持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例⑤
小規模事業者持続化補助金の公募要領内「審査の観点」の「書面審査」には、計画書の審査項目が記載されています。その中の「経営方針・目標と今後のプランの適切性」には以下の記載があります。
経営方針・目標と今後のプランは、自社の強みを踏まえているか。
経営方針・目標と今後のプランは、対象とする市場（商圏）の特性を踏まえているか。
よって、「４．経営方針・目標と今後のプラン」を記載する場合は、「２．顧客ニーズと市場の動向」を踏まえて、どのような顧客ニーズに応えていくのか、市場の動向にどのように対応していくのか、また、「３．自社や自社の提供する商品・サービスの強み」に記載した強みをどのように活用していくのか、という点を意識して書き進める必要があるでしょう。
また、上記を強く意識したとしても、読み手に伝わるように記載しなければ、高評価を得ることは困難と言えますが、今回の記事では、当補助金に採択されたスポーツ用品店を事例に当欄の書き方について、そのポイントを見ていきます。
１． 持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【経営方針・目標と今後のプラン編】
持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【経営方針・目標と今後のプラン】のポイント（１）見出しを設ける
同店は当欄に【経営方針】【目標】【今後のプラン】という見出しを設けました。見出しは、内容がグルーピングされていることが分かり、より読みやすくなることが期待できます。
また、当欄にこのような見出しを設けることは「経営方針と目標と今後のプラン」を書くのではなく、「経営方針」を書いたら「目標」を書き、そして「今後のプラン」を書くことになるので、記載内容がテーマから逸れにくくなり、適切な内容になることが期待できます。
また、見出しなら何でも設ければ良いというものではなく、適切なものを使用する必要があります。同店は当欄のタイトルである「経営方針・目標と今後のプラン」に則って見出しを設けましたので、適切な見出しと言えるでしょう。
持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【経営方針・目標と今後のプラン】のポイント（２）経営理念を記載する
「貴社は何のために存在しているのですか」という問いに対する答えが経営理念であり、意思決定の判断基準となります。そして、これがあることで拠り所が存在することになりますので、事業の力強さを発揮することが可能になると言えます。
同店は【経営方針】を記載する前に経営理念を記載し、経営方針が経営理念に基づいていることを訴求した点も、採択を引き寄せたポイントと考えられます。
持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【経営方針・目標と今後のプラン】のポイント（３）有効性のある目標設定を行う
弊社では、目標は達成するために掲げるものと解釈していますので、達成できたか否か、否であればどの程度達成できたのかを測定するために、数値目標を示す必要があると考えています。また、いつまでに達成するのかという期限を切る必要もあるでしょう。
同店は、インソールに関する強みを活用して、3年後に達成する予定の売上目標と利益目標を示していました。設定した目標の妥当性はもちろんですが、目標を数値で示したり、期限を切るなど有効性のある目標を示したことも採択を引き寄せたポイントと考えられます。
持続化補助金に採択される計画書の書き方とは？スポーツ用品店の事例【経営方針・目標と今後のプラン】のポイント（４）今後のプランの時間軸に気を付ける
同店は、縦軸に実施事項を記載し、横軸に時間をとった表を作成し、今後のプランとしていつ何を行うのかを記載していましたが、時間軸が9か月となっていました。掲げた目標は3年後に達成する予定のものですので、今後のプランは3年の時間軸をとると目標達成時期との整合性がとれることになります。
この【目標】の達成時期と【今後のプラン】における時間軸を一致させてプランニングをすることで、同店が採択される可能性はさらに高まったものと考えられます。
今回の記事では、小規模事業者持続化補助金に採択されたスポーツ用品店の計画書をもとに、採択を引き寄せる＜経営計画＞「４．経営方針・目標と今後のプラン」における書き方のポイントとして、（１）見出しを設ける、（２）経営理念を記載する、（３）有効性のある目標設定を行う、（４）今後のプランの時間軸に気を付ける、を挙げました。
次回は同店が記載した＜補助事業計画＞「２．販路開拓等（生産性向上）の取組内容」から採択を引き寄せたポイントを見ていきます。
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