った途端にぐーっと世界がひろがっていった。

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この連載では、いろんな山に登りながら考えたあれこれや、山と照らし合わせた人生考について書いていく予定です。

次回は「尾瀬」を歩いた2泊3日のテント泊山行についてお届けします!

ロバート下北沢「登山部」発足予定!
不思議と、ロバート下北沢の中の人たちに山を登る人が多かったりするので、思い切ってロバート下北沢の「登山部」を立ち上げることになりました! ロバート下北沢の会員さんや、ロバート下北沢と登山に興味のある人など、ひろく大歓迎です◎
入部希望の方は、こちらから必要事項をご回答お願いします!

(文/李生美)

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