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歩行者専用の「特定禁止区間 (区域)」とは?

(325の4)「歩行者専用」の規制には、補助標識に「特定禁止区間 (区域)」と書いてあることがある。これが書いてあるとどういう意味なのか、この記事では解説する。


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歩行者専用規制標識には様々な補助標識が付く

(325の4)「歩行者専用」の規制は、本標識のみが設置される場合もあるが、多くの場合は補助標識がついて、様々な条件を設定している。例えば以下のとおりである。

● 規制する日時、曜日、時間等の指定
● 規制対象車両の指定 (~に限る、~を除く、軽車両や自転車が除かれることが多い)
● 歩行者専用道路
● 特定禁止区間 (区域)

補助標識に書かれていなくても「指定車・許可車」が除外される

また、(325の4)「歩行者専用」の規制は補助標識に何も書いていなくても、「指定車・許可車を除く」という記載があるのと同じ状態となっている。歩行者専用のほかにもいくつかの通行止め規制から指定車・許可車は除外される。

除外される通行禁止規制
出典: 警視庁ホームページ

「指定車・許可車」とは、電気・ガス・水道・電話・鉄道の緊急工事車両、報道機関の緊急取材車両、歩行困難者の輸送車、国や地方自治体が保有する公益上必要な業務を行う車両、各種法律に基づく調査・監査に使用する車両などである。

詳しくはこちらのページを参照されたい。

つまり、簡単に言うと、(325の4)「歩行者専用」の規制が掛かっていても、車両が100%通らない保証はなく、特殊な業務の車両や通行禁止除外標章を持つ車両は通行する可能性がある

東京都内の生活道路でよく見る歩行者専用の規制。これはスクールゾーンで平日の登下校の時間に限り規制したり、商店街の混雑時間帯に限り規制したりしている場合が多い。「自転車を除く」の補助標識がついているので、自転車は通行できる。
神奈川県で多く見られるパターン。規制時間帯のみが記載されており自転車は除かれていないため、自転車は通行できない。ただし指定車・許可車は12時~20時は除外される。(車両進入禁止には除外規定がないため、こちらの向きからは車両は100%進入できない。)
東京都台東区浅草の仲見世通りにある2種類の歩行者専用規制。自転車や人力車は除かれているが、いずれも指定車・許可車も除外される。
遊歩道に設置されている歩行者専用の規制標識。道路の構造上、事実上車両は通りにくいのだが、規制の意味上は指定車・許可車は除かれている。(後述の「歩行者専用道路」にあたる可能性も。)
こちらも細い歩行者道路に設置されており、道路の構造上車両は通行できないが、規制の意味上は指定車・許可車は除かれている。(後述の「歩行者専用道路」にあたる可能性も。)

特定禁止区間 (区域)の意味

(325の4)「歩行者専用」の規制に「特定禁止区間(区域)」の補助標識板が付いている場合は、「指定車・許可車」も除外されなくなる。もちろん自転車も軽車両も通行できない。つまり、100%車両が通らなくなるのである。「特定禁止区間(区域)」は、歩行者天国や商店街のモール・アーケード等に付加されている事が多い。いかなる緊急車両も入れずに完全に歩行者天国にしたい場合はこの指定をする。

東京都秋葉原の歩行者天国の規制標識。「特定禁止区間」の文字が見える。中央通りの特定の区間が規制される。
東京都銀座の歩行者天国の規制標識。「特定禁止区域」の文字が見える。中央通りの特定の区間とそれに接続する道路を含む区域が規制される。
東京都新宿の歩行者天国の規制標識。「特定禁止区域」の文字が見える。新宿通りの特定の区間とそれに接続する道路を含む区域が規制される。

「歩行者専用道路」とわざわざついている場合は?

それでは補助標識に「歩行者専用道路」とだけ書かれている場合はどうだろうか。実は、(325の4)「歩行者専用」の標識が設置されるケースは、① 道路交通法を根拠として都道府県公安委員会による「歩行者専用」の規制と、② 道路法を根拠として道路管理者による「歩行者専用道路」の指定の2通り存在する。

以下は、②の根拠となる条文である。

第四十八条の十三
 道路管理者は、交通の安全と円滑を図るために必要があると認めるときは、まだ供用の開始がない道路又は道路の部分について、区間を定めて、もつぱら歩行者の一般交通の用に供する道路又は道路の部分 (=歩行者専用道路) を指定することができる。

出典: 道路法

つまり、「歩行者用道路」という補助標識がある場合は、この標識は公安委員会でなく道路管理者が設置していることになる。

公安委員会が規制する「歩行者専用」は、あくまでも車両が通行する道路を歩行者のみが通れるように規制しているのに対し、道路管理者が指定する「歩行者専用道路」は、最初から歩行者向けに作った道路である。

大阪市の心斎橋筋商店街に設置されている「歩行者専用道路」の標識。道路法における「歩行者専用道路」を表すために設置されているものと思われる。ただし、この道路を見ると車両の駐車禁止の規制標識も見られるため、「指定車・許可車の除外規定」は想定しているものと思われる。
東京都千代田区の神田ふれあい橋の前に設置されている「歩行者専用」標識。この橋は階段もあり構造的に自転車や二輪車以外の車両が通れないので、「歩行者専用道路」という意味だと思われる。

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