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第17話 厨二の会話

-ここまでのあらすじ-
ミャンマーで仕事をするコウジは、旅の途中で出会ったエリーと再会を果たす。コウジはエリーのヤンゴン滞在中に想いを伝えることにした。
エリーはすぐに回答をせず、翌月 今度はコウジがドーハに向かうことになったのだった。

エリーをホテルに送り届けたあと、
コウジがトレーダーホテルのバーに入ると、同世代の駐在員らが集まっていた。

「おお、今日のヒーローの登場だ!」

みんなサッカーをする仲間で、コウジがエリーに惚れているのも知っていた。

駐在員A(以下タケル):コウジ、どうだった? ゴール決めたか?
駐在員B(以下マサル):昨日、今日のスコアはどうだった? 圧勝じゃなかったか?
コウジ:いや、ちょっと時間をくれって言われたよ。
駐在員C(以下リョータ):はぁ? まじかよー・・・(舌打ちをして)俺たちも楽しみにしてたのに。。。
マサル:なんならここにくると思って正装して待っていたのに(笑)

コウジは、サッカースコアに比喩して言った。

コウジ:前半(昨日)に2−0だったけど、後半(今日)に追いつかれた。2−2で試合終了だよ。

頭を抱えてソファーに寄りかかっていたマサルは はっ となって飛び起きるようにして言った。
マサル:ん?つまり、第二戦はあるってことよね?・・・コウジ?
コウジ:そう、僕が12月にドーハに行くんだ。そこでエリーともう一度話す。
リョータ:おぉ! これは面白くなって来たねぇ。 ホーム&アウェー形式か!
マサル:でも既にアウェーゴールとられているから、コウジはドーハで勝たなきゃだめさ(笑)
リョータ:それなぁ
タケル:でもさぁ、なんで時間くれってなったの?

コウジ:まだ会って3回目だからってことかな。あと遠距離ってところも言われた。

一瞬みんな考え込んだが、すぐに会話は再開した。

マサル:いや、距離とかそんなの関係ないっしょ! コウジお前はこの二日間がんばったぞ!!
リョータ:そうだ、切り替えてドーハで奇跡を起こすんだ!
タケル:これからドーハまでの時間は、コウジは頭の中がエリーでいっぱいかもな、サッカーの試合呼ぶのやめようか(笑)

頭の回転が速いヤンゴン屈指のお調子者トリオは、コウジに対してエールを送りながら、早口で話を続けた。

マサル:でもさぁ、次 ドーハってことは、あっちのホームにいくわけじゃん?コウジに分が悪くない?
タケル:まあ、ここで勝負決めたかったけど、こうなっちまったらしょうがないだろ。
リョータ:うーん、さすがに押し倒すとかは厳しいもんな
コウジ:いや、そりゃさすがに(笑)
マサル:あ、そうだ。コウジ、エリーとドーハでキスして来なよ。
コウジ:は? お前!!!
マサル:キスしたらさ、女性ってホルモンが分泌されて嫌いな人も好きになるって話。ほら映画とかでもあるじゃんか。
タケル:マサル、お前それどこ情報だ?
マサル:え、2チャンネルに書いてあった・・・
タケル、リョータ:お前、厨二みたいなこと言うなよ!!(笑)

コウジは、タケル、マサル、リョータの3人の早口のノリツッコミにクスクスと笑った。

翌日、オフィスにいくと仕事がどっさり溜まっていた。
コウジは、現実にもどった気がしたが、12月のドーハを楽しみに仕事に取り組み始めた。

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