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比較の計算式の中に幸福は存在しない。

高級車に乗り、立派な家に住み、才色兼備なパートナーと可愛い子供。
戦争や紛争のない国で、経済的に不自由のない暮らし。

それは誰もが認める幸福だろうと思う。

確かに、自分もそう思う。
別に高級車じゃなくても、そこそこの暮らしでも全然幸福だという人もいる。それもわかる。

しかし近年の婚活ブームや、「結婚=幸福」の図式や、ここでいう「幸福」という言葉が、皆を苦しめているような気がする。

「幸福=結婚」ならば、それが手に入らなかった時、その人は不幸であるし、妬みや羨望の感情が生まれる。

そういう感覚で人生を生きていると、少しでも自分より経済的に、身体的に恵まれている人がいれば、それはその人より自分が劣っているわけで、その人より幸福ではなくなる。

そんな小さな諍いがご近所、SNS、友達、人間関係の間でマウントの取り合い合戦が日々行われている。

ここで、そのマウント合戦を解決させようとか言うのではない。
それは人が生きてる以上、永遠に無くならない。

ただ、そこに「幸福」という概念を持ち込む事で話をややこしくしていると自分は感じる。

何故かと言うと、最初に挙げた「高級車に乗って〜」みたいな皆が認める「幸福」は、「贅沢」であり、「幸福」ではないからだ。

ここで幸福の共通概念である「結婚」も、ここではあえて「贅沢」だと括りたい。何故かは後から述べる。

あなたは今の環境、現状に対してどう思っているか?
もしかして、「いつかは幸せになりたい。」「もっと給料が上がれば、結婚も出来て幸せになれる」「自分はまだまだ」「もう俺なんてダメだ」、、

など色々あるとは思うが、自分から言わせれば「全員幸福」なのだと思う。
詳しく言うと「生きてる限り、ずっと幸福」なんだと思う。
ここが、「幸福のボーダーライン」だと思う。
幸福の1メモリ下は、「死」だ。


基本的に、人は誰かと比べて自分の立ち位置を計ったり、物の価値も「比べる」ことで決定する。
車の査定も、家のローンを組める額も、比較から生まれる事はとても多く、社会に出れば「比較する事」を避けては生きれない。

それこそ婚活でも、年齢、年収、容姿、、あの人より、こっちの方が年収がいい、容姿がいい、、などと永遠に比べる作業だ。

その比較に終わりはなく、それではいつまでも結婚は出来ない。 =幸福にはなれない。


人には「幸福のゾーン」と「贅沢のゾーン」があって、
「高級車に乗って〜」とか、「あの人より容姿が、年収が〜」みたいなマウントの取り合いは、贅沢ゾーンの中で行われる。

幸福は比較して見つけるものでもなく、空を見て綺麗だというような感性によってのみ感じられる。
空と海を比べて、どちらが綺麗かを問うことは無意味である。

空は空で美しい。
美しさを感じる高揚感は、海と比べて感じるものではなく、ただそれだけで美しいと感じるように。 
空でピンとこなければ、自分の子供やペットなどに置き換えてみると分かりやすいかもしれない。
自分の子供は、人の家の子供と比べて可愛いと感じないだろう。
感じるならもうかなり幸福と贅沢の尺度がゴチャゴチャになっている可能性が高い。

幸福も、ただ生きてるだけで幸福だと感じる。それが幸福がもたらす高揚感であって、それを感じれないのは、あなたの感性の方に問題がある。

そもそも、「幸福は全人類が感じる事が出来る感覚だ」という前提がズレている。

感覚がひねくれていたり、閉ざしていたり、歪んでいたりすると、空を素直に綺麗だと感じれないように、幸福も素直に感じれない時もあるし、そういう人もいる。

根本的に「比較する」という概念を一旦置いておく。無くせはしないが、幸福を感じる時に、その尺度は使わないようにする。

なので、自分が言いたいのは、
「生きている限りどんな状況であれ、全員幸福は感じる事が出来るようになれるかもしれない」が、
「貧富の差、身体的な差など贅沢における差」はいつまでも存在する。

だから前述した「結婚は贅沢」は、「結婚=幸福」なのではなく、「結婚=贅沢」に概念を書換えないと幸福にはなれないし、「幸福」だと錯覚出来たとしても、常に幸福ではなくなるかもしれないという不安が心に同居する。

結婚しなくても幸福だし、したら幸福な上に贅沢だ。
しかし、いつまでも「結婚=幸福」の図式だと、結婚できないと幸福にはなれない。

だから、「結婚という贅沢がしたい!」と望むのが本来の姿であって、それは大いに望めばいいと思う。

「結婚して幸福になりたい」という文脈の尺度がおかしいと思う。
何故なら、幸福は結婚しなくても、生きていれば、皆に平等に与えられているものだから。

自分達が勘違いして苦しんでいるのは、幸福を贅沢と勘違いして、人と比べて幸福を感じようとしている所であると思う。


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