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9.スタジアムと"防災"

はじめに


今回は少し視点を変えて、「スタジアムと防災」について。

希望あるテーマではありませんが、これも考えていくべきポイントとなるでしょう。

熊本地震におけるスタジアム

熊本県民にとって、誰もが苦い記憶として残っているであろう熊本地震
二夜連続の、激しく長い長い揺れ。
(個人的には、映画の日本沈没の様な事が始まるのでは⁉︎…とも。)

それからの出来事についても、多くの人々が不便な生活を余儀なくされたのでは無いでしょうか。

月日とともに元の生活を取り戻し
「もう地震は大丈夫」との思いもよぎる中
先日(R4/1/22)の日向灘沖地震

忘れていたあの頃の記憶が甦り、寝付けない人も居たと思います。少なくとも私は...

熊本地震発生後は、うまかな・よかなスタジアム(現:えがお健康スタジアム)は、損傷が見つかり、安全性が確認できない事等から、しばらくロアッソのホームゲームの開催できませんでした。

また、スタジアムが使用出来ない別の理由として、震災後の支援物資対策本部としての役割を担っていたという事があります。全国から支援物資が届いていましたが、それを集約して行き届かせる為には、巨大なスペースでの管理が必要であったようです。幹線道路沿いで自動車輸送に適していた事もあったかもしれません。

また、大型駐車場では、余震に伴う居住地の倒壊を恐れて、車中泊を選択する被災者も多くいました。各所の大型駐車場を有する運動公園でも、車中泊者が居たと思います。益城町の運動公園では、ピッチのスペースを利用してテント泊も設置されていました。

熊本地震では、スタジアム内は避難所として活用はできませんでした。しかし、日本サッカー協会会長の田嶋氏(苓北町出身)が、被災地を訪問した際に「雨風を凌げる様なスタジアムがあれば、避難所としても活用できるのでは」といった趣旨の事を言及されていたと思います。
(うる覚えで定かでありませんが…)

各所のスタジアム


サンガスタジアムby京セラ
・100年に一度の水害にも耐えうる立地
・帰宅困難者受け入れの機能
・防災物資備蓄庫
・自家発電機能     etc

雑感

大規模な地震の場合は、車中泊を想定し、長期間使用できる大型駐車場も防災拠点の1つになると思います。
また、避難所では雨風を凌げる巨大なスペースが必要となる為、スタジアムが一役を担う事も可能となるのではないでしょうか。例えば、屋根に覆われたスタンドだけでなく、海外スタジアムのように広いラウンジスペースや、屋外と仕切られたコンコース等、避難所としての活用を想定された設計であれば望ましい様に思います。

また、比較的可能性の高いケースとして、天候不順などが原因で鉄道や空港が運休となる事があります。駅や空港周辺にスタジアムがあれば、帰宅困難者の受け入れ機能も果たせるのではないでしょうか。(ホテルも併設されていれば尚良いですね。)

また、既に備蓄庫はあると思いますが、備蓄庫も分散されている方が、様々なリスクへの備えとしては良いのかもしれません。

数年前、大雨で日産スタジアムが水没したニュースがありました。詳細は把握していませんが、スタジアムを防災拠点とする為には、災害リスクも加味した立地である必要がありますね。

また、震災後全国各地からのボランティアの方々が駆けつけ、各自治体ごとにボランティアセンターが開設されました。周辺地域の施設状況によっては、スタジアムが受け皿となり得るかもしれません。

この様に、スタジアムの立地や機能によっては、非常時での活用が望めると思います。

地震や水害など、様々な経験をしてきた熊本。
新スタジアム建設となれば、その経験を活かせる形が望ましいですね。

災害対策として、エビデンスに基づいたリスク管理は重要ですが、想定外の災害が増えている様に感じます。
「一度あったから、しばらく起こらない」という保証は無いと思います。"災害が起こる"事を想定した備えは必要なのかもしれません。

非常時に多くの住民の命や生活を守る為に、防災拠点としてのスタジアムづくりも重要になりますね。

最後まで読んで頂き、ありがとうございました🙇‍♂️


多くの方の目に留まり
熊本に「新スタジアム建設(球技専用)!」の議論のきっかけとなればと思います。







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