第5話 不登校…そしてみつけた光

登校すれば自分の居場所など無くなって
しまった教室。
もはや音楽もなにもかも嫌になった私は
親がどれほど家から行かせようと
しても私は断固として部屋から出なかった。

まだ期待に満ちていた頃
…どんなに朝が早かろうが、どんなに夜が遅くなろうが…部活がある。それだけで楽しかった頃。

家では相変わらずの両親の大喧嘩
なんど親を殺してしまおうかと考えたこと だろうか。
大抵、父親は不貞腐れるように家を出ていき
それを探しに行くのは日常茶飯事
そんな中でも音楽は私の希望だった。
しかし同級生の執拗な嫌がらせに負けたのだ。

私は亀のように殻に篭もった

部屋に鍵などかけるような家でないので 
親が入ってこないのを願う日々

何回か教室や同級生が来てくれたが
それももう耳に届くような事はなかった。

闇。生まれて初めて味わう闇。
何を思ったのか、貯めたお小遣いで
ジグソーパズルを作っては壊し、
作っては壊し。
そうすると私は無になれた
無と言えど考える時もある
夜になると
親の喧嘩の声がけたたましく響く
妹弟は怯え隣の部屋で居たのだ

もう…息をすることさえも嫌だった。
なぜ生きてるのか
なぜ生まれたのか
なぜ虐められるのか
なぜ…なぜ…

現実逃避を繰り返す日々
ある日同級生のSさんが突然やってきた
(学校においでよ。ひとりじゃないし、私がいるから)
彼女は私の暗闇に一筋の光を与えたのか
のちのお話。

彼女は毎日連絡をくれた
根負け
私は、恐る恐る教室へ足を向けた。

すると彼女は挨拶をしに来た、が
ただ、私は彼女に言った

「私と仲良くしてるとSさんも巻き込まれる。だから内密に仲良くしてくれたらそれでいいよ」

と。
彼女は私の顔を見つめながらコクンと頷いたが
毎日手紙で机の中へこっそり入れたりし
会話は手紙だった。

それでも…それでもよかった
大勢での孤独と
自室での孤独
前者はもう地獄だ
後者は天国だ

だが孤独を感じなくさせてくれた
次第に彼女の友達も声を掛けてくれるように
なっていった。
そこからは私の殻はとうに崩れていた

そしてとある日
「ねえアーティストとか好き?」
とSが聞いてきた。

私はどちらかといえば
漫画を書いたりする方だったので
アーティスト、、にあまり興味がなく
アニソンのほうが詳しい分類。

少し気になったので
Sさんに誘われるまま
はじめて コンサートに行った。

それは衝撃の光景
レーザーが光り輝き
キラキラした世界

その日から私は
アーティストオタクへ変貌した

というより
アーティストオタクと漫画オタクを
ごちゃ混ぜにしたような感じ

前にも少しお話したが
うちはとにかく“貧乏”である
コンサートへ行きたくてもいけない

私なりに考え、友人と始めたのは
同人誌販売。
時にアーティストの衣装を作り舞台で披露する為、必死に振り付けを覚えた。

この頃はもう虐めてきた人達も飽きたのか
関係を持たなくなっていた

絵を描き、歌って踊り、
それがお金になる。

今で言えばバズってくれた為
高校後半は随分とお金があった。
コンサートならば学校を休んで
行っていたほど
もはや依存。なほど彼らに魅了されていた。

私の高校生活は
なんだかんだ楽しくなっていた
心残りは吹奏楽部を続ける事が出来なかったこと。悔しかったし負けた気というより
自分自身の弱さで、時に
本当はアーティストにのめり込む事で
それを忘れる為にしてるのではないか。
など考える夜もあった

けれど確かに私にとって
拠り所はそこしかなかった
Sさんには感謝しているがやはり彼女には彼女の友達がいる私がその輪の中になかなか馴染めない

なぜか

友達 というカテゴリーの人との
関わり方がわからなかったのだ。

それなりに3人くらいの仲良くなった人
たちとも遊ぶようになったり
吹奏楽部だった頃の先輩とも仲良く遊んだりした。
遊ぶ時、私が全てお金を出していた。
先輩、同級生へプレゼントしたり
お金を出せば構ってくれる。

まったくとんでもない思考になっていった

私は必死にお金をつくった。
だが、帰り際、とても虚しい…
(この人たちはきっとお金が目的。私じゃない)
実際、みな、カラオケやお金が必要な時に
呼ぶ。
それでも友人にしがみつく自分は
また1人になるのが怖かった
またあの孤独を味わうならと 必死だった。

そんな高校生活も終わりに近づく…。

光を与えてくれた
きっかけなんていつあるのか
わからないが…
SさんやAちゃんにはいまだに感謝

次回【卒業…そして就職か?】


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