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キャスパー・ユンカーがどんな選手か分かる記事[選手解説]

この記事では浦和レッズの新戦力キャスパー・ユンカーについて、ユンカーがどのような選手なのか、その凄さと改善点について解説していきます。ぜひ最後までご覧ください!

基本情報

ユンカーはデンマーク出身の27歳。ユース年代の代表経験はありますが、A代表経験はありません。
2013年にデンマークのラナースFCでプロデビューし、その後は複数のチームを渡り歩きますが、特に目立った成績は残っていません。

そして2020シーズン、ノルウェーリーグのFKボデ/グリムドに移籍。加入1年目で25試合27ゴールの成績で得点王MVPを獲得し、チームを初優勝に導きました。

2021シーズンはヨーロッパからのオファーもあった中、浦和レッズに加入。デビュー戦から公式戦3試合で4ゴールを決め、日本のサッカーファンに早速その力を見せつけました。

ユンカーは日本への移籍を選んだ理由をインタビューで次のように語っています。

「ヨーロッパの他の国に行くオプションもありました。僕はまったく別の文化を経験したかった。フットボーラーとして、あらゆるところに行きチャレンジできます。その中でアジアでプレーしたいと思ってきました。浦和というビッグクラブの名前がテーブルに乗り、そこで『ノー』とは思えませんでした。次へのステップであり、この浦和のファンを含め、サッカーを愛する人たちの中で活動できることを嬉しく思います」

ここからはそんなユンカーのプレースタイルについて解説していきます。

1.消えるうまさ

ユンカーを一言で表すと相手の視界から消える動きがうまい選手です。ユンカーのプレーを見ていると相手DFの背後に回り込むことが強く意識されていることがわかります。背後に回り込むことで視界から外れる、つまり消えるため相手DFは対応が難しくなります。この動きが柏レイソル、ベガルタ仙台戦の得点シーンに表れているため、ここからはその2つのシーンを具体例として解説します。

まずは仙台戦の得点。小泉(18)との連携で中央を崩した武藤(9)がバイタルエリアでボールを持った場面です。この時、ユンカー(7)のマークについていた仙台のCB吉野(16)の意識が武藤に向いた瞬間にユンカーは吉野の背後に回り込みます。この時点で吉野の視界からユンカーは消えています。そのため吉野はユンカーがどのような動きをしているか把握できず、フリーになり裏に抜け出すことができます。

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この得点シーンは下の動画の3:05から↓

次に柏戦の得点。汰木(24)が左サイドでドリブルで持ち込んだ場面です。ここでもユンカー(7)は柏のCB田中(47)の背後に回り込み、視界から消えます。その後、オフサイドにならないように斜めに走りパスが出てくるタイミングで初めて田中の視界に入ります。田中がユンカーの動きに気づいた時にはすでに前に入ることができ、裏に抜け出すことができます。

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この得点シーンは下の動画の0:25から↓

これらのシーン以外にもユンカーの相手の視界から消える動きは多く見ることができ、この動きによって得点を量産できています。

2.消せない守備

これまでのリーグ戦2試合ベガルタ仙台戦とガンバ大阪戦を見て気になったのは守備面です。ユンカーは相手CBやGKに対してそれなりにプレスをかけにいってくれますが、その際にパスコースを消せていないシーンが何度か見られます。パスコースを消せないとプレスの効果も大幅に落ちてしまいます。

特に気になったのはG大阪戦の51:55、G大阪のGK東口(1)がボールを持ったシーン。この時の東口のパスの選択肢は

① CB三浦(5)へのショートパス
② ボランチ矢島(21)へのショートパス
③ 前線へのロングキック

の3つがあります。(下の画像)

この時、浦和は左SHの武藤(9)が三浦(5)に寄せているため、選択肢①は消すことができています。そうすると、ユンカー(7)が消すべきなのは選択肢②の矢島(21)へのパスコースということになります。

ですが、ここでユンカーは選択肢①の三浦を消しに行こうとして、選択肢②の矢島へのパスコースを開けてしまい、パスを通されてしまいます。

このシーンでは、武藤とユンカーで選択肢①②を消し東口が選択肢③の前線へのロングキックを選ばざるを得ない状況を作りそのボールをDFが回収するのが浦和の最適な守備の形と言えます。

ここでのユンカーの首の動きを見ると視線がボールに集中しているため、武藤が三浦に寄せていることに気づいていないかもしれません。まだ2試合しか見ていないので何とも言えない部分もありますが、このようにユンカーの守備の理解度はあまり高くないように思います。ですが、まだ合流して間もないですし、ここからコミュニケーション面など味方との連携が向上すれば、この課題は案外早く解決するかもしれません。今後も”浦和のオフザボール王子”の活躍に注目していきましょう!

最後までご覧いただきありがとうございました。このようなサッカーの記事を書いていますので気に入っていただければnoteとtwitterの方のフォローもぜひよろしくお願いします!

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