小規模事業者持続化補助金を活用するための公募要領のポイント①
行政は中小企業の活性化を支援するために様々な補助金を用意していますが、各補助金には申請前に知っておくべきルールがあります。それをまとめたものが公募要領であり、各補助金に対応した公募要領が公表されています。
当然、小規模事業者持続化補助金にも公募要領がありますが、令和元年度補正予算・令和 3 年度補正予算の小規模事業者持続化補助金について、第10回受付締切分以降に対応した第5版が2022年10月3日に公開されました。
公募要領は、なかなか読みづらい側面もあり、しっかり読み込まないまま当補助金を申請した結果、不採択になってしまったり、採択されても申請を取り下げざるを得なくなる事業者も相当数にのぼる印象があります。
そこで今回の記事から、公募要領に対する苦手意識を小さくするために、令和元年度補正予算・令和 3 年度補正予算の小規模事業者持続化補助金第10回目受付締切分以降に対応した公募要領のポイントを解説し、内容を紐解いていきます。
1. 小規模事業者持続化補助金を活用するための公募要領のポイント
小規模事業者持続化補助金を活用するための公募要領のポイント(1)補助上限額と補助率
令和元年度補正予算・令和 3 年度補正予算の小規模事業者持続化補助金における「一般型」には通常枠よりも補助上限額の大きい特別枠があり、それぞれの補助上限額は以下となっています。
【通常枠】50万円
【賃金引上げ枠】200万円
【卒業枠】200万円
【後継者支援枠】200万円
【創業枠】200万円
【インボイス枠】100万円
また、当補助金は販路開拓等の取組に要する費用の3分の2を補助しますが、前期が赤字だった事業者が【賃金引上げ枠】を使う場合のみ4分の3が補助されることになっています。つまり、補助上限額を得るために、補助対象経費として最低限出費をしなければならない額は以下となります。
【通常枠】75万円
【賃金引上げ枠】黒字事業者:300万円、赤字事業者:約267万円
【卒業枠】300万円
【後継者支援枠】300万円
【創業枠】300万円
【インボイス枠】150万円
小規模事業者持続化補助金を活用するための公募要領のポイント(2)対象経費
前述の通り、当補助金は販路開拓等の取組に要した費用を対象としていますが、販路開拓に使った費用であれば何でも補助対象となるわけではなく、以下の11項目が対象となっています。
機械装置等費:製造や試作のための機械など
広報費:紙媒体の広告など
ウェブサイト関連費:ネット媒体の広告など
展示会等出展費:展示会出展に要する費用など
旅費:展示会などに参加する際の旅費など
開発費:パッケージの開発など
資料購入費:補助事業遂行のための資料など
雑役務費:補助事業遂行のための臨時的な人件費など
借料:補助事業遂行のためのレンタル費など
設備処分費:新規に設備を導入する際の旧型設備の処分費など
委託・外注費:工事代金など
小規模事業者持続化補助金を活用するための公募要領のポイント(3)スケジュール
小規模事業者持続化補助金に申請するには、商工会もしくは商工会議所が発行した確認書(様式4)を取得する必要があります。
この商工会と商工会議所は名称が似ていますが、別の団体であり、商工会という名称は商工会議所の略称ではありません。そして、当補助金を申請する際には、自社の事業を展開する地域が商工会の管轄エリアであれば商工会から、商工会議所の管轄エリアであれば商工会議所から確認書(別表4)を取得する必要があります。
なお、当補助金のホームページも商工会と商工会議所では別になっていますので、自社に該当する団体のものを参考にしましょう。
【商工会エリア】
【商工会議所エリア】
この確認書(様式4)を取得するには、経営計画書と補助事業計画書(様式2、様式3)を作成し、商工会もしくは商工会議所に持参する必要があります。令和元年度補正予算・令和 3 年度補正予算の小規模事業者持続化補助金第10回受付締切分では、2022年12月2日(金)が持参の期限となっています。その上で2022年12月9日(金)までに申請を行います。
その後、計画書の審査が行われ、これまでの例では申請の締切から2~3か月後に採択者が発表されます。採択が決定された後に補助金として交付される金額が決定され、その上で補助事業を実施することになります。
令和元年度補正予算・令和 3 年度補正予算の小規模事業者持続化補助金第10回受付締切分では、補助事業を2023年7月31日(月)までに終わらせ、2023年8月10日(木)までに補助事業が終わった旨を報告するというスケジュールになっています。
今回の記事では、小規模事業者持続化補助金を活用するための公募要領のポイントとして(1)補助上限額と補助率、(2)対象経費、(3)スケジュールについて述べました。次回も当公募要領のポイントを見ていきます。
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