フラッシュ禁止のスポットにおける、露光の確保方法

写真を趣味にしていると必ず訪れるのは、フラッシュ撮影禁止のスポットだ。
動物園だったり、博物館だったりは大抵禁止されており、スポーツシーンにおいても禁止されているのがほとんど。

しかし、屋内や薄暮、夜間帯といったシーンでは露光が足りないとなる。しかし、フラッシュは使えないので、どうすれば露光が確保出来るかを工夫するしかありません。

1.フルサイズ機を使用する

フルサイズセンサー機を使用することで、ある程度の露光が確保出来る。
フルサイズはAPS-C等の小型センサーよりも1画素あたりの受光量が増えるため、小型センサーよりも明るく、色調豊かな写りになる。

夜景等を撮影する機会が多ければフルサイズ機を使うといいだろう。

しかし、フルサイズ機はAPS-C等の小型センサー機と比較すると非常に高価なので、即座に実行するのは難しいでしょう。

2.明るいレンズを購入する

明るいレンズとは、解放F値が低いレンズ。
代表的な数値だとF2.8やF4あたりがいわゆる明るいレンズと呼ばれる。

広角レンズであれば、さらに明るいF1.4という極めて明るいレンズもあるが、こちらは広角レンズしか存在しないため、明るさよりもボケ味を重視したレンズといえる。

これらのレンズを使えば露光量が大幅に増えるが、正直言うとこれらのレンズは極めて高価な為、実現するのは難しいだろう……

3.絞り値を下げる(解放にする)

ここからはカメラの機能面で対応可能な項目です。
上記2項は多大な出費を要するが、こちらはカメラに搭載されている機能なので、すぐに実行可能です。

絞り値は、レンズ内部を通る光の量をコントロールする数値。
絞りを下げる(解放にする)と、絞り羽根というパーツが開いてより多くの光がレンズ内に入り込むので露光量があがる。

しかし、2で述べた解放F値以下の数値には下げられないのでその点は注意。
露光が不足する環境では基本的に絞り値は解放にしておいた方がいいというだけだ。

4.シャッタースピードを下げる

シャッタースピード(以下、SS)を下げると露光量が増える。
理由は簡単で、SSを下げるとセンサーにより多くの光が当たるので、結果として明るく写る。

しかし、SSを下げると被写体ブレや手ブレの影響が大きくなる為、下げすぎには注意。
レンズの手ブレ補正機能や被写体の動きと相談しながら、最大限の露光を確保できる最適なSSを選べるようにしよう。

5.ISO感度を上げる

正直、これは最終手段だ。
ISOを上げると、カメラ側で受け取った光を増幅して実質的に露光量を増やせる。

……が、このISO感度は非常に厄介な存在で、上げすぎると写真に「ノイズ」という特有のザラつきが出てしまう。
露光は増えるものの、画質劣化の要因ともなるので非常に扱いが難しいため、基本的には絞りとシャッタースピードで露光を確認した後に足りない分をISOで補うといいだろう。

・まとめ

いかがだったでしょうか?
なぜこんなものを書いたかというと、先日、フラッシュ撮影禁止のスポットでフラッシュを使用する人がいたらしく、それらの注意喚起を兼ねて書きました。

一眼デジタルカメラは工夫次第で様々な表現が可能なデバイスなので、フラッシュ撮影が禁止されているのであれば、フラッシュを使わずに露光を確保する工夫を凝らすべきです。

禁止されている行為を繰り返せば、やがては撮影自体が禁止になる場合もあるので、撮影スポットを守る為にもルールを守って撮影を楽しみましょう。
 

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