持続化補助金に採択された雑貨店の事例から見る計画書の書き方⑥
小規模事業者持続化補助金を申請する際に作成・提出した計画書は、事務局にて審査されますが、その審査内容については前回の記事でご紹介した「公募要領」内「審査の観点」で以下のように公表されています。
上図の赤枠部分が、今回見ていく＜補助事業計画＞の審査項目と解釈できますが、審査の項目数が比較的多いことから＜補助事業計画＞の評価は、採択結果に大きい影響を与えると考えられます。
今回の記事では、当補助金に採択された雑貨店の計画書を用い、＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」をどのように記載すれば、書面審査で高評価を得ることができるのか、そのポイントを見ていきます。
１． 持続化補助金に採択された雑貨店の事例から見る計画書の書き方のポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】
持続化補助金に採択された雑貨店の事例から見る計画書の書き方のポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】（１）概要を述べる
同店は自社で展開するネット通販事業をより広く告知するべく、当補助金でチラシの作成と新聞折込、ダイレクトメール・販促用景品・のぼり・看板の作成にかかる費用を調達しようとしていました。このように補助金の使い道が多岐にわたると、＜補助事業計画＞の内容が迷走し、読み手を混乱させてしまうリスクがあります。
そこで同店は、これら販促物の内容や目的を含めた補助事業の概要を「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」の冒頭に記載しました。これにより、読み手は補助事業の全体像を把握することが出来、その上で詳細を読み進めることになるため、理解が深まりやすくなると考えられ、この点も採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。
持続化補助金に採択された雑貨店の事例から見る計画書の書き方のポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】（２）具体的に説明する
前述の「審査の観点」には「補助事業計画は具体的で、当該小規模事業者にとって実現可能性が高いものとなっているか」という記載があります。そこで同店は、いつ（When）、だれが（Who）、なにを（What）、なぜ（Why）、どこで（Where）、どのように（How）の５W1Hを明確に述べました。
例えば、チラシの作成・新聞折込であれば、いつ作成するのか、だれが作成するのか、なにを作成するのか、なぜ作成するのか、どこに配布するのか、どのように作成するのか、といった内容を示しました。
同店は、チラシ以外にも、ダイレクトメール・販促用景品・のぼり・看板を作成しますので、それぞれについて５W1Hを盛り込んで内容を説明しました。
なお、前述の公募要領ですが、同店が応募した際の「④積算の透明・適切性」の審査項目は「事業費の計上・積算が正確・明確で、事業実施に必要なものとなっているか」となっていました。
ですが、現在は「補助事業計画に合致した事業実施に必要なものとなっているか」「事業費の計上・ 積算が正確・明確で、 真に必要な金額が計上されているか」と太字部分が追加され、比較的厳しめになっています。
よって、現在は５W1Hに「いくらで（HowMuch）」、つまり各販促物作成に必要な金額を加えた５W2Hを盛り込み、真に必要な金額をアピールすることをお勧めしています。
持続化補助金に採択された雑貨店の事例から見る計画書の書き方のポイント【販路開拓等（生産性向上）の取組内容編】（３）「創意工夫の特徴」を盛り込む
前述の「審査の観点」では「補助事業計画の有効性」を審査する際の観点として、「補助事業計画に小規模事業者ならではの創意工夫の特徴があるか」も挙げられています。
そこで同店は、５W1Hで補助事業を説明する際、「なぜ（Why）」の説明に「創意工夫の特徴」に該当するであろう内容を盛り込むとともに、「なぜ（Why）」の説明が「創意工夫の特徴」であることを示しました。このように「審査の観点」を強く意識して計画書を作成したことも採択を引き寄せたポイントと言えるでしょう。
今回の記事では、採択を引き寄せる「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」を書く際のポイントとして、（１）概要を述べる、（２）具体的に説明する、（３）「創意工夫の特徴」を盛り込む、を挙げました。次回は「4．補助事業の効果」について記載のポイントを述べていきます。
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