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築地市場の名残!路線バス専用の不思議な右折通行区分

街ナカで見つけた不思議な通行区分標識がある。東京都中央区、築地市場跡の脇を走る新大橋通りに、左折、直進、右折の通行帯を指し示すオーバーヘッド型の大型規制標識があるのだが、一番左の通行帯に路線バス専用の右折通行区分があるのだ。

一番左の通行帯からの右折はとても危険!?

運転免許を持っている読者なら常識であると思うが、右折は一番右の通行帯から行うのが普通で、そうでないと右折時に後続の車と衝突する可能性があり、とても危険である。どうしてこのような表示が行われているのであろうか。

キャプチャ2場所: 東京都中央区 新大橋通り

築地中央市場に乗り入れていた路線バス専用の通行帯

実は、この標識は、この先の「中央市場前」交差点から築地市場正門を潜って築地市場に乗り入れていた都バス「市01」の名残である。上の写真では、オーバーハング型規制標識と、その先の信号「中央市場前」交差点の間にちょうど都バスが止まっている場所が「築地市場正門前」(現在は「国立がん研究センター前」に改名)であり、交差点の直前にバス停があるため、その場所から右折レーンに行けないためにこのような処置となっていた。

築地市場は2018年10月に豊洲に移転して、現在は更地となっている。当時の様子を取材した記事から、様子が伺える。

都バス「市01」のその後

当時の「築地市場正門前」バス停の次が「築地中央市場」であり、右折して市場構内に入ることになる (以下は当時のアーカイブから)。この路線バス「市01」は、当時は新橋駅を出発して築地市場と往復する2.5kmの路線だった。

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ちなみに、現在も路線バス「市01」は継続されており、豊洲市場に移転した後は、新橋駅を出発して築地市場の前を通り、豊洲市場との間を往復する路線に変更になった。運行距離も約2倍以上となった (現在の路線バス「市01」のページより。「国立がん研究センター前」が築地市場跡に相当するバス停)。

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ちなみに、「中央市場前」交差点では右折矢印信号があるため、実際には危険な右折をする必要はなく、路線バスは一旦「築地市場正門前」バス停に停車し、「中央市場前」交差点の信号が右折矢印になるのを見計らって発進して一番左の通行帯から右折をする、という運用をしていたようである。

現在もこの交差点での右折レーンや標識は残っているが、右折した先は白い工事用の柵に塞がれており、工事用車両のみが使うレーンとなっている。路線バス専用の一番左の通行帯からの右折も現在は行われておらず、この路線バス専用の右折通行帯標識も、早晩撤去されてしまうだろう。

画像4場所: 東京都中央区中央市場前交差点 現在の築地市場正門前


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