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ロシアvaマルタ~マンツーマン守備の外し方~[W杯欧州予選グループH第6節]

9試合目!ラスト!

試合概要

メンバー

試合内容ふり返り
試合は9分にミスからロシアが先制。マルタのCBボルグのGKへのバックパスをスモロフがカットして得点を奪いました。その後マルタはロシアのマンツーマン守備に苦しみチャンスを作れず。一方ロシアもなかなか追加点を奪えません。そのまま終盤に突入し84分にロシアのシュートが相手の手に当たりPKを獲得。これをバカエフが決めて勝負アリ。ロシアは首位クロアチアと勝ち点で並ぶ2位で9月の欧州予選を終えました。

(1)ビルドアップvsハイプレス

これまでの2試合同様GKからパスを繋いでくるマルタに対してロシアはマンツーマン守備で対応しました。マルタの3-4-3とロシアの4-3-3は特に前線の噛み合わせが良く、マルタはこの守備に苦しめられました。

終始苦しんだマルタでしたが、打つ手はなかったかというとそうではなく、ビルドアップにある問題が生じていました。例えば1失点目の場面。CBのボルグ(4)がボールを持っている時にPムボング(11)がサポートに降りてきています。ですが、ボルグとの距離が近すぎる位置で止まってしまったため、逆にパスコースを消してしまいました。

最初から低い位置にいてしまうと相手はピッタリとマークにつくことができ、さらにパスコースも消してしまいます。そのため、最初は高めの位置にいてボールホルダーがパスを出せるタイミングで素早く降りて一瞬マークを外しパスを受ける必要があります。

ですが、マルタはこの動き自体はできていました。ではなぜこのような失点をしてしまったのか、何が足りなかったのかというとパスが出てこなかった時の動き直しです。失点シーンでは上の図のような状況になる前はGKがボールを持っており、その時にPムボングは高い位置から一瞬マークを外してサポートに降りてきました。しかし、GKはボルグへのパスを選択しPムボングにはパスは出てきませんでした。この時Pムボングは動き直さずにその場で止まってしまったので上の図のようにビルドアップが詰まってしまいました。

ここでGKからパスが出てこなかった時に止まらずに動き直せば、相手はマンツーマン守備なので必ずついてきます。そうすればまたスペースができ、別の選手が代わりにサポートに降りていくことができるようになります。

このパスが出てこなかった時の動き直しをできている選手はほとんどいませんでした。こういう細かいところを突き詰めていけばマルタは更に強くなれると思います。やってるサッカーはとても魅力的なので。

注目選手:ヘンリー・ボネロ

今回取り上げる注目選手はマルタのGKヘンリー・ボネロです。マルタリーグのハムルーン・スパルタンズFCに所属する32歳のベテランです。GKから繋ぐサッカーをするマルタにおいて必要不可欠な足元の上手いGKです。また足元だけでなく、シュートストップでも良いものを見せており、5節のスロベニア戦ではPKも止めています。課題としては繋ぐか蹴るかの判断の部分でしょうか。この試合でもそこはどう考えたって安全に蹴ったほうが良いという状況でも近くの味方に繋ぎにいってピンチになる場面がありました。チームとしてそういう約束なのでしょうが、約束よりも失点しないことの方が重要であるはずです。今後ボネロがいかに赤信号を渡る判断ができるかがチームとしても重要になりそうです。

試合結果

2021.9.8
FIFAワールドカップ欧州予選グループH第6節

ロシア 2ー0 マルタ

【得点者】
ロシア
 9'スモロフ
 84'バカエフ 

最後までご覧いただきありがとうございました。マルタ代表凄くいいですね。今後も応援したくなるチームです。10月はぜひマルタの試合を見てみてください。そして9月の欧州予選全9試合終わりました。お疲れ様でした。次は1ヶ月後です。その時はもっと早く投稿できるようにします。

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